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第五章 エイセルの街
エリザベートの場合(2)
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「悪者退治ってどこに行くの?」
歩きながらリオナがそう尋ねてきた。
「う~ん、わかんないわ。だから悪者の方から登場してもらおうと思ってるわ」
「え~、それってめんどくさくない?私、悪い人たちがい~~~~っぱいいるとこ知ってるよ?」
「本当?そこに案内してくれるかしら?」
「うん!こっちだよ」
リオナはエリザベートの手を引いて歩き出した。
この時点でエリザベートは気づくべきだったのだ。なぜ子どものリオナがそのような場所を知っているのか疑問を持つべきだったのだ。
リオナに案内されること約15分、2人はだんだんと下町──治安の悪い方へと進んでいた。
「後どれぐらいかかるのかしら?」
「えっと、5分くらいだよ」
その言葉通り、5分もしないうちに目的地に辿り着いた。
「ここだよ」
そこは場末の小さな宿屋だった。否、宿屋と呼ぶにはぼろく、廃屋と大差なかった。1階は酒場もやっているようで、まだ少し時間は早いが、陽気な笑い声が聞こえてきた。看板には『宿&酒場 《龍の息吹》』と書かれていた。
「……随分と御大層な名ね」
「そう?めずらしくもない名前でしょ?」
エリザベートの呟いた言葉に、リオナは首を傾げた。
「そうなの?私あまりこういう場所には来ないから……。とりあえず入りましょうか?」
「うん!」
エリザベートが扉を押すと、ギギギと嫌な音を立てて開いた。その音にエリザベートは僅かに眉を顰めた。
「らっしゃい。泊まりかい?それとも酒かい?」
入ってすぐの場所は酒場になっていた。席はカウンターが10席、4人掛けのテーブル席が3つで、一番奥のテーブルだけ埋まっており、がたいの良い男性たち3人が酒盛りをしていた。
すぐに2人に気づいたカウンターの中にいた大柄な熊の獣人の男性が声をかけてきた。
エリザベートはカウンター席に座りながら答えた。
「とりあえずお勧めのお酒と、この子に何か適当なジュースをもらえるかしら?」
「お勧めってぇとエールだが、つまみにオヂミモはいるか?」
「お願いするわ」
「エール1杯とルンガのジュース1杯、オヂミモ1皿で銅貨7枚だ。前払いで頼む。わりぃが食い逃げする奴も少なからずいるんでな」
「わかったわ。……それにしても随分と良心的な価格ね。利益なんて殆ど無いんじゃないかしら?」
お金を払いながら尋ねれば男は笑い出した。
「ハハハ、その通りだ。だがそのお陰で客も多い。十分な稼ぎになっているよ」
その返答を聞きながら、エリザベートは内心首を傾げた。
(変ね。とてもリオが言ったような場所には見えないわ)
エリザベートは様子を見ることに決めた。
歩きながらリオナがそう尋ねてきた。
「う~ん、わかんないわ。だから悪者の方から登場してもらおうと思ってるわ」
「え~、それってめんどくさくない?私、悪い人たちがい~~~~っぱいいるとこ知ってるよ?」
「本当?そこに案内してくれるかしら?」
「うん!こっちだよ」
リオナはエリザベートの手を引いて歩き出した。
この時点でエリザベートは気づくべきだったのだ。なぜ子どものリオナがそのような場所を知っているのか疑問を持つべきだったのだ。
リオナに案内されること約15分、2人はだんだんと下町──治安の悪い方へと進んでいた。
「後どれぐらいかかるのかしら?」
「えっと、5分くらいだよ」
その言葉通り、5分もしないうちに目的地に辿り着いた。
「ここだよ」
そこは場末の小さな宿屋だった。否、宿屋と呼ぶにはぼろく、廃屋と大差なかった。1階は酒場もやっているようで、まだ少し時間は早いが、陽気な笑い声が聞こえてきた。看板には『宿&酒場 《龍の息吹》』と書かれていた。
「……随分と御大層な名ね」
「そう?めずらしくもない名前でしょ?」
エリザベートの呟いた言葉に、リオナは首を傾げた。
「そうなの?私あまりこういう場所には来ないから……。とりあえず入りましょうか?」
「うん!」
エリザベートが扉を押すと、ギギギと嫌な音を立てて開いた。その音にエリザベートは僅かに眉を顰めた。
「らっしゃい。泊まりかい?それとも酒かい?」
入ってすぐの場所は酒場になっていた。席はカウンターが10席、4人掛けのテーブル席が3つで、一番奥のテーブルだけ埋まっており、がたいの良い男性たち3人が酒盛りをしていた。
すぐに2人に気づいたカウンターの中にいた大柄な熊の獣人の男性が声をかけてきた。
エリザベートはカウンター席に座りながら答えた。
「とりあえずお勧めのお酒と、この子に何か適当なジュースをもらえるかしら?」
「お勧めってぇとエールだが、つまみにオヂミモはいるか?」
「お願いするわ」
「エール1杯とルンガのジュース1杯、オヂミモ1皿で銅貨7枚だ。前払いで頼む。わりぃが食い逃げする奴も少なからずいるんでな」
「わかったわ。……それにしても随分と良心的な価格ね。利益なんて殆ど無いんじゃないかしら?」
お金を払いながら尋ねれば男は笑い出した。
「ハハハ、その通りだ。だがそのお陰で客も多い。十分な稼ぎになっているよ」
その返答を聞きながら、エリザベートは内心首を傾げた。
(変ね。とてもリオが言ったような場所には見えないわ)
エリザベートは様子を見ることに決めた。
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