こうして少女は最強となった

松本鈴歌

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第八章 ベルジュラック公爵家

家探しが終わり

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「……一通り捜索は終わったな?そろそろ戻るぞ。エルマン、捕らえた者たちを一部屋に纏めておけ。先に証拠類を送ってからそいつらを送る」

 皆は一通り屋敷内を捜索し終わると先ほどの執務室に戻ってきた。
 誰もが精神的のみならず肉体的にもすっかり疲弊しきっていた。確かに公爵や使用人といった屋敷にいた者たちはとりあえず全員気絶させて縛ってその辺に転がしてあった。だが罠の類は残っており、先ほどは奇跡的に引っかからなかった幾多もの罠に引っかかりまくったのだ。誰だって疲れる。
 サンドライトのテキパキとした指示にエルマンは無言で頷くと気絶したまま縛られている公爵を引きずって部屋から出ていった。

「アルとマリアは証拠類と一緒に戻って適当に兵を集めておいてくれ」
「……わかりました」
「リンリーにでも声をかければ大丈夫だろう。それが終わったら帰っても良い。あいつも目を覚ましそうにもないし、処分は後日下すことになる。その時はお前たちも同席するか?」

 マリアは助けを求めるようにアルフォードを見上げた。

「……お前の好きにすれば良いだろう」
「うむ。それに別に今すぐ答えなくとも良い。当日になってから決めてもな。いつになるかは追って連絡はさせる」
「……はい。わかりました」

 サンドライトの言葉にマリアは頷くことしかできなかった。

「それじゃあ送るぞ。転移先は……アル、お前の部屋で良いな」
「……あそこでしたら人目もないでしょうし、大丈夫だと思います」

 アルフォード──アルデヒドの自室。その言葉にマリアは目をキラキラさせた。一応王子の部屋である。楽しみではない理由があろうか。

「……あ~、マリア。楽しみにしているところ悪いが、本当に何もないからな?」

 言い辛そうなアルフォードの言葉など耳に届いていなかった。

「……それではこの書類を頼む。『時空の女神アレスティーナよ、我は請い願う。空間と空間、すなわちここと彼の場所を繋げしことを。我の願い、我の魔力を糧として聞き届け給え。《空間歪曲》』」

 サンドライトはアルフォードの手に書類を押し付けると早速とばかりに呪文を唱えた。そしてマリアとアルフォード、2人の足元に黒い穴が広がり、2人を飲み込んだ。

「えっ?きゃっ!?急すぎるよ!」

 そんな叫び声をその場に残して。

「……急、だったか?」

 1人残ったサンドライトはその場でエルマンが呼びに来るまで落ち込んでいたという。
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