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第4話 妹はお願いする
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「へ、へー。それは大変だな、……医学的に」
「医学的? 面白いこと言うね、兄さん。そう、大変なんだよ、医学的に。ね?」
ふふ、と紗希が笑った。よかった。やっと笑ってくれた。
紗希の笑顔にほっとしながらも、俺は動揺していた。俺の義妹はサキュバス。そして俺は……男子。
「あ、でも毎日必要なわけじゃないんだ。数日に一回でいいの」
「ほ、ほう」
「数日に一回っていっても、15歳の女の子にとっては手に入れるの難しいんだよ?」
そりゃそうだ。
「だから、お母さん再婚した。私のために。安定して……手に入るようにって。健康な男子がいるバツイチ男性と」
「咲江さん、紗希がサキュバスって知ってるのか?」
「あ、そういえば言ってなかったね。お母さんもサキュバスなんだ」
そうなんだ。サキュバスね、咲江さんが……。不思議と驚かなかった。なるほど、そりゃすげーエロいわけだ。
……ということは咲江さん、毎晩「もらってる」のか。で、親父は毎晩「提供」。親父も男だからな。さぞかし満足だろう。
「……ごめんね」
急に思い詰めた声で紗希が言った。さっきまで笑っていたのに。
「どうした? 何を謝っているんだ、紗希」
「ずっと悩んでいた。言うべきか言わないべきか、ずっと悩んでいたの」
「サキュバスってことをか?」
「そう」
紗希の目にうっすら涙が浮かんでいる。
「……私たち、兄さんと義父さん、騙したの」
「騙した?」
「うん。さっきも言ったでしょ? 母さんね、私のために年頃の男の子がいるバツイチ男性と再婚したって。つまりね、そういう男性を探して、誘惑したんだ。兄さんの……兄さんの……出すやつ、目当てで……」
ぽたぽた。テーブルに紗希の涙が落ちた。
「ごめんね、兄さん。私、兄さんを騙した。兄さんからもらうためだけに、私、妹になりすましていたの。だから、妹になる資格なんかない。えっちな夢、見させてごめんなさい。無理やり出させてごめんなさい。私、これ以上兄さん騙すの辛い。だって……兄さん、優しいんだもん。こんな優しい人騙すの、もうイヤ……」
「ちょ、ちょっと紗希……」
美少女がテーブルに突っ伏して泣き出したものだから、周囲の目が冷たい。待ってくれ。俺が泣かしたわけではない。いや、泣かしたのか?
「紗希、顔を上げてくれ」
「うっ、うっ……」
ぐじゅぐじゅになりながら紗希が顔を上げた。
「あのな……どうやって出会ったかなんて……どうでもよくないか? こうして俺たち、兄妹になったんだ。同じ高校にも通っている。親父と咲江さんも仲が良い。経済的にも問題ない。それでいいじゃないか」
「ほんとう?」
「ああ」
おまけに紗希は美人なのだ。こんな美人が毎晩えっちな夢に出てくるのなら、それはそれでいい。どうせいつかは出すものなんだ。好きなだけ持って行けば良いさ。
「ホントのホント? 兄妹? 仲良し?」
「ああ、仲良しだ」
「へへ。仲良しなんだ。やっぱり、優しいな、兄さん」
紗希が笑った。
うん、俺は優しい。やらしくもあるけどな。
「じゃあ……兄さんに甘えちゃおうかな……」
「甘えてくれ」
「いいの?」
「ああ」
「どーしょっかなー、甘えちゃおっかなー?」
「おう、甘えれ、甘えれ!」
「うん、甘える!」
紗希が俺の両手をぎゅっと握った。小さくて柔らかい手だ。俺の下半身がズキンとうずいた。
「あのね、今までのやり方だとやっぱり量が少ないの。たぶん、布とか紙に吸い取られているからなんだ。だって液体だもん」
「そ、そうだろうな」
えらい直接的な言い方だな。
「だからね、今度から、直接、兄さんの欲しいな」
「直接?」
「うん」
「というと?」
紗希がニコッと笑った。
「だから……」
周囲に聞こえないよう唇の動きを読まれないよう、俺の耳元に口を寄せる。
そしてささやく。
「わかった?」
「ああ。わかった」
なんだ、簡単じゃないか。
つまり、お口……だろ?
わけないさ。
って。
……え?
えええええええええ!?
「医学的? 面白いこと言うね、兄さん。そう、大変なんだよ、医学的に。ね?」
ふふ、と紗希が笑った。よかった。やっと笑ってくれた。
紗希の笑顔にほっとしながらも、俺は動揺していた。俺の義妹はサキュバス。そして俺は……男子。
「あ、でも毎日必要なわけじゃないんだ。数日に一回でいいの」
「ほ、ほう」
「数日に一回っていっても、15歳の女の子にとっては手に入れるの難しいんだよ?」
そりゃそうだ。
「だから、お母さん再婚した。私のために。安定して……手に入るようにって。健康な男子がいるバツイチ男性と」
「咲江さん、紗希がサキュバスって知ってるのか?」
「あ、そういえば言ってなかったね。お母さんもサキュバスなんだ」
そうなんだ。サキュバスね、咲江さんが……。不思議と驚かなかった。なるほど、そりゃすげーエロいわけだ。
……ということは咲江さん、毎晩「もらってる」のか。で、親父は毎晩「提供」。親父も男だからな。さぞかし満足だろう。
「……ごめんね」
急に思い詰めた声で紗希が言った。さっきまで笑っていたのに。
「どうした? 何を謝っているんだ、紗希」
「ずっと悩んでいた。言うべきか言わないべきか、ずっと悩んでいたの」
「サキュバスってことをか?」
「そう」
紗希の目にうっすら涙が浮かんでいる。
「……私たち、兄さんと義父さん、騙したの」
「騙した?」
「うん。さっきも言ったでしょ? 母さんね、私のために年頃の男の子がいるバツイチ男性と再婚したって。つまりね、そういう男性を探して、誘惑したんだ。兄さんの……兄さんの……出すやつ、目当てで……」
ぽたぽた。テーブルに紗希の涙が落ちた。
「ごめんね、兄さん。私、兄さんを騙した。兄さんからもらうためだけに、私、妹になりすましていたの。だから、妹になる資格なんかない。えっちな夢、見させてごめんなさい。無理やり出させてごめんなさい。私、これ以上兄さん騙すの辛い。だって……兄さん、優しいんだもん。こんな優しい人騙すの、もうイヤ……」
「ちょ、ちょっと紗希……」
美少女がテーブルに突っ伏して泣き出したものだから、周囲の目が冷たい。待ってくれ。俺が泣かしたわけではない。いや、泣かしたのか?
「紗希、顔を上げてくれ」
「うっ、うっ……」
ぐじゅぐじゅになりながら紗希が顔を上げた。
「あのな……どうやって出会ったかなんて……どうでもよくないか? こうして俺たち、兄妹になったんだ。同じ高校にも通っている。親父と咲江さんも仲が良い。経済的にも問題ない。それでいいじゃないか」
「ほんとう?」
「ああ」
おまけに紗希は美人なのだ。こんな美人が毎晩えっちな夢に出てくるのなら、それはそれでいい。どうせいつかは出すものなんだ。好きなだけ持って行けば良いさ。
「ホントのホント? 兄妹? 仲良し?」
「ああ、仲良しだ」
「へへ。仲良しなんだ。やっぱり、優しいな、兄さん」
紗希が笑った。
うん、俺は優しい。やらしくもあるけどな。
「じゃあ……兄さんに甘えちゃおうかな……」
「甘えてくれ」
「いいの?」
「ああ」
「どーしょっかなー、甘えちゃおっかなー?」
「おう、甘えれ、甘えれ!」
「うん、甘える!」
紗希が俺の両手をぎゅっと握った。小さくて柔らかい手だ。俺の下半身がズキンとうずいた。
「あのね、今までのやり方だとやっぱり量が少ないの。たぶん、布とか紙に吸い取られているからなんだ。だって液体だもん」
「そ、そうだろうな」
えらい直接的な言い方だな。
「だからね、今度から、直接、兄さんの欲しいな」
「直接?」
「うん」
「というと?」
紗希がニコッと笑った。
「だから……」
周囲に聞こえないよう唇の動きを読まれないよう、俺の耳元に口を寄せる。
そしてささやく。
「わかった?」
「ああ。わかった」
なんだ、簡単じゃないか。
つまり、お口……だろ?
わけないさ。
って。
……え?
えええええええええ!?
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