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第七章 それぞれの過ごす日々
ルアンと自己紹介
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リオナの一人称視点
☆★☆★☆
皆には心配かけちゃったな。そんな気全くなかったのに。まあ属性が不明だったのは確かにショックだったけど、よくよく考えて見れば現状と何かが変わるわけじゃないしね。レーニスさんが言ってたことも正しいってことはわかっているし。
「リオ、どうしたの?」
ずっと無言だった私を気遣ったのか、前を歩いていたマリアがいつの間にか立ち止まって振り向いていた。表情がなんだか暗い。折角かわいらしい顔をしているのに、そんな表情は似合わないよ。
「えっ?ううん、何でもないよ」
心配をかけないよう、できるだけ明るく言ったつもりだったけどマリアの表情は晴れなかった。何でだろう?私、流石にこれ以上心配をかけるのは嫌なんだけど……。
それでもマリアは何も言わないでまた歩き始めた。
周りを見れば皆も似たような顔をしていた。どこかで見たような表情。……ああ、父親がいないってわかった時、近所のおばさんたちが私を見る目だ。憐れみ、同情、そして腫物を扱うような行動。
お母さんはそんな扱いを私が嫌がっていることがわかったらしく、何回も引っ越した。と言ってもエイセルの街からは出なかったけどね。
そう言えば他の子とは同じように成長しない私を、父親がいないから満足に食べさせられないんだって、お母さんを悪しざまに言っている人もいたな。……次の日には引っ越したけど。
「ここだよ」
なんとなく昔のことを思い出しているうちにお店に着いたみたい。《月光と夜香花》かな?看板の文字が掠れてて読み辛い。これって看板の役割を果たしているのかな。
マリアを腕を引っ張られるように中に入る。
「マリアじゃねぇか。数日ぶりだな」
入ってすぐのカウンターには中年のおじさんがいた。この人がルアンさんかな?
「うん!今日は友達を連れてきたの」
良かった。知り合いに会ったおかげか声が明るい。
「……はじめまして。リオナといいます」
促されてできるだけ丁寧に頭を下げた。……おかしいところ、ないよね?ちょっと心配。
「あ、ああ。リオナだな」
なんか狼狽えている。えっ?そんなにおかしかった?周りを見れば皆口元を押さえて笑っている。もう、皆まで笑うことないじゃない。
「……おじさん、リオがいくつに見えるかは訊かないけど、私と同い年だからね」
あっ、最近言われることが少なくて忘れてたけど、私の見た目は……うん、外見通りの年齢の子の挨拶にしてはおかしいな。
「……同い年?」
おじさんの今の気持ち、なんとなくわかる。信じられないって顔してるもん。でも自分のことだと思うと釈然としないけど。
「うん。で、こっちがエリザとアル」
マリア、もう少し空気を読んだ方が良いよ。おじさん、たぶん頭がついていってないよ。
「初めまして。エリザベートと申します。どうぞ気軽にエリザとお呼びください」
ちょっとエリザお姉ちゃん!マリアの事前の説明もあるんだろうけど、丁寧すぎるよ!追い打ちかけてるよ!礼をする動作が様になっててやけに綺麗だし……。おじさんが固まってるじゃない!
「……ご丁寧にどうも」
笑顔が引きつってる。可哀想に。
「初めまして。アルフォードです。アルと呼んでください」
アルは……セーフかな。
「ああ。俺はルアンだ。この宿の主をしている」
あっ、やっと余裕が戻ってきたみたい。良かった。……あれ?宿?
「んで、こっちがアーティスとグレン。おじさん、今日は食堂やってるよね?」
マリア、酷いよ。アーティスとグレンが固まっているよ。自己紹介ぐらいさせてあげようよ。ほら、おじさん──ルアンさんも困惑しているじゃない。
「……えっ?あ、ああ。もちろんやっているが」
「良かった。じゃ、行こう」
えっ?
「……アーティスとグレンは自己紹介しなくていいの?」
「……あっ」
あっ、って。私が言わなかったら忘れてたね。
☆★☆★☆
皆には心配かけちゃったな。そんな気全くなかったのに。まあ属性が不明だったのは確かにショックだったけど、よくよく考えて見れば現状と何かが変わるわけじゃないしね。レーニスさんが言ってたことも正しいってことはわかっているし。
「リオ、どうしたの?」
ずっと無言だった私を気遣ったのか、前を歩いていたマリアがいつの間にか立ち止まって振り向いていた。表情がなんだか暗い。折角かわいらしい顔をしているのに、そんな表情は似合わないよ。
「えっ?ううん、何でもないよ」
心配をかけないよう、できるだけ明るく言ったつもりだったけどマリアの表情は晴れなかった。何でだろう?私、流石にこれ以上心配をかけるのは嫌なんだけど……。
それでもマリアは何も言わないでまた歩き始めた。
周りを見れば皆も似たような顔をしていた。どこかで見たような表情。……ああ、父親がいないってわかった時、近所のおばさんたちが私を見る目だ。憐れみ、同情、そして腫物を扱うような行動。
お母さんはそんな扱いを私が嫌がっていることがわかったらしく、何回も引っ越した。と言ってもエイセルの街からは出なかったけどね。
そう言えば他の子とは同じように成長しない私を、父親がいないから満足に食べさせられないんだって、お母さんを悪しざまに言っている人もいたな。……次の日には引っ越したけど。
「ここだよ」
なんとなく昔のことを思い出しているうちにお店に着いたみたい。《月光と夜香花》かな?看板の文字が掠れてて読み辛い。これって看板の役割を果たしているのかな。
マリアを腕を引っ張られるように中に入る。
「マリアじゃねぇか。数日ぶりだな」
入ってすぐのカウンターには中年のおじさんがいた。この人がルアンさんかな?
「うん!今日は友達を連れてきたの」
良かった。知り合いに会ったおかげか声が明るい。
「……はじめまして。リオナといいます」
促されてできるだけ丁寧に頭を下げた。……おかしいところ、ないよね?ちょっと心配。
「あ、ああ。リオナだな」
なんか狼狽えている。えっ?そんなにおかしかった?周りを見れば皆口元を押さえて笑っている。もう、皆まで笑うことないじゃない。
「……おじさん、リオがいくつに見えるかは訊かないけど、私と同い年だからね」
あっ、最近言われることが少なくて忘れてたけど、私の見た目は……うん、外見通りの年齢の子の挨拶にしてはおかしいな。
「……同い年?」
おじさんの今の気持ち、なんとなくわかる。信じられないって顔してるもん。でも自分のことだと思うと釈然としないけど。
「うん。で、こっちがエリザとアル」
マリア、もう少し空気を読んだ方が良いよ。おじさん、たぶん頭がついていってないよ。
「初めまして。エリザベートと申します。どうぞ気軽にエリザとお呼びください」
ちょっとエリザお姉ちゃん!マリアの事前の説明もあるんだろうけど、丁寧すぎるよ!追い打ちかけてるよ!礼をする動作が様になっててやけに綺麗だし……。おじさんが固まってるじゃない!
「……ご丁寧にどうも」
笑顔が引きつってる。可哀想に。
「初めまして。アルフォードです。アルと呼んでください」
アルは……セーフかな。
「ああ。俺はルアンだ。この宿の主をしている」
あっ、やっと余裕が戻ってきたみたい。良かった。……あれ?宿?
「んで、こっちがアーティスとグレン。おじさん、今日は食堂やってるよね?」
マリア、酷いよ。アーティスとグレンが固まっているよ。自己紹介ぐらいさせてあげようよ。ほら、おじさん──ルアンさんも困惑しているじゃない。
「……えっ?あ、ああ。もちろんやっているが」
「良かった。じゃ、行こう」
えっ?
「……アーティスとグレンは自己紹介しなくていいの?」
「……あっ」
あっ、って。私が言わなかったら忘れてたね。
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