こうして少女は最強となった

松本鈴歌

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第五章 エイセルの街

エリザベートの場合(4)

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 エリザベートが目を覚ますと、さっきまでの酒場ではなかった。頭が痛むのを我慢して周囲を見渡すと、狭いが宿の一室であることがわかった。他には誰もいない。

「あれ?私……」

 どんなに記憶を探っても、酒場で呑んでいたところまでしか思い出せなかった。

コンコン

 ドアが叩かれ、リースが入ってきた。手には水が入った水差しとコップを乗せたお盆を持っていた。

「良かった。目を覚ましたのね。あなた下の酒場で酔い潰れたのよ」
「ご、ごめんなさい。ご迷惑をおかけして」

 エリザベートは慌てた。

「気にしないで。それよりもお水を持ってきたけど、飲むかしら?」
「ありがとう。いただくわ」

 リースから水の入ったコップを受け取って驚いた。

「冷たい……?」

 水は氷も入っていないのにキンキンに冷えていた。
 リースはそれを見てクスリと笑った。

「私が冷やしたのよ。驚いたかしら?」
「ええ、とっても」
「あら、あまり驚いていないのね」
「そう?」
「ええ、まるでみたい」

 ただの例えだったのかもしれないが、エリザベートはその言葉に顔を強張らせた。

「図星かしら?」
「……なんでそう思ったの?」
「う~ん、理由は色々あるけど、魔術にあまり驚いていなかったことと、話し方が丁寧だったからかしらね。それから隠したいならその質問はやめた方が良いわ。事実だと認めているのと同じよ」
「……覚えておくわ」
「それでお貴族様がこのような場所に一体何の用かしら?」
「……まるで私がここにいてはいけないような言い方ね」
「そんなことは言っていないわ。これは忠告よ。この領はそれ程でもないけど、よその領に行けば貴族に恨みを持っている人間は多いわ。あなた、このままだと近いうちに死ぬわよ」

 リースはそう断言した。

「随分とハッキリと言うのね」
「見たことがある人間が殺されるのは寝覚めが悪いのよ」
「……ご忠告はありがたいけど、心配ないわ。こんな場所に来たのはこの街だからよ」
「それでは最初の質問に戻るけど、どうしてここに来たのかしら?」
「ただの興味本位よ」
「供の一人も付けずに?」
「そもそも使用人なんて一人も連れてきてないからしょうがないでしょう」
「あなたと一緒にいた女の子、リオナといったかしら?あの子、ここには悪者退治に来たと言っていたけど、それはどう説明するのかしら?訊けばあなたとは来る途中の道で会ったそうだけど」

 リースの目が鋭くなった。

☆★☆★☆

あけましておめでとうございます。この時間にそれがやりたかったがためだけに更新しました。余裕があったというのもあるんですけどね……。本日はいつも通りの時間に後2回更新します。
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