こうして少女は最強となった

松本鈴歌

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第六章 王都への帰路

殲滅戦(2)

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 リオナは楽し気にデスサイズを振るっていた。

「フ~フンフ~、フフ~フフン、フフンフフン、フフフ~」

 謎の鼻歌を歌いながら、一薙ぎで数頭纏めて切り飛ばす。

「リオ、なんか怖いよ……」

 マリアは両手に持った短剣に炎を纏わりつかせて切りつけていた。その合間に視界に入ったリオナの姿に、思わずそうつぶやいてしまった。
 それも無理はない。どこの世界に鼻歌を歌いながら魔物を殲滅していく幼女がいるというのか。それも歌っている歌はどこか哀愁が漂う曲調だったのも大きい。
 リオナにドン引きしつつもマリアは目の前の敵に油断していたわけではなかった。たださり気なく、若干リオナから離れるように距離をとった。

「『風よ、敵を切り刻め、《エア・カッター》』」

 時々中距離の魔術を使い、ある程度魔物の数を減らすことも忘れない。

(う~ん、数が多いと風だとあまり効果がないか。でも森の中だし、火は危ないしなぁ~。木属性も見通しが悪いと使い勝手が悪いし……。光、闇は燃費がなぁ~。光は攻撃向きじゃないし……)

 意図的に他のことに頭を働かせる。

(残ってるのは水だけだけど……そうだっ!?)

 閃くと同時に行動に移す。

「『水よ、視界を閉ざせ、《ミスト》』」

 マリアの前方に濃い霧が発生する。

「よし!『氷よ、拘束せし枷となれ、《氷獄アイス・プリズン》』」

 本来ならば狭い範囲にしか効果がない魔術を、先に霧を発生させることでその範囲を広げた。
 マリアは動けなくなったウルフたちの首を落としていった。

「うん、これなら結構使えるね」

 満足気に頷くと、また新たに霧を発生させる。

「今度はこれ!『雷よ、走りて動きを阻害せよ、《スタン》』」

  本来なら弱い電流を流す魔術。それを魔力を大目に流すことにより強化し、霧を伝って感電させた。

「ん~、ちょっと強かったか」

 マリアの予想に反して、強化された電流は範囲内の全ての魔物の命を奪っていた。中には少し毛皮が焦げているものもいる。

「フフフ、次はどうしようかな?」

 それからしばらく、他の冒険者たちが到着するまでの間、マリアは複数の魔術を組み合わせて実験していった。

 冒険者たちが見たのは大量のウルフの亡骸と、それを涙目で回収する男3人、笑顔で杖を振り回し、魔物頭を吹き飛ばしていくエリザベート、鼻歌を歌いながら次々と魔物を屠っていくリオナ、そして黒い笑顔を浮かべながら多種多様な魔術を扱うマリアの姿だった。
 その頃には八割方倒しきっており、魔物の姿が消えたのはそれからすぐのことだった。なお、冒険者の中にはマリアたちが倒した魔物を自分のものにしようとした者もいたが、魔物の回収を半ば強引に押し付けられ、機嫌が悪かった男3人に半殺しにされたことを記しておく。
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