魔女様は平和をお望みです

yukami

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4.納品に行ってまいります

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“ ”←の会話は魔物語です。基本的に魔物同士か主人公しか理解できません。

括弧で会話の種類を増やしすぎた感ありますが…表現力がまだ未熟なのでご了承ください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



そういえば、契約はしたものの次の日程を決めるの忘れていました。週に何回、納品に来るとか、話していません。
リストを確認しながら袋に詰めて、明日出かけられるように準備しておきます。
ラトくんにも明日また街に行くと伝え、ご機嫌チェックです。
ご機嫌も大丈夫そうなので、在庫確認して…
あの半日はお客様用の家を作りましょう。何度も増えていくかもしれませんし。

トイレとお風呂はありで…場所は私の家寄り…紅茶を作ったら入れられる棚も欲しいですね。ワインとかお好きでしょうか。ワインセラーとか置いてみましょう。
酒造の方も地下で熟成中ですし…5日後には飲める程度に熟成時間を調節していきましょうか。

あとは…



次の日、ラトくんと一緒に街に行きました。
来るなり魔女だ!となぜか森の時の呼び方教えてないのに広まってました。

とりあえず、厩舎にラトくんを預けます。今日は機嫌が悪くならないことを祈って。商業ギルドに向かいます。受付はレヴィさんではなかったのですが、奥からレヴィさんがすぐにでてきました。

「お待たせしました。」
「いえいえ、日取りを決めていなかったのを昨日思い出したものですから」
「いえいえいえ!私としたことが。こちらのミスです。今日は納品に来られて?」
「はい、少し持ってきました。」
「ではこちらにどうぞ」

そう言って前と同じ部屋に案内されます。

物はギルドの方に詰め替えていきます。
一応衣類と細工を別にしておきました。

「このリストの記入分だけ入れてありますので、後で確認お願いします。」
「はい!ありがとうございます。…あ、こちらが正式なリストとなります。」
「どうも」

納品はものの売れ行き次第ですが、どんな感じなのでしょう?

「即完売いたしました。」
「へ?」
「ですので、予約が殺到しておりまして、納品日を決めていなかった私を戒めていたところだったのです。」
「…えと、ではその予約分というのを見てもらって…今ある分ってどのくらいなくなりそうでしょうか?」
「えー…と…3分の2はなくなるかと…」
「…追加で持ってきましょうか?」
「お願いできますか!?衣服の割合を増やしていただければ助かります!」

全力でお願いされたら断れませんね。
今から帰ってリスト確認して持ってくるとなると夜になってしまいます。

「また明日でも構いませんか?数の在庫確認とかをしているとそのくらいになってしまうかと…」
「かしこまりました!お待ちしております!倍でも構いません。」
「わかりました。多めに持ってきますね。」

そうなると一気に在庫が減ることとなりそうですね。まあ、当分作ってませんし片手間に作りましょうか。
衣服多めと言っていましたが、あまりデザインに自信ないのですがシンプルなのが気に入られたのでしょうか?
タランジールの子供達とまた衣服の作成大会でもやりましょうか?
みんないいセンスをお持ちなのですよね~♪

ラトくんを拾って再び国を出ようとします。

「待ちやがれ!」

この前と同じことが起きました。しかし在庫確認や、タランジールの子供達との予定合わせもあります…

「すみません、また明日来るのでまた声をかけてください」
そう言って飛翔を使い、家へ向けてラトくんに空を駆けてもらいました。

家に戻る前にタランジールの住処に寄ってもらい、元気な子供たちと話を合わせます。

予定としては、これから木の細工を片手間に作り、明日持っていくもののリフトを数合わせ。
明日は運搬して、納品の後声をかけてくださった方の話を聞き帰宅。
3日目は衣服のデザインコンテストをタランジールと前から興味を持っていたという他種族のご近所さんも誘い、開く。
それで量産された衣服はストックしておきその日は終わり。
4日目にお客様が来られる予定なので、朝からお料理とお部屋の掃除…ご近所さんが来られたら手伝ってもらうのもいいかもしれません。

当分の間、予定が詰め詰めです。まあ、まだ許容範囲ですね。このぐらいイベントがあった方が毎日が充実しているというものです。
さ、今日やることを頑張りましょう♪


数を数えながら、風魔法で木を切っています。
一本で大体、子供の食器だと100セット分は作れます。だから………あ。どれが人気とか聞いておくべきでしたね。明日また聞いておきましょう。

ここの木はとても不思議で頑丈です。
普通の火で燃やしてもなかなか燃えないので普通の人は炭にするのすら…いえ、焦げさせることすら難しいでしょう。
まあ、私から見た見解ですが。何やら魔法基準が低そうなのですよね…何故でしょ?まあ追い追いわかるでしょう。
そして不思議な点は、切ってもすぐにもとの高さまで伸び切ってしまいます。まあ何年も見ている私にとっては普通のことですが。

「これだけあればいいですね。」

細工を作りながら倉庫に収めていた魔法袋の中身を確認し、自分用に移していきます。数さえ指定すればすぐ移動できるので魔法袋は本当に便利です。
量産して正解ですね。

数字ばかり見ていたので、目が疲れてしまいました。

今日はここまでとしましょう。


次の日、皆さんにご飯を振舞ったらすぐにお出かけです。急いでいきましょう。

ラトくんに乗ろうとすると鞍の上にお客さんです。
「あら、タランジールの子供達の一体ですね。どうされましたか?」
“ぼくもいく!”
「おや、街には人がいっぱいですよ。…そうですね。私の肩から離れないという約束守れますか?」
“うん!わかった!魔女様!”
「では肩にどうぞ」
親御さんにも一応連絡しておく。すると契約を結んでおいて欲しいという。そうすると離れた位置からでも子供を通じて連絡ができるのだそう。

「契約ですか?私は構いませんが、貴方はいいの?」
“おなまえください!”
「そう?ならそうですね…ジルくんでいきましょう。」
“はい!”

契約の魔法には2種類ある。これを守って欲しいという少し戒めが弱く、破ったらすぐに切れるただの契約と完全に服従するという隷属契約である。ずっと一緒にいるとなれば、隷属契約の方がいいと魔物達から聞いているので、隷属契約を行なっている。
その契約にも条件があり、実力が上であるものが主人でなければ失敗し、破棄される。

タランジールという種は討伐規定というもののSSランクに相当と言っていましたが、タランジールの長さんと契約しても別に問題はありませんでしたし…きっと何かの間違いですね。相当ということは確定した記録ではないようですし。
討伐規定というものの図鑑とかあるのでしょうか?
ギルドに赴いたら聞いてみましょう。

空を飛んで、ある程度来たところで地面に降りて門をくぐって厩舎にラトくんを預ける。

すると、昨日帰りがけに見かけた方が、受付のお姉さんに頭を無理やり下げられながら、敬語でお待ちくださいと大きな声で叫んでこられました。

「はい、どうかされましたか?」
「アン様。今お時間よろしいですか?」
男性の頭を無理やり押さえつけながらお姉さんが話しかけてきます。

「すみません、先に商業ギルドの方に納品させてもらってもよろしいですか?それが終わったら予定は開けておりますので…」

「はい。わかりました。…それと、急いでいるところ申し訳ないのですが肩にいる魔物はまだ契約獣登録しておりませんので、名前と種をこの紙に記入し追加してからでお願いします。こちらは決まりですので…」

「あっ。そうでした。今日は急遽連れてくることになったのでした。決まりでしたら仕方ありません。素直に従います。紙に書くだけでよろしいのですか?ギルドに向かった方がよろしければご一緒いたしますが…」
「いえいえ、レヴィさんの方が急ぎだと思われますので、そちらを先に済ませてからで問題ありません。」
「わかりました。えと……これでいいですね。ではまた後で」
「はい。お待ちしております。……?!」


お姉さんに見送られながらジルくんとともに、商業ギルドのレヴィさんのところに向かいます。男性の方ずっと押さえつけられて後半もがいていましたが大丈夫なんでしょうか?また後でご挨拶しておきましょう。

まずはレヴィさんですね。

「お待ちしておりました!」
「お待たせしました。」

慣れたようにいつもの部屋に案内され、リストを渡して、渡された魔法袋に移し替えます。

「おお、かなり持ってきてくださったのですね!」
「はい、これで少しは落ち着くといいのですが…それでですね。次の納品なんですがこちらの在庫の方が少しばかり心許ないので…7日後でもよろしいでしょうか?」
「はい、こちらこそご無理を言ってしまいまして申し訳ない。もちろん、お待ちします。まだ勢いが止まらないのですが制限を用いらせてもらい、販売に至っておりますゆえ7日ごろには落ち着いていると思われます。」

「ちなみになのですが、どの種類が勢いがいいといいますか…例えば子供の食器がとかありましたら教えていただけますか?それに応じて量産を考えますので。」
「そうですね…しばしお待ちいただけますか?すぐに集計を取らせていただきます。」
「お時間かかりそうでしたら…お隣の冒険者ギルドの人に呼ばれておりますので…そちらに向かってもよろしいでしょうか?」
「おや、お隣に…畏まりました。集計が終わり次第報告に参りますね。」
「もしこちらがすぐに終われば戻ってきますよ」
「…そうしましょう。」

さてあっち行ったりこっち行ったり忙しいですが、夕方までになんとか終われば良いのですね。

「あ、来ましたね。アン様」
「はい。来ました。なんの御用でしょう?」
「アン様、こちらの依頼を受けるつもりはありませんか?」
こちらのというと冒険者のでしょうか?

「ないです」
「……即答な理由をお聞かせ願いますか?」
「私は商人です。自己防衛はできますが、わざわざ危険に向かう必要はないでしょう?」
「…ですが、アン様。タランジールを従えるとなると相当な実力をお持ちであるのは確かですよね?」
「…タランジ…嗚呼、ジルくんのことですね。この子は…ある職人さんとこの子の親が契約していて、最近立て続けに街に行くので心配して護衛にと一体貸して頂けたのです。それにこの子はまだ子供です。」

「……それ以前にオーガホースもいます」
「あの子も似たようなものです。」
「…なんとしてでもやりたくないと」
「えぇ」

お姉さんには真意を伝え、微笑みつつ断り続けます。

「………では討伐関連以外ではどうでしょう?」
「ですから、それも同じことでしょう?崖の上の花を取れと言われてもその崖が崩れたら危険です。それにそんなこと無理です。」
「うぐぐ…」

諦めが悪いですね。膠着状態というやつですか。そろそろレヴィさんのところに戻りたいですね…。

コンコンコンと部屋の扉がノックされます。入りますと行って入ってきたのはレヴィさんでした。
「こちらでしたか。」
「あ、集計が終わりましたか?思ったより話が進まなくて…わざわざすみません。」
「いえいえ、構いませんよ。…それで、ルーマさんとは何を?」
「ルーマ…さんと言われるのですね。そういえば名前聞いてませんでした。」
「……!!ルーマ、自己紹介をしていないのか?」
「はっ!す、すみません!!」
「いえいえ、私も聞くタイミング逃してましたし…」
「寛大な人でよかったな?…それで何についてお話ししていたか混ざっても?」

レヴィさんはどちらについてくれるのでしょう?

「アン様に依頼?反対です」
あ、こちら側でしたか。

「ですよね!商人なのですから危険なことに首突っ込まない方がいいですよね!」
「えぇ。無理強いは良くありません」
強い味方がついた予感がします!
「……ぐ…今日は不利ですね…また日を置いて挑戦します。」
何をしても私は依頼を受けませんよ?ルーマさんは諦めてください。


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