こうして少女は最強となった

松本鈴歌

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第七章 それぞれの過ごす日々

心当たりと現実

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「グレン!」

 学園に戻るや否やリオナはグレンのいる寮の部屋に駆け込んでいった。その際近くの部屋の住人にその姿を見られ、ギョッとした顔をされたが気にはならなかった。

「……すいません」

 流石に男子寮にリオナを放置していくわけにもいかず、エリザベートとマリアも恥ずかしそうに頭を下げながら後を追っていった。その後をアルフォードとアーティスもついていく。2人も先の3人ほどではないが人目を集め、居心地が悪かった。

「……どうしたんだ?」

 部屋でレーニスに徹底的に言葉遣いを直されていたグレンは目を大きく見開いた後、どこかホッとした様子でリオナを見た。その向かいではレーニスが器用に片眉だけ僅かに動かした。

「……グレン、グレンが知っている長命種って何?やっぱり龍?」

 脈略が読めず、助けを求めるように周囲を見た。

「……リオ、説明がなさすぎだよ。今ので困らなかったら凄いよ」

 リオナはいるんだったらとレーニスにも同じ質問を投げかける寸前で動きを止めた。

「……えっ?説明なさすぎた?」
「うん」
「…………だれだってうっかりするときはあるよね?」

 リオナは笑って誤魔化そうとした。だが間が空きすぎて誤魔化そうとしていることは誰の目にも一目瞭然だった。

「ちょっと昔の話がききたいの。だいたい……そうだな、1500年ぐらい前の。心当たりない?」

 誤魔化しきれないことを悟り、慌ててまくし立てるように理由を告げた。

「……1500、それですとエルフでも生きているかは怪しいですね。後は人間以外で言えばやはり龍でしょうか。寿命はエルフとは比べ物にはならないそうですし。ただ……龍の棲む龍の里は人里離れた秘境にあります。実際にそこに訪れるのは難しいでしょうね。おまけに龍は人嫌いが多いことでも有名ですから、まともに話を聞いてもらえるか……。最悪ブレス1つで塵も残さず消滅ですね」
「「「「「「……」」」」」」

 レーニスの丁寧な解説に全員固まった。

(……人嫌い。確かにそうだな。あいつらだったら……問答無用はあり得るか)

 他の5人が思考を停止している中で、グレンだけが過去のあまり思い出したくない記憶を振り返っていた。

「……何をお尋ねしたいのかはわかりませんが、お止めになった方がよろしいかと」

 リオナは最初何を言っているのか理解できなかった。だが、だんだんとその言葉の持つ意味を脳が理解するにつれ、リオナの瞳は潤み、大粒の涙がこぼれ落ちた。

「……リ、リオ」

 その時になってようやく他の者も再起動を果たし、泣き出したリオナにオロオロした。
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