こうして少女は最強となった

松本鈴歌

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第六章 王都への帰路

リオナの装備

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「やっぱ、武器って言ったらあそこかな?」

 店を出たところで、マリアはそう呟いた。

「そうね」
「あそこって?」
「前回行ったところだろ?」
「うん。《フェアリー・ソード》」

 前回行った時の感想を話しながら5分ほど歩き、6人は《フェアリー・ソード》に到着した。

「いらっしゃいませ!……3週間ほど前にも来られた方ですね。本日はどのようなご用件でしょうか?」
「覚えていたのね」
「はい。お客様は命ですし、あそこまで買ってくださる方はそうそうおりませんから」
「……それもそうね。今日はこの子の装備を一式見に来たのよ」
「この前はおられなかったお嬢さんですね。……ただ体格を考えると、サイズが合うものは限られてしまいますが、よろしいでしょうか?」
「ええ。条件はこの前と同じでお願い。武器は……サイズが合いそうなやつを全部持ってきて」
「かしこまりました。……そちらの方はよろしいのでしょうか?」
「ええ。気にしないで頂戴」
「それは失礼しました。少々お待ち下さい」

 そう言うと店の奥の方に立ち去り、5分ほどで箱を2つ抱えて戻ってきた。

「お待たせいたしました。まず防具の方なのですが、皆様のものと比べて見劣りがしないものは在庫が1つしかありませんでした」

 そう言って申し訳なさそうに、上の箱を開けた。

「まず鎧ですね。こちらはミスリル製で、一部は古龍の革を使用している、皆様と同じものです」

 そう言って皆に見せた。

「ローブの方はこの相手のものとまったく同じとはいきませんでした」

 申し訳なさそうに取り出されたのは、真っ白なローブだった。首元は紐ではなく、留金で止めるタイプで、銀色の鈍い光を放っていた。裾や袖口はさり気なくフリルになっており、生地全体は離れた場所から見ると、薄っすらとチェック模様が浮かび上がっていた。

「かわい~い!」

 リオナは顔を輝かせた。
 他の者──正確にはグレン以外──は一目で高級品とわかるその見た目に顔を引きつらせ、これを着て街を歩いたら誘拐されるのではないかと心配した。

「こちらは入荷したばかりでして、フェンリルの毛を染めずにそのまま織った布に、白龍の鱗を間に挟んであります。それにさらに希少な黄龍の毛でよった糸で刺繍することによって、着ている者に常時移動の補助と回復効果があります。防御力は皆様のものよりも若干上ですね」
「「「「「「……」」」」」」

 予想以上に規格外な性能に、誰も声が出なかった。

「鎧が大金貨25枚、ローブが35枚になりますが、いかがでしょう?ブーツも皆様と同じものを用意してあります」
「お願いするわ」

 マリア、アルフォード、アーティスも当然のように頷いており、グレンも平然としていた。リオナだけが口を大きく開けて固まっていた。
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