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9.魔女様のために生きる魔物達
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次の日。
起きたら、皆さんから生産のお手伝いをしたいとのこと。オーガロードとカグチさんは鍛治に興味があるとか。他にも服だけでなく飾りまで作ってみたいとか手芸をやりたいとか、みなさんが生産に意欲的になってました。
「急にどうされたのですか?」
【魔女様がやってるの見て興味が出たのよ】
【うむ、品数が多いほうが商人として名が売れそうではないか。…それとも、迷惑かの?】
「いえいえ!私1人の製造量だと量頼まれたらできないから、手を出していなかっただけなのです。みなさんが手伝ってくれるなら他の商品も考えます」
【魔女様の役に立てるならなんでもやるぞ】
【しかし初心者なのでの優しく頼みますぞ】
「ふふ、もちろんですよっ」
何で悩んでたかわからないくらい街に行くのが楽しみになりました。
レヴィさん達も喜んでくれるでしょうか?
約束の7日後、カグチとビランとジル、ラトくんを連れて街に向かう。
カグチはビランの中型化した上に乗せてもらってました。最初は走っていくと言ってたのですが流石に見た目が悪いのでそれはやめてもらい、ビランにお願いしました。
【魔女様、街に着いたら私は念話で会話をいたしますね。】
「はい、そうしていただくと助かります。…ジルも少しずつ念話の練習頑張りましょうね。」
(うん!)
「カグチは、私のことはアンと呼ぶようにお願いします。」
【わかった!】
今日も沢山売りましょう。
街に入ったら商人ギルドに向かいます。
しかし冒険者ギルドの前に見たことあるような人が仁王立ちしていました。
んー……思い出せません。つまり関係ない人ですね!
「カグチ、さん付けは不自然なので呼び捨てでいきましょう。」
【…様付けにします】
「えぇ?なお固くなりましたよっ。」
なぜそんな様付けなんですかっ。
【様付けの方がしっくりきますから。】
「カグチがおとなしいと変な感じです」
『同意です』
【俺はいい子ですよ?!】
「えー?…ふふふ」
カグチをからかい、仁王立ちの人の前を通り過ぎようとするれば、商人ギルドに入る前に呼び止められます。
「ちょっと待てい!俺に反応しろ!」
【あ?】
「…あ、いや…あんたじゃなくて」
【お知り合いですか?アン様】
「さ、様?!」
「…やはりそれやめません?それと知り合いではないと思います…覚えてないんですよね…」
【なら俺が相手しておきますので。アン様はお仕事頑張ってください。すぐに戻りますから】
「乱暴なことは控えるんですよ。」
【はい】
『信用ならない返事でしたね。』
「ですよね…」
カグチに首根っこ捕まれ、しょっぴかれるお兄さんは、冒険者ギルドの中に一緒に消えました。まるで猫のように静かになって従ってましたね。
結局誰だったのでしょう?
まあ、それは置いといてレヴィさんですっ。
「お久しぶりです。アン様。大丈夫でしたか?」
「え?何がです?」
「ギルド前にガラドという男いませんでした?Sランク冒険者の…」
「…ガラド…嗚呼、さっきうちの護衛にしょっぴかれていった男性ですね。」
「……え?」
「大丈夫でしょうか…まあ同じSランク者同士の話があったのでしょう。」
「…………あの。Sランク冒険者の護衛がお知り合いにおられたので?」
「はい、わたしも再会するまでわからなかったのですが、カグチという名前の鬼神です。」
「……鬼人族のカグチ!……そ、そう、ですか!…あ、はは…御愁傷様です…ガラド。」
「同じ故郷のものなのですよ。私もSランクって聞いて驚きました。…それは置いといて、商品についてなのですが。こちらのお抱えの職人の方が増えまして…他のものも販売が可能となりまして…見ていただきたいのですが…」
「おぉ!本当ですか!ではこちらにどうぞ!」
さて商談の始まりですね。
武器や防具の販売も開始するとなりますと、精度の高さの部分でレヴィさんだけでは分かりかねないらしいのでそれ専門の職人さん待ちになりました。
他にも装飾品の種類を増加、ポーションの販売についての話も勧めます。
「そんなに増えられたのですか?移住でしょうか?」
「いえ、もともと住んでいた人達が協力的になってくださったのです。」
「至高の職人の村という感じでしょうか?」
「至高…かはまあ置いといて、まだ初心者ばかりですから。地道に育てていく最中です。」
職人の皆さんが到着して、それぞれの分野を
「至高の中の至高です!鉄の剣でこれほどまでの鋭さ、弟子入りしたいくらいです!」
「弟子入りは当分考えていないそうなので…」
「くっ!こんな匠を師匠にできるなんて羨ましいっ」
他の人達からも羨ましいと言われておりますが、目の前にいますよ?その匠?とやらは。
『魔女様、かなり信仰対象になっておられますね。』
ふふ、そうですね。でも内緒ですよ?
『わかっております。』
「すぐにリストを作ります!アン様の仕入れてくださった商品は責任持って正しく使えられる方にお売りしていきましょう!」
「ありがとうございます。職人たちも喜びます。」
「アン様、もう少しお時間がかかりそうなので、街の散策などいかがでしょう?」
「そうですね。カグチと回ってきますね。夕方ごろまた来ます」
「はいっ!」
さ、商談は終わりです。今回関わった方々に商品を委託し販売する形となりました。皆さん、これを見本に自分自身と弟子を奮い立たせますと意気込んでおられましたね。
皆様のお役に立てたようで何よりです。
「…さて、カグチは…」
終わったのでしょうか?
冒険者ギルドを覗きます。
「カグチー?」
【アン様、すみません。すぐ戻ると伝えたのに時間がかかってしまって。】
「いえ、それは構いませんが…長話になったのですか?」
【いえ、ランクの調節を少々】
「はい?」
【なんでもないです!】
なんていったのか聞こえなかったのですが、真新しくなった受付からルーマさんがささっと出てきます。
「…アン様、カグチ様とはどういうご関係で?」
「カグチは故郷が一緒の友人です。」
「故郷が!…どこら辺なんです?」
【秘境と呼ばれた場所…の近くだな】
「…そうですね。近いだけですけどね。」
『馬鹿…お仕置きだな…』
ビクンとカグチが身を大きく震わせていますがお仕置きは後です。
「…秘境…やはりそうですか…」
「近いだけですからね?」
「いえ、そこで育ったからこそその強さなのでしょう。…そういえば、聞きましたか?今世の勇者様のお話」
「……えぇ、少し」
【『!』】
「すっごく!女癖が悪いそうです!気をつけてくださいねっ!後、昔行方不明になられた妹姫様をお探しのようです。」
「…へぇ、死んだと聞いたんですがねぇ。」
「そうなんですよ!おかしな話ですよね。勇者一行のメンバーも聞きました?アズール国の王子確か4人くらいいたと思うんですけど。そのうちの1人も同行しているし、他2人も各々妹様探しして旅に出たらしいんですよ!」
一位だけじゃなくて他も?
……頭痛くなってきました。
【そいつらって今どこら辺旅してるか聞いてる?】
「えーっと…確か、勇者一行は東へ、魔族の目撃情報が出たらしいのでそちらに駆り出されていて…他2人はわかりませんね。カグチ様、喧嘩売ったらダメですよ?」
【あっちが何もしてこなかったら何もしないって。もし、うちのアン様に手を出したら…さっきみたいにするかもだけど】
「……あまりやると、教会が敵に回りますからやめといたほうがいいですよ。」
「教会ですか?」
「神を信仰し、魔族を嫌い、勇者を崇める人達です。ここだけの話…ただの金巻き上げ集団ですけどね。」
【なら潰しとくか?】
「世界を敵に回す覚悟があるならしてもいいですよ。一応信者はいますから。」
【ふーん…まあ、アン様に被害がないならいいや】
「…カグチ様、アン様好きですねぇ」
ルーマさんにからかわれているカグチを見ていて本当に馴染んでいるなぁと見守る。
『アン様、部下からそれらしきものがこの街にいると報告が』
それらしき?誰のことです?
『……王子の1人でございます。』
「…会ってすぐ分かる仲ではありません。気にしなくていいです」
『はっ』
……誰がいる中はわかりません。しかしもう、あの国の姫アンヤは死にました。
もう無関係です。
「どうしましたか?アン様」
「いえ、なんでもありません。カグチ、時間つぶしに散策しませんか?」
【お!する!あ、魔物の素材渡しとくから換金頼む】
「おぉ!流石カグチ様!わかっているではありませんか。…アン様も置いていってくれれば戻る頃に換金しておきますよ。」
そんなシステムあったんですか?
まあ、所持金は猶予がありますし、換金も時間がかかる時ありますよね。
カグチは何を出すんでしょう?
【ほい】
「…おや、そんなに大きなものを出してもいいんですか?」
「解剖をサボるのがカグチ様ですよね…」
【めんどくさいのは仕方ない】
「すみません、うちの者が。」
「それで、アン様は何を出されます?」
何か期待した目がキラキラと…
「大したもの出しませんよ?」
「はい、いつも通りでいいんです」
納得いかない返事をしてきますね…
カグチが出したのは霊木スモーカーという霧が蔓延る場所に生息するトレントの一種ですね。うちの近くにいっぱいいます。エルダートレントのダードレンが増えすぎて困っていたので狩っていたのでしょう。
「そうですね…大きさを競うわけではありませんがこれの換金をお願いします。」
これの翼っていくらなんでしょう?
「…………さすがアン様、上を行かれる」
「え…別のにしましょうか?小さいのがいいです?」
「いえいえいえ!これがいいです!」
「…そうです?」
渡したのはただの骨なんですけどね。翼って言えるわけではないんですがその部分だったものです。
ボーンホース、アンデットなのですが、屍肉の馬で骨の翼の持った馬なのです。
時々渡り鳥のように空を飛んで奇襲してくるので倒すんですよね。
「これどうやって倒すんですか。」
「ちょうど奇襲攻撃してきたので、魔法で叩き落しました。」
落下死です。
「…魔法得意なんですね。」
「風が得意ですね。」
「ふむふむ」
『…そろそろここから離れましょう…魔女様』
近いようですね。
誰かは知りませんが、絶対に会いたくありません。
「…ではそろそろ行きましょうか」
【はいっ!】
「…大型犬…」
ルーマさんが、目の前に見えている者が信じられない顔で、ぽそりと呟いたのを私の耳は聞き逃しませんでしたよ。
まあカグチは鬼というより大型犬ですよね…大きな犬獣人です。
ギルドから出るとき、若い青年とすれ違います。
ぎりぎりだったようです。早く離れましょう。声も聞きたくありません。
「……ここに、何か手がかりが…あれば…」
深刻そうに小さく呟くのも聞きます。ですが振り返ることはありません。私はもう彼らとは関係ない。
カグチと、ビランとジルで歩いて回って、食べ物を歩き回って食べたり買ったりして、楽しみます。
ラトくんにもお裾分けをと買っていくと厩舎に客が。
よりにもよって…
青年がこちらに気づきます。従者の方が近づいてくるのと同時にカグチが庇うように前に出てくれます。
「あの馬の持ち主でしょうか」
【だとしたらなんだ】
「…少しお話をさせていただきたい。」
従者の方の肩に手を置いて青年が従者の威圧的な態度を制し、前に出ます。
「…Sランク冒険者のカグチ様ですよね。お噂は聞いております。カグチ様の馬でしょうか?」
【…俺の友人の馬だ】
「友人…というと後ろの方でしょうか?…………女性が契約できる魔物ではないと思いますが。」
【関係あるまい?名乗りもせずに何の用だ?】
「…失礼。私はアズール国の者で、ヒロトと申します。」
ヒロト…ということは2歳の弟君ですか。顔なんてチラ見くらいにしか全員見てませんからわかりませんね。
「私は姉を探しております。10年前に行方を眩ませており、家族全員で探しております。何卒ご協力をお願いしたい。」
【俺達になんの関係がある。】
「…姉に関する情報は何もありません。顔も変わっているでしょうし、私があったことがある時期としても記憶はほとんどおぼろげ。姉がいたということしかわかりません。しかし、私は姉と話がしたいのです。姉ならば、わかってくれるはずだから!」
敬語が最後抜けましたね。しかし話など合うわけがない。兄弟での対話なんてもの例え年下の弟でさえもそんな時間は与えてもらえてない。食事の時にいた女性の1人だ。
【…意味がわからない。だからなんだ、俺らが何を知っているという】
「…言ってもわからないからもうこの際言いますが!チートを持って生まれている姉がいると私…いや、僕が転生する時に神に聞いたんだ!もし、何かを成し遂げたいのなら姉を頼れとも言われた!僕は疑問に思った!10歳になるまでなぜあの王族たちは身内の間で会話というものをしない!なぜなのか聞いた!それがこの国の決まりで、教育の一環なのだと!だから、もし姉が10歳になったら話しかけてくれるようになると思っていた!でも!その前に姉は消えた!」
10歳まで会話をしないことが教育の1つ?
なんですかそれ聞いたことない…いや、そもそも私あの人たちと関わること拒絶していたこともありましたね。
聞けばわかることを私は何も聞かずにいたと。…でもまあ、私あそこの…なんでしょう空気でしょうか。嫌いだったんで、出ていくことは変えていないと思うんですよね。
「ーだから!僕は考えた、追い詰められていたのもあるけど、もしかして知らないんじゃないかって!最低限しかできない会話の中で聞けなかったのではないかって!だから教えてあげたいんだ。それらしき人に何度もこうやって話しかけてる。…貴女は私の姉ではありませんか?…これは賭けです。わからない場合はわからないと言ってください。同情で答えないでほしい!こちらは真剣に問いかけています!」
「……」
アンヤ姫は存在しません。彼女は10年前に死にました。
【いい加減に…】
「カグチ、代わります」
【…っ。ですが】
「私への問いかけです。それに私はもうずっと前から決めています。」
【…わかりました】
目の前にいるのは少し背の低いまだこれから成長するであろう若い子供です。
「…私は貴方の望む人ではありません」
「…っ!……そ、です、か…」
「…しかし、その人を知らないわけでもありません」
「……!!」
「彼女は死にました。10年前にある魔法で」
「それはどこですか!」
「………死体もありません。自殺です。自身に爆発系統の魔法をかけました。」
「……?待って?それは」
「たとえ死体が残っていたとしても、それはゴブリンのように小ぶりな体の彼女の顔は焼き焦げてわからないでしょう。」
「…ゴブ……ちょ…待っ」
「アンヤという姫はもういません。」
「っ!!待っ…」
「もし、私がなんらかを知っている。そう疑うのであれば、確信的な証拠をお持ちください。貴方の力で、貴方が使えるものすべてを使って調べてみてください。次に話をかけるときはその証拠とともに、私の前に現れ問いかけてください。」
「……っ。」
「“貴方のお名前はなんですか?”と」
「~~っ!!」
「それならお答えします。」
「そんなの…そんなの!まんま答えじゃないか!」
「さて、何のことでしょう?私はアンヤという名前ではありません。ね?カグチ。」
【…そうですね。アン様】
「う~~っ!!」
今にも泣きそうな顔ですね。
感動の再開なのにはぐらかしているからでしょうか。
「…絶対…!絶対に!貴女について調べ上げてやります!!」
「お待ちしておりますね。…あ、そうだ。ヒロト王子殿。」
「…なんだよ!」
私は従者の方が呆けている間に、弟の前に立ち、頭を優しく撫でます。
「………ぇ…」
「大きくなりましたね。ヒロト。」
「ぁ…」
「10の年の儀のこと、教えてくださりありがとう」
「ぁぁ…」
「また会える日を心からお待ちしています。」
呆然と立ちすくんだ彼を置いて、カグチ達とともに、ギルドに向かいます。
【『……』】
2人が静かですねぇ。
「どうされましたか?お二人さん。」
【帰られるのですか?】
「はい?」
『アレらについていくのですか?』
「いえ?私の家は秘境の森ですよ。」
【……嘘だ】
「おや、心外ですね。私、嘘ついたことありました?」
『しかし…家族なのでしょう?』
「私はただのアンです。……皆さんは私がいたらご迷惑ですか?」
【『そんなことはありません!』】
「なら良いではないですか。私は、皆さんを家族だと思っていましたが…ダメでしょうか」
【家族…】
『我らは人とは違います。』
「はい、死ぬのも私が一番早いでしょう。」
【……】
「私が生きている間、あなた方を家族としてみてはいけませんか?」
【いいです】
『……本当に帰らないのですよね?』
「帰りません。…私はあの秘境に住む魔女、人をやめた存在ですからね。ふふ」
【…………そうですね。】
『まあ、帰りたいと言っても帰しませんが』「おや、お手柔らかにお願いしますよ?」
といってもあなた方私に勝てますか?まあ聞かない方が傷つきませんよね。
「レヴィさん、調子はどうでしょう?」
「ハッ。もうそんな時間ですか?!申し訳ありませんっ。まだ半分しかできておりませんっ。」
「いえいえ、1日でまとめようとしなくていいんです。そうですね、また日を空けてきますので、どれくらいにしましょう?」
「申し訳ない…そうですね…2、3日もらえたら…」
「わかりました。ではまた3日後こちらに伺いますね。」
「はい!ありがとうございます!」
リストの方がなくてもとりあえず品数的には足りるだろうとのことなので、またその間は在庫を増やしていくこととしましょう。
「…あの、アン様?」
「はい、どうされました?」
「そちらの方は…」
「Sランク冒険者のカグチです。同じ故郷でして。最近久々に再会したのです。」
「S…貴方が…」
「しばらく目的がないということで、護衛をお願いしたんですよ」
「そうでしたか。」
その後は何事もなく、街を普通に出ます。
毎回飛ぶのもアレですし…。
低空飛行をしているビランの上に、ムスッとしているカグチがいます。
「どうしたの?」
【つけられてます】
「嗚呼、ヒロトですか」
【飛びましょう?】
「ふふ、わかりましたよ。ラトくん、飛びますよ。」
(了解!)
嫉妬顔のカグチは可愛さが出てきますね。新発見です。
風魔法の中の飛翔を使います。
簡単に拠点を知らせるわけには行きませんからね。1人でやるのも限界があるのに気づいて欲しいですね。
小さくチートだー!なんて声が聞こえましたけど。これは努力の一環なのでチートじゃないですよ~。
起きたら、皆さんから生産のお手伝いをしたいとのこと。オーガロードとカグチさんは鍛治に興味があるとか。他にも服だけでなく飾りまで作ってみたいとか手芸をやりたいとか、みなさんが生産に意欲的になってました。
「急にどうされたのですか?」
【魔女様がやってるの見て興味が出たのよ】
【うむ、品数が多いほうが商人として名が売れそうではないか。…それとも、迷惑かの?】
「いえいえ!私1人の製造量だと量頼まれたらできないから、手を出していなかっただけなのです。みなさんが手伝ってくれるなら他の商品も考えます」
【魔女様の役に立てるならなんでもやるぞ】
【しかし初心者なのでの優しく頼みますぞ】
「ふふ、もちろんですよっ」
何で悩んでたかわからないくらい街に行くのが楽しみになりました。
レヴィさん達も喜んでくれるでしょうか?
約束の7日後、カグチとビランとジル、ラトくんを連れて街に向かう。
カグチはビランの中型化した上に乗せてもらってました。最初は走っていくと言ってたのですが流石に見た目が悪いのでそれはやめてもらい、ビランにお願いしました。
【魔女様、街に着いたら私は念話で会話をいたしますね。】
「はい、そうしていただくと助かります。…ジルも少しずつ念話の練習頑張りましょうね。」
(うん!)
「カグチは、私のことはアンと呼ぶようにお願いします。」
【わかった!】
今日も沢山売りましょう。
街に入ったら商人ギルドに向かいます。
しかし冒険者ギルドの前に見たことあるような人が仁王立ちしていました。
んー……思い出せません。つまり関係ない人ですね!
「カグチ、さん付けは不自然なので呼び捨てでいきましょう。」
【…様付けにします】
「えぇ?なお固くなりましたよっ。」
なぜそんな様付けなんですかっ。
【様付けの方がしっくりきますから。】
「カグチがおとなしいと変な感じです」
『同意です』
【俺はいい子ですよ?!】
「えー?…ふふふ」
カグチをからかい、仁王立ちの人の前を通り過ぎようとするれば、商人ギルドに入る前に呼び止められます。
「ちょっと待てい!俺に反応しろ!」
【あ?】
「…あ、いや…あんたじゃなくて」
【お知り合いですか?アン様】
「さ、様?!」
「…やはりそれやめません?それと知り合いではないと思います…覚えてないんですよね…」
【なら俺が相手しておきますので。アン様はお仕事頑張ってください。すぐに戻りますから】
「乱暴なことは控えるんですよ。」
【はい】
『信用ならない返事でしたね。』
「ですよね…」
カグチに首根っこ捕まれ、しょっぴかれるお兄さんは、冒険者ギルドの中に一緒に消えました。まるで猫のように静かになって従ってましたね。
結局誰だったのでしょう?
まあ、それは置いといてレヴィさんですっ。
「お久しぶりです。アン様。大丈夫でしたか?」
「え?何がです?」
「ギルド前にガラドという男いませんでした?Sランク冒険者の…」
「…ガラド…嗚呼、さっきうちの護衛にしょっぴかれていった男性ですね。」
「……え?」
「大丈夫でしょうか…まあ同じSランク者同士の話があったのでしょう。」
「…………あの。Sランク冒険者の護衛がお知り合いにおられたので?」
「はい、わたしも再会するまでわからなかったのですが、カグチという名前の鬼神です。」
「……鬼人族のカグチ!……そ、そう、ですか!…あ、はは…御愁傷様です…ガラド。」
「同じ故郷のものなのですよ。私もSランクって聞いて驚きました。…それは置いといて、商品についてなのですが。こちらのお抱えの職人の方が増えまして…他のものも販売が可能となりまして…見ていただきたいのですが…」
「おぉ!本当ですか!ではこちらにどうぞ!」
さて商談の始まりですね。
武器や防具の販売も開始するとなりますと、精度の高さの部分でレヴィさんだけでは分かりかねないらしいのでそれ専門の職人さん待ちになりました。
他にも装飾品の種類を増加、ポーションの販売についての話も勧めます。
「そんなに増えられたのですか?移住でしょうか?」
「いえ、もともと住んでいた人達が協力的になってくださったのです。」
「至高の職人の村という感じでしょうか?」
「至高…かはまあ置いといて、まだ初心者ばかりですから。地道に育てていく最中です。」
職人の皆さんが到着して、それぞれの分野を
「至高の中の至高です!鉄の剣でこれほどまでの鋭さ、弟子入りしたいくらいです!」
「弟子入りは当分考えていないそうなので…」
「くっ!こんな匠を師匠にできるなんて羨ましいっ」
他の人達からも羨ましいと言われておりますが、目の前にいますよ?その匠?とやらは。
『魔女様、かなり信仰対象になっておられますね。』
ふふ、そうですね。でも内緒ですよ?
『わかっております。』
「すぐにリストを作ります!アン様の仕入れてくださった商品は責任持って正しく使えられる方にお売りしていきましょう!」
「ありがとうございます。職人たちも喜びます。」
「アン様、もう少しお時間がかかりそうなので、街の散策などいかがでしょう?」
「そうですね。カグチと回ってきますね。夕方ごろまた来ます」
「はいっ!」
さ、商談は終わりです。今回関わった方々に商品を委託し販売する形となりました。皆さん、これを見本に自分自身と弟子を奮い立たせますと意気込んでおられましたね。
皆様のお役に立てたようで何よりです。
「…さて、カグチは…」
終わったのでしょうか?
冒険者ギルドを覗きます。
「カグチー?」
【アン様、すみません。すぐ戻ると伝えたのに時間がかかってしまって。】
「いえ、それは構いませんが…長話になったのですか?」
【いえ、ランクの調節を少々】
「はい?」
【なんでもないです!】
なんていったのか聞こえなかったのですが、真新しくなった受付からルーマさんがささっと出てきます。
「…アン様、カグチ様とはどういうご関係で?」
「カグチは故郷が一緒の友人です。」
「故郷が!…どこら辺なんです?」
【秘境と呼ばれた場所…の近くだな】
「…そうですね。近いだけですけどね。」
『馬鹿…お仕置きだな…』
ビクンとカグチが身を大きく震わせていますがお仕置きは後です。
「…秘境…やはりそうですか…」
「近いだけですからね?」
「いえ、そこで育ったからこそその強さなのでしょう。…そういえば、聞きましたか?今世の勇者様のお話」
「……えぇ、少し」
【『!』】
「すっごく!女癖が悪いそうです!気をつけてくださいねっ!後、昔行方不明になられた妹姫様をお探しのようです。」
「…へぇ、死んだと聞いたんですがねぇ。」
「そうなんですよ!おかしな話ですよね。勇者一行のメンバーも聞きました?アズール国の王子確か4人くらいいたと思うんですけど。そのうちの1人も同行しているし、他2人も各々妹様探しして旅に出たらしいんですよ!」
一位だけじゃなくて他も?
……頭痛くなってきました。
【そいつらって今どこら辺旅してるか聞いてる?】
「えーっと…確か、勇者一行は東へ、魔族の目撃情報が出たらしいのでそちらに駆り出されていて…他2人はわかりませんね。カグチ様、喧嘩売ったらダメですよ?」
【あっちが何もしてこなかったら何もしないって。もし、うちのアン様に手を出したら…さっきみたいにするかもだけど】
「……あまりやると、教会が敵に回りますからやめといたほうがいいですよ。」
「教会ですか?」
「神を信仰し、魔族を嫌い、勇者を崇める人達です。ここだけの話…ただの金巻き上げ集団ですけどね。」
【なら潰しとくか?】
「世界を敵に回す覚悟があるならしてもいいですよ。一応信者はいますから。」
【ふーん…まあ、アン様に被害がないならいいや】
「…カグチ様、アン様好きですねぇ」
ルーマさんにからかわれているカグチを見ていて本当に馴染んでいるなぁと見守る。
『アン様、部下からそれらしきものがこの街にいると報告が』
それらしき?誰のことです?
『……王子の1人でございます。』
「…会ってすぐ分かる仲ではありません。気にしなくていいです」
『はっ』
……誰がいる中はわかりません。しかしもう、あの国の姫アンヤは死にました。
もう無関係です。
「どうしましたか?アン様」
「いえ、なんでもありません。カグチ、時間つぶしに散策しませんか?」
【お!する!あ、魔物の素材渡しとくから換金頼む】
「おぉ!流石カグチ様!わかっているではありませんか。…アン様も置いていってくれれば戻る頃に換金しておきますよ。」
そんなシステムあったんですか?
まあ、所持金は猶予がありますし、換金も時間がかかる時ありますよね。
カグチは何を出すんでしょう?
【ほい】
「…おや、そんなに大きなものを出してもいいんですか?」
「解剖をサボるのがカグチ様ですよね…」
【めんどくさいのは仕方ない】
「すみません、うちの者が。」
「それで、アン様は何を出されます?」
何か期待した目がキラキラと…
「大したもの出しませんよ?」
「はい、いつも通りでいいんです」
納得いかない返事をしてきますね…
カグチが出したのは霊木スモーカーという霧が蔓延る場所に生息するトレントの一種ですね。うちの近くにいっぱいいます。エルダートレントのダードレンが増えすぎて困っていたので狩っていたのでしょう。
「そうですね…大きさを競うわけではありませんがこれの換金をお願いします。」
これの翼っていくらなんでしょう?
「…………さすがアン様、上を行かれる」
「え…別のにしましょうか?小さいのがいいです?」
「いえいえいえ!これがいいです!」
「…そうです?」
渡したのはただの骨なんですけどね。翼って言えるわけではないんですがその部分だったものです。
ボーンホース、アンデットなのですが、屍肉の馬で骨の翼の持った馬なのです。
時々渡り鳥のように空を飛んで奇襲してくるので倒すんですよね。
「これどうやって倒すんですか。」
「ちょうど奇襲攻撃してきたので、魔法で叩き落しました。」
落下死です。
「…魔法得意なんですね。」
「風が得意ですね。」
「ふむふむ」
『…そろそろここから離れましょう…魔女様』
近いようですね。
誰かは知りませんが、絶対に会いたくありません。
「…ではそろそろ行きましょうか」
【はいっ!】
「…大型犬…」
ルーマさんが、目の前に見えている者が信じられない顔で、ぽそりと呟いたのを私の耳は聞き逃しませんでしたよ。
まあカグチは鬼というより大型犬ですよね…大きな犬獣人です。
ギルドから出るとき、若い青年とすれ違います。
ぎりぎりだったようです。早く離れましょう。声も聞きたくありません。
「……ここに、何か手がかりが…あれば…」
深刻そうに小さく呟くのも聞きます。ですが振り返ることはありません。私はもう彼らとは関係ない。
カグチと、ビランとジルで歩いて回って、食べ物を歩き回って食べたり買ったりして、楽しみます。
ラトくんにもお裾分けをと買っていくと厩舎に客が。
よりにもよって…
青年がこちらに気づきます。従者の方が近づいてくるのと同時にカグチが庇うように前に出てくれます。
「あの馬の持ち主でしょうか」
【だとしたらなんだ】
「…少しお話をさせていただきたい。」
従者の方の肩に手を置いて青年が従者の威圧的な態度を制し、前に出ます。
「…Sランク冒険者のカグチ様ですよね。お噂は聞いております。カグチ様の馬でしょうか?」
【…俺の友人の馬だ】
「友人…というと後ろの方でしょうか?…………女性が契約できる魔物ではないと思いますが。」
【関係あるまい?名乗りもせずに何の用だ?】
「…失礼。私はアズール国の者で、ヒロトと申します。」
ヒロト…ということは2歳の弟君ですか。顔なんてチラ見くらいにしか全員見てませんからわかりませんね。
「私は姉を探しております。10年前に行方を眩ませており、家族全員で探しております。何卒ご協力をお願いしたい。」
【俺達になんの関係がある。】
「…姉に関する情報は何もありません。顔も変わっているでしょうし、私があったことがある時期としても記憶はほとんどおぼろげ。姉がいたということしかわかりません。しかし、私は姉と話がしたいのです。姉ならば、わかってくれるはずだから!」
敬語が最後抜けましたね。しかし話など合うわけがない。兄弟での対話なんてもの例え年下の弟でさえもそんな時間は与えてもらえてない。食事の時にいた女性の1人だ。
【…意味がわからない。だからなんだ、俺らが何を知っているという】
「…言ってもわからないからもうこの際言いますが!チートを持って生まれている姉がいると私…いや、僕が転生する時に神に聞いたんだ!もし、何かを成し遂げたいのなら姉を頼れとも言われた!僕は疑問に思った!10歳になるまでなぜあの王族たちは身内の間で会話というものをしない!なぜなのか聞いた!それがこの国の決まりで、教育の一環なのだと!だから、もし姉が10歳になったら話しかけてくれるようになると思っていた!でも!その前に姉は消えた!」
10歳まで会話をしないことが教育の1つ?
なんですかそれ聞いたことない…いや、そもそも私あの人たちと関わること拒絶していたこともありましたね。
聞けばわかることを私は何も聞かずにいたと。…でもまあ、私あそこの…なんでしょう空気でしょうか。嫌いだったんで、出ていくことは変えていないと思うんですよね。
「ーだから!僕は考えた、追い詰められていたのもあるけど、もしかして知らないんじゃないかって!最低限しかできない会話の中で聞けなかったのではないかって!だから教えてあげたいんだ。それらしき人に何度もこうやって話しかけてる。…貴女は私の姉ではありませんか?…これは賭けです。わからない場合はわからないと言ってください。同情で答えないでほしい!こちらは真剣に問いかけています!」
「……」
アンヤ姫は存在しません。彼女は10年前に死にました。
【いい加減に…】
「カグチ、代わります」
【…っ。ですが】
「私への問いかけです。それに私はもうずっと前から決めています。」
【…わかりました】
目の前にいるのは少し背の低いまだこれから成長するであろう若い子供です。
「…私は貴方の望む人ではありません」
「…っ!……そ、です、か…」
「…しかし、その人を知らないわけでもありません」
「……!!」
「彼女は死にました。10年前にある魔法で」
「それはどこですか!」
「………死体もありません。自殺です。自身に爆発系統の魔法をかけました。」
「……?待って?それは」
「たとえ死体が残っていたとしても、それはゴブリンのように小ぶりな体の彼女の顔は焼き焦げてわからないでしょう。」
「…ゴブ……ちょ…待っ」
「アンヤという姫はもういません。」
「っ!!待っ…」
「もし、私がなんらかを知っている。そう疑うのであれば、確信的な証拠をお持ちください。貴方の力で、貴方が使えるものすべてを使って調べてみてください。次に話をかけるときはその証拠とともに、私の前に現れ問いかけてください。」
「……っ。」
「“貴方のお名前はなんですか?”と」
「~~っ!!」
「それならお答えします。」
「そんなの…そんなの!まんま答えじゃないか!」
「さて、何のことでしょう?私はアンヤという名前ではありません。ね?カグチ。」
【…そうですね。アン様】
「う~~っ!!」
今にも泣きそうな顔ですね。
感動の再開なのにはぐらかしているからでしょうか。
「…絶対…!絶対に!貴女について調べ上げてやります!!」
「お待ちしておりますね。…あ、そうだ。ヒロト王子殿。」
「…なんだよ!」
私は従者の方が呆けている間に、弟の前に立ち、頭を優しく撫でます。
「………ぇ…」
「大きくなりましたね。ヒロト。」
「ぁ…」
「10の年の儀のこと、教えてくださりありがとう」
「ぁぁ…」
「また会える日を心からお待ちしています。」
呆然と立ちすくんだ彼を置いて、カグチ達とともに、ギルドに向かいます。
【『……』】
2人が静かですねぇ。
「どうされましたか?お二人さん。」
【帰られるのですか?】
「はい?」
『アレらについていくのですか?』
「いえ?私の家は秘境の森ですよ。」
【……嘘だ】
「おや、心外ですね。私、嘘ついたことありました?」
『しかし…家族なのでしょう?』
「私はただのアンです。……皆さんは私がいたらご迷惑ですか?」
【『そんなことはありません!』】
「なら良いではないですか。私は、皆さんを家族だと思っていましたが…ダメでしょうか」
【家族…】
『我らは人とは違います。』
「はい、死ぬのも私が一番早いでしょう。」
【……】
「私が生きている間、あなた方を家族としてみてはいけませんか?」
【いいです】
『……本当に帰らないのですよね?』
「帰りません。…私はあの秘境に住む魔女、人をやめた存在ですからね。ふふ」
【…………そうですね。】
『まあ、帰りたいと言っても帰しませんが』「おや、お手柔らかにお願いしますよ?」
といってもあなた方私に勝てますか?まあ聞かない方が傷つきませんよね。
「レヴィさん、調子はどうでしょう?」
「ハッ。もうそんな時間ですか?!申し訳ありませんっ。まだ半分しかできておりませんっ。」
「いえいえ、1日でまとめようとしなくていいんです。そうですね、また日を空けてきますので、どれくらいにしましょう?」
「申し訳ない…そうですね…2、3日もらえたら…」
「わかりました。ではまた3日後こちらに伺いますね。」
「はい!ありがとうございます!」
リストの方がなくてもとりあえず品数的には足りるだろうとのことなので、またその間は在庫を増やしていくこととしましょう。
「…あの、アン様?」
「はい、どうされました?」
「そちらの方は…」
「Sランク冒険者のカグチです。同じ故郷でして。最近久々に再会したのです。」
「S…貴方が…」
「しばらく目的がないということで、護衛をお願いしたんですよ」
「そうでしたか。」
その後は何事もなく、街を普通に出ます。
毎回飛ぶのもアレですし…。
低空飛行をしているビランの上に、ムスッとしているカグチがいます。
「どうしたの?」
【つけられてます】
「嗚呼、ヒロトですか」
【飛びましょう?】
「ふふ、わかりましたよ。ラトくん、飛びますよ。」
(了解!)
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