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閑話
国王の頑張り(後編)
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3日後、情報が一通り集まった。
「サンドライト様、レオポルド男爵家を調べましたが、あの家との直接的な繋がりは発見できませんでした。こちらがその情報を纏めたものです」
「……ご苦労だった」
渡された書類に目を通せば、最後の備考欄に直接的な繋がりは認められなかったが、間接的にしろ、何らかの繋がりがある確率が高いと書かれていた。
「わかっているのに証拠がなく捕らえられんのは歯痒いな」
「あの一族は狡猾ですから」
「……出入りの商人、使用人の身内を含めて徹底的にもう一度洗え」
それが徒労に終わることは想像に固くなかった。だがそれでも諦め切れなかった。
「……かしこまりました。レオポルド男爵家、ベルジュラック公爵家双方からもう一度徹底的に洗います」
リンリーもその気持ちは痛いほどにわかった。だからこそ否とは言えなかった。
「……頼む」
◇◆◇
その2日後、国王は宰相と共に南門に公式に視察に向かった。
「これはこれは国王様に宰相様。このような薄汚い場所にわざわざ来られるとは……」
南門の兵士長は揉み手をしながら擦り寄ってきた。
「今日ここに来たのはな、冒険者からこの門で通行料を取っているという訴えがきたからだ」
これはあながち嘘ではない。マリアたちが冒険者もしているのは紛れもない事実なのだから……。
「……そのような事実は一切ございません」
「私も杞憂だと思いたい。ついては帳簿を見せてもらえるか?」
お願いの形を取ってはいるが、これは命令だった。
「は、はい!すぐに持ってこさせます」
リンリーたち諜報部の調べで、裏帳簿が存在することは調べがついていた。ただ運ばれてきたのは表向きの帳簿。国王はそれを改めもせずに宰相に渡した。
「これは……」
宰相は次々とページを繰っていき、あるところでその手を止めた。
「どうしたのだ?」
何を発見したのかは諜報部の頑張りですでにわかっていた。だからこれは兵士長たちに見せるための茶番だった。
「この年の欄を見て下さい」
「?特に問題はないようだが?」
「いえ、この年は帝国との戦で門の兵士の数が大幅に減りました。それに合わせ一部の項目は予算を削って戦費に回したはずです。それなのにこの年の予算は例年と遜色がない……」
「……ないはずの金がある、か。この分だとその他の年も怪しいな。裏帳簿の類もあるかもしれん。おい、探せ」
最後の言葉は連れてきた近衛騎士に向けたもの。
裏帳簿が発見されるまでさほど時間はかからなかった。
この日、南門の兵士の大多数は捕らえられ、他の門の兵士たちはその穴埋めのために移動が相次いだ。
時を同じくしてレオポルド男爵、レオポルド男爵夫人とその長男、および次男も犯罪援助の疑いで捕らえられ、数日後に家督は三男に譲られることとなった。
☆★☆★☆
おまけ話
かなり悪どい貴族が多いが、家督を継ぐ長男、そのスペアの次男に比べ、三男以降は真面目な人物や温厚な人物が多い。その事実に国王は日夜頭を悩ませている。
城の文官や騎士はそういった三男四男で構成されているため、仕事が滞ることはないが、実家の横槍が入ることが多いため、さほど重要な仕事は頼めない(情報漏洩の観点から)。
国王は密かに貴族の家督は王家のように領民の投票で決めるよう法の改正を狙っているが、実現は遠いい。
「サンドライト様、レオポルド男爵家を調べましたが、あの家との直接的な繋がりは発見できませんでした。こちらがその情報を纏めたものです」
「……ご苦労だった」
渡された書類に目を通せば、最後の備考欄に直接的な繋がりは認められなかったが、間接的にしろ、何らかの繋がりがある確率が高いと書かれていた。
「わかっているのに証拠がなく捕らえられんのは歯痒いな」
「あの一族は狡猾ですから」
「……出入りの商人、使用人の身内を含めて徹底的にもう一度洗え」
それが徒労に終わることは想像に固くなかった。だがそれでも諦め切れなかった。
「……かしこまりました。レオポルド男爵家、ベルジュラック公爵家双方からもう一度徹底的に洗います」
リンリーもその気持ちは痛いほどにわかった。だからこそ否とは言えなかった。
「……頼む」
◇◆◇
その2日後、国王は宰相と共に南門に公式に視察に向かった。
「これはこれは国王様に宰相様。このような薄汚い場所にわざわざ来られるとは……」
南門の兵士長は揉み手をしながら擦り寄ってきた。
「今日ここに来たのはな、冒険者からこの門で通行料を取っているという訴えがきたからだ」
これはあながち嘘ではない。マリアたちが冒険者もしているのは紛れもない事実なのだから……。
「……そのような事実は一切ございません」
「私も杞憂だと思いたい。ついては帳簿を見せてもらえるか?」
お願いの形を取ってはいるが、これは命令だった。
「は、はい!すぐに持ってこさせます」
リンリーたち諜報部の調べで、裏帳簿が存在することは調べがついていた。ただ運ばれてきたのは表向きの帳簿。国王はそれを改めもせずに宰相に渡した。
「これは……」
宰相は次々とページを繰っていき、あるところでその手を止めた。
「どうしたのだ?」
何を発見したのかは諜報部の頑張りですでにわかっていた。だからこれは兵士長たちに見せるための茶番だった。
「この年の欄を見て下さい」
「?特に問題はないようだが?」
「いえ、この年は帝国との戦で門の兵士の数が大幅に減りました。それに合わせ一部の項目は予算を削って戦費に回したはずです。それなのにこの年の予算は例年と遜色がない……」
「……ないはずの金がある、か。この分だとその他の年も怪しいな。裏帳簿の類もあるかもしれん。おい、探せ」
最後の言葉は連れてきた近衛騎士に向けたもの。
裏帳簿が発見されるまでさほど時間はかからなかった。
この日、南門の兵士の大多数は捕らえられ、他の門の兵士たちはその穴埋めのために移動が相次いだ。
時を同じくしてレオポルド男爵、レオポルド男爵夫人とその長男、および次男も犯罪援助の疑いで捕らえられ、数日後に家督は三男に譲られることとなった。
☆★☆★☆
おまけ話
かなり悪どい貴族が多いが、家督を継ぐ長男、そのスペアの次男に比べ、三男以降は真面目な人物や温厚な人物が多い。その事実に国王は日夜頭を悩ませている。
城の文官や騎士はそういった三男四男で構成されているため、仕事が滞ることはないが、実家の横槍が入ることが多いため、さほど重要な仕事は頼めない(情報漏洩の観点から)。
国王は密かに貴族の家督は王家のように領民の投票で決めるよう法の改正を狙っているが、実現は遠いい。
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