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番外編 その頃の王都
side:ルアン
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時は前日の夜に戻る。
「なぁ、あの噂聞いたか?」
俺がいつものように宿で客の相手をしていると、常連客の一人──ラウスがそう訊いてきた。
「あの噂?」
ここ最近聞いた話を思い返してみたが、思い至る話はなかった。
「なんだ。知らなかったのか」
ラウスは拍子抜けしたように呟いた。
「この王都に信じられないぐらい強い若手の冒険者パーティーが現れたっていう話だよ」
「へぇ~初耳だな、なんて名前なんだ?」
そう尋ねたのは、まったくの偶然だった。
「それがな、パーティー名を聞いても皆知らないって言うんだ」
「なんだそりゃ」
「あっ、でも個人の名前はわかったぞ。エリザベートとアルフォード、アーティス、それにマリアの4人だ」
「マリアだと!」
マリアの名を聞いて俺はラウスの肩を反射的に掴んだ。
「落ち着けって、どうしたんだお前」
「ああ、すまない」
「いや、気にするな。それにしてもお前が話に飛びつくなんて珍しいな」
「……知り合いと同じ名が出てきたからな、つい」
「そうか、でも別人だと思うぞ?なにせ数日で有名になるぐらいだし、マリアって子は、まだ小さな子どもらしいしな」
「どんな子だ!」
なぜ冒険者なんかをやっているのかはわからないが、マリアの可能性が高まった。
「どんなって、銀髪に蒼い瞳の凄腕の魔術師らしい。しかも、だ」
ラウスは焦らすように言葉を切った。
「しかも?」
「しかも魔術だけじゃなく、体術でも強いらしい。なんでも絡んできたやつらを殴り飛ばしたとか、蹴り飛ばしたとか、投げ飛ばしたとか言っていたぞ。まぁどれが本当かハッキリしないんだけどな」
それが本当にマリアだったら全部正解のような気がする。
「他のパーティーメンバーも強くって、1日でE、Fランクの依頼で金貨数枚を稼ぐらしい。着てる服がいやに小奇麗で上等なことから、豪商の子どもだとかお貴族様だとかいう噂もあるが、眉唾物だと思うぜ」
その言葉で確信した。マリアに間違いないと。
「一度その子と話してみたいな」
「あ~、無理だと思うぞ。1週間ぐらい前に護衛依頼で出ていって、当分帰ってこないらしい」
「そうか……」
それでその話は終わったが、他の話をしながら明日ローザ婆さんにこの話をすることを心に決めた。
「なぁ、あの噂聞いたか?」
俺がいつものように宿で客の相手をしていると、常連客の一人──ラウスがそう訊いてきた。
「あの噂?」
ここ最近聞いた話を思い返してみたが、思い至る話はなかった。
「なんだ。知らなかったのか」
ラウスは拍子抜けしたように呟いた。
「この王都に信じられないぐらい強い若手の冒険者パーティーが現れたっていう話だよ」
「へぇ~初耳だな、なんて名前なんだ?」
そう尋ねたのは、まったくの偶然だった。
「それがな、パーティー名を聞いても皆知らないって言うんだ」
「なんだそりゃ」
「あっ、でも個人の名前はわかったぞ。エリザベートとアルフォード、アーティス、それにマリアの4人だ」
「マリアだと!」
マリアの名を聞いて俺はラウスの肩を反射的に掴んだ。
「落ち着けって、どうしたんだお前」
「ああ、すまない」
「いや、気にするな。それにしてもお前が話に飛びつくなんて珍しいな」
「……知り合いと同じ名が出てきたからな、つい」
「そうか、でも別人だと思うぞ?なにせ数日で有名になるぐらいだし、マリアって子は、まだ小さな子どもらしいしな」
「どんな子だ!」
なぜ冒険者なんかをやっているのかはわからないが、マリアの可能性が高まった。
「どんなって、銀髪に蒼い瞳の凄腕の魔術師らしい。しかも、だ」
ラウスは焦らすように言葉を切った。
「しかも?」
「しかも魔術だけじゃなく、体術でも強いらしい。なんでも絡んできたやつらを殴り飛ばしたとか、蹴り飛ばしたとか、投げ飛ばしたとか言っていたぞ。まぁどれが本当かハッキリしないんだけどな」
それが本当にマリアだったら全部正解のような気がする。
「他のパーティーメンバーも強くって、1日でE、Fランクの依頼で金貨数枚を稼ぐらしい。着てる服がいやに小奇麗で上等なことから、豪商の子どもだとかお貴族様だとかいう噂もあるが、眉唾物だと思うぜ」
その言葉で確信した。マリアに間違いないと。
「一度その子と話してみたいな」
「あ~、無理だと思うぞ。1週間ぐらい前に護衛依頼で出ていって、当分帰ってこないらしい」
「そうか……」
それでその話は終わったが、他の話をしながら明日ローザ婆さんにこの話をすることを心に決めた。
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