こうして少女は最強となった

松本鈴歌

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第六章 王都への帰路

マジックテント(2)

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 お金を払おうとしたアルフォードをフェジーは押し止めた。

「そういうものは現物を確認してから払うものだよ」

 そう言うとテントを張り始めた。

「前回は大まかにしか案内しなかったね」

 張り終わるとフェジーはそう言って一室ずつ案内してくれた。まずフェジーは玄関ホールのすぐ左手の部屋に入った。

「……広い」
「こんなに広さがいるか?」

 扉を開けた先には広々とした食堂があった。広さは学園の食堂と同じか一回り狭いくらいだ。真ん中には大きなテーブルが2つ置かれており、周りには誰が座るのかというほど多くの椅子があった。
 呆れたように皆呟いたが、マリアだけは違っていた。

「フェジーさん、台所はどこ!?」
「っ!?……厨房ならそこの右奥じゃ」

 フェジーは少し面食らったようだが、すぐに気を取り直して答えた。
 マリアはそれを聞くや否や駆け出していた。

「わぁ~」

 厨房へのドアを開けると、マリアは感嘆の声を上げた。

「アル!大型オーブンがあるよ!これで料理がしやすくなるよ」

 普段は即席の窯で焼いている料理も、もっと簡単に作れると喜んだ。

「……それに喜ぶとは思わなかったよ。ただここの設備は一昔前のものだから、火は薪を使うタイプだが丈夫かい?」
「はい!問題ないです」

 最近の主流は少し高価だが、火属性の魔石を使ったマジックアイテムのものだった。火力の調節の容易さから、発売が開始されてから10年も経っていないにもかかわらず、中流以上の大抵の家庭にある。だがそれも、火力の調節など魔術で片付けてしまうマリアにとって、あれば便利ぐらいの認識だった。

「あっ、窯もあるんだ。竈も。……水道は流石にマジックアイテムか」

 マリアは次々と設備を確認していった。真ん中には広々とした作業台があり、調理設備も一通り備わっていた。

「……うん、十分すぎるほどだね」

 一通り見終わるとマリアは満足気に頷いた。

「奥が食糧庫になっておる」
「えっ?あっ、ホントだ。気づかなかった」

 入口は一見わかり辛かったが、そこにあることがわかっていれば簡単に見つかった。

「天井が斜め?」
「そこは階段の下じゃからな」
「……マジックアイテムだから、好きにどうとでもなるんだと思ってた」
「その通りだよ。だが造りやすさをを考えるとこっちの方が良いんだよ」
「へぇ~」

 厨房はマリアがはしゃいだだけで、他の者はあまり興味を示さなかった。精々その広さに呆れただけだった。

☆★☆★☆

近日中に間取りを図にして掲載したいと思っています。
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