魔女様は平和をお望みです

yukami

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10.勇者と遭遇しました

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森に着いたら、ビランとカグチが他の魔物の長たちに即座に捕まりました。

「皆さん喧嘩はしたらダメですよ?」
【大丈夫だ。ただの話し合いだから】
騒ぎ、もがきながら他の魔物達に引き摺られてあっという間に見えなくなってしまいます。
大丈夫でしょうか…。彼らは何を怒っていたのでしょう?落ち着いたら聞いてみましょうか。

今日はいろいろあって少し疲れました。ご飯作って食べたら寝ましょう。



さて、今日は何しましょう?

【魔女様】
おやおや?

「珍しいですね、ラフィード。今日の狩りはお休みですか?」
【いえ、久々に魔女様を誘ってみようかと思いまして】
「それは光栄ですね。今日はどこで狩りを?」
【ここから西の方角に、アンデットが急に増えてきましてそちらの掃討に行こうかと。】
アンデットですか、魔法の特訓にもってこいですね。最近運動不足ですし、身体動かしつつ頑張りましょう。

【あと、シェガードも来る予定です。】
おや、また人型に変化できるコンビのようですね。最近、流行ってるんです?

ラフィードは、夜空のような紺色に、銀色の首回りの大型の狼ですね。尻尾も銀の毛が混じっています。シェガードはこの森の中で唯一の闇魔法が少し使える尻尾が9本ある狐の魔物です。元の世界では九尾とか呼ばれていますが、ここでは魔狐(マコン)だそうです。

「シェガードは?」
【西の先でお待ちです。】
「わかった。背中乗せてくれる?」
【もちろんです!】
ラフィートの背中はふわふわなので結構お気に入りです。

ラフィートに乗りシェガードと合流。シェガードが人型になると、狐獣人にしか見えません。目は細い線のようですね。ニコニコ笑ってます。

【なんと羨ましい…】
【帰りは代わればよかろう】
【絶対ですよ!】
「ラフィートも人型になれるんですか?」
【全員修練積んでそのために進化しているようですから】
え、そうなんです?
【人型になれば、魔女様についていけますから。】

あぁ…そういうことですか。
皆さんそんなに、お出かけしたかったんですねっ。別にビランのように小型になれたら連れて行きますよ。とお伝えしておきます。

【また明日は別の者達が誘いに来るかと】
「ふふ、楽しみにしておきましょう」
ラフィートの背中に乗って、アンデットの魔物が増えているという土地にやってきました。

墓地ですね。でも綺麗な墓地ではありません。もともと何もない平原に適当に埋められたようです。こんなことしたらそりゃ、アンデット化しますよね。

「光魔法が使えたら一掃できるんですがねぇ」
【アレを持つのは極小数です。我らの身内で持っていてもあかり程度ですから。討伐には向きません。】
「ですよねぇ。まあ、私たちは私達のやり方でいつも通りしましょう。」
【【はっ】】

ラフィートから降りると、ラフィートも人型になります。こちらは狼の獣人ですね。
獣姿の方が良さげですが…なぜ人型になったんでしょう?すぐに聞きます。

【離れた場所に人の気配がします。念のために人型でいようかと。】
生きた人ですか?襲われてるのでしたら助けに行きましょう。

【それが離れた場所で討伐しているようです。】
「襲われているけれど、助ける必要はなさそうですね。」

それなら自分達の狩に集中しましょう。
アンデットの首を折っても死にません。
なので魔法で焼却か、核となる物を奪い取るかです。この核が今在庫減ってきてるので、それ確保優先を指示します。
この核、確かに魔物の心臓と言われる物ですが、体から切り離されると強さによっては魔力の溜まった宝石になります。それを砕いてドレスの装飾に使うのが最近の流行りですね。ダイヤより安上がりなのですよね。

核の場所は個体によって違いますが、ゾンビヤグールは別です。ここにたくさんの死体があったことから人の死体が魔物化したとなります。そうなると、心臓があった場所にそれができますので…

左胸に必ずあります。
屍肉の感触ってなれるまで気持ち悪いんですけど。なれたら生肉さばいたりするときの感触と同じなので変とは思わないんですよね。
もし、左胸になかったら頭にあります。半分以上は人が魔物化でしょうが、そのほかは自然発生の可能性もありますから。胸突っ込んでなかったら頭に蹴りを入れて回収していきます。

“「……」”

【あ…主人。】
「これで…50個っ!…はい?どうしました?ラフィート。」

50ちょうどの回収のタイミングで、ラフィートが声をかけてきたのでそちらに振り返ります。

【客です…少し返り血を落とした方がよろしいかと】
「へ?」
ラフィートが水魔法を準備しながらこちらに駆け寄ってきます。
その後ろには呆然と立ちすくんだ男2、女4のお客様がいらしてました。
私の状態を再度確認。
血塗れです。ゾンビ達の分ですね。
こんなお恥ずかしいところを見られてしまうとは…ちょっと回収に集中し過ぎましたね。

「ありがとう、ラフィート」
【いえ、楽しんでいただけたようで何よりです。】
「やはり狩は楽しいですからね。」
疲れた時はカラダ動かしたほうがいいんです。

身だしなみも整え、お客様に声をかけます。
シェガードも討伐をやめてこちらにきました。

「すみません、お恥ずかしいところを見せました。何かご用でしょうか?」
「…………はっ…貴女はお強いのですね。」
「……魔物に人が襲われているように見え駆けつけたのですが…襲われてたのはアンデットの方でしたね。」
「「「「……」」」」

男性2人は顔が引きつりながらも苦笑いで返事を返してきました。女性方は信じられないという顔でドン引きです。

「光魔法が使えたら便利なんですけど、使えないので、魔石確保のためにあのような手段で回収していたんです。」
「…火魔法は使えないのですか?」
「使えますが…それだと楽しくないでしょう?」
「……勇者様、行きましょう?ここにアンデットが増えた理由を探さなくては。」

いまなんて呼びました?
勇者?てことは…この2人のどちらかがユーリということに…。

「はは…そうだね。」
返事をした方がユーリ兄ですか。
「…なんで急に増えたんだろうな。兄さん」
……なんで兄さんと呼んでいるんですか?まさか、もう1人も同行してるんですか?顔なんて覚えてないし、名前もわからないので誰かはわからないですね。
しかし勇者ならば、光魔法を使い退治してくれないでしょうか。私の事なんて不思議に考えてないようですし?

「今勇者様とお呼びになられたようですが…」
「…嗚呼、僕が勇者でユーリという」
「光魔法が使えるという話を聞きました。是非使っていただけないかと…」
「……すまない、使えるのはわかっているんだが効力が弱いせいでアンデット討伐までの力はないんだ。」

はい?
ここで又しても魔法使えない子が出てきましたけど。

「光魔法…見せていただけませんか?」
「貴女急に何!勇者様は忙しいのよ!」
「……嗚呼、それは失礼しました。えっと、力になれるかはわかりませんが…ラフィート、さっき紋章付きのネックレス回収してましたね。こちらに」
【はっ】

「これの持ち主を探し、その身の回りのもの達の動向についてお調べするとすぐに解決するかと。」
「えっ?」
「ここにいるアンデットの半分は、人の死体が魔物化したもの。墓と言えるきちんとしたところに埋葬されず、適当に埋められたところを見ると、盗賊か何かの陰謀により無残に殺され、埋められたのでしょう。ですから、これの持ち主を探せば解決いたしますよ。…もし、調べることが今の勇者様のお仕事なのでしたら、ここにいるアンデットの掃討は我々がやっておきましょう。」
「…何故、理由を知っている?」
「理由?彼らが死んだ理由などは知りませんよ?」
「そうではない。人が魔物化しているということだ。」
「嗚呼、それは魔物に詳しい知り合いがいますので教えてもらったのです。それに、土に這い出てきた跡がありましたから。」
「……そうですか。…ご協力感謝いたします。それでは。討伐の方お願いいたします。」
「ええ、お仕事がんばってください」
「…!…は、はい」
「……」

いたって普通の青年の育ってますね。女癖は治ってなさそうですが。まあ、それは追い追いでしょう。顔はいいですからね。よくモテるのでしょう。まあ、私には関係ないですね。

【主人、狩を再開しても?】
「はい、やりましょう」

しばらく狩を続けて、減った感じがしたところで地面が微かに揺れます。

「おやおや、これはたまたまですか?それとも陰謀の1つですかねぇ」
【大物が釣れましたっ】
【魔女様の活躍が見れますね!】
私が戦うこと前提なんですよねぇ。
尻尾ブンブンして…2人とも喜びすぎですよ。
まあ、大物って私がいつもやってるんですけど。

グオオオオオオオ!!!
土の中から這い出てきたのはアンデットドラゴンではなくゾンビドラゴンですね。
アンデットドラゴンっていうのは骨と魔力で形成された魔物ですが、ゾンビドラゴンは屍肉があるドラゴン。
まあ、簡単に言うと肉が腐敗しているだけで、まだ生前の面影があるドラゴンですね。

「ゾンビドラゴンさん、あなたの心臓はどこですか?」
今度はしっかり魔法も使っていきます。もちろん、属性は火ですが、風も混じらせます。その方がよく燃えますし、すぐ切れますから。

この獲物の魔石は頭蓋骨に守られていました。抜き取るまで再生し続けるのが面倒なのですよね。
まあ、また血まみれですが抜き取れたので良しとしましょうっ。

そろそろ帰りましょうかねぇと、散らばったな腐肉を一箇所に集めて燃え尽きさせ、灰になったら、それを一箇所にまとめて地面に埋めて、墓石の代わりに木の苗を植えて、ラフィート達と黙礼。

「さっ。帰りましょうか」
【【はっ】】

「大丈夫で…!!す、か……」
「はい?大丈夫…ですよ?」

何やら息を切らしたユーリ兄と思しき人がいるではないですか。少し遅れて、弟くん、そして女の子達と武装した人たち数人。

「何事です?」

「…エ?いや…あの…ゾンビドラゴンが現れ…ませんでしたか?」
「嗚呼、倒しましたよ?」
「ぇ」
「埋葬も勝手に終わらせました。そろそろ日が暮れるので私たちは帰ろうと思ったところです。」
「帰……え?」

何やら混乱中の勇者がいますよ。

「えっと…?」
「た、倒したって言いましたか?」
「はい。」
「証拠はあるだろうか。」

勇者くんの後ろで様子を見守っていた弟くん(誰かわからない人)がさらに問いかけてきます。

「証拠ですか…骨なら燃え尽きなかったのがいくつか埋葬した場所を掘り返せばありますね。掘り返すことに反対はしませんが埋葬はきちんとしてくださいね。また復活しますので。」
「…魔石があったはずだ」
「あれは私が使う予定がありますので、討伐した証拠として渡すわけにはいきませんが見せることはできます。」
「……何に使うと言うのかな?」
「装飾品に加工しますね。」
「かなりの大きさがあると思うが…」
「砕きます」

「なっ!?勿体ない!!そんなことはさせませんぞ!」
「しかし、私が遭遇し、倒した獲物ですから」
商人らしき人が声をあげますが、私の倒した獲物です。何をしようと勝手でしょ?
所有権は私にあるのですから其方がとやかく言える立場ではありません。

「魔道具に加工すべきです!飛行艇の素材に使用できる!言い値で買い取りますぞ!」
「お断りします」
それよりも利益出ますから。魔石を散らばめたドレスは高級感あふれる良いものができるのです。魔法も込められますから簡易魔道具にもできますからね。そういうのは特注にするといいかもしれませんね。

それにしてもあの大きさだったら結構取れますよね。タランジールの子達の反応が楽しみです。

【主人、そろそろ】
「そうですね。」
「待ってください。あなたのお名前をお聞かせ願いたい。」
「私ですか?…通りすがりの魔女です。」
「いや、名前…」
「名乗れるわけないよな?魔族なぞ連れて。」
「はい?」
弟くん、魔族と言いました?
ウィルさんがどこかにいるのかと探知魔法を使いますがそんなことはなさそうです。つまり、私の連れを魔族だとみているのだろうと思いつきます。

「その後ろの狐獣人、魔族だろう。幻影の魔法か何かで姿を偽っているに違いない。出なければ闇の魔法など使えるはずがないのだから。」

案の定、といえばいいのでしょうか。

「…それは早とちりというものですね」
「なんだと?」
「彼は、闇属性の適性を持つと言うだけです。それに、魔族は悪と決めつける視界の狭さはどうかと思いますが。」
「…それは、魔王の味方をするという意味か?」

なんか急に端折りませんでした?闇属性の適性を持つから魔族と判断するなと私は言ったのに…味方云々の話に飛ぶのが意味わからないです。
しかし弟くんが魔王の味方なんていうから目の前にいる全員が、武器を構え始めます。
ラフィートとシェガードが後ろから動かないのは動けば不利になるからですし。それに、私が負けるわけないと言う自信もありそうですね。

「……あのですね。あらぬ疑いをかけてきておいて、勇者の一行だからなんでも許されるわけではないんですよ?」
「兄さん、捕縛するべきです。」
「…ジェイド落ち着け。」
「だが!」
「……こちらの者が失礼した。怒りを鎮めて欲しい。争う気は無い。」
「…と言いつつ、魔法を用意しないで欲しいものです。」
この兄弟と血の繋がりがあるのが意味不明です。家族なんだっていう事実が納得いきません。身内だと分かったら彼らはどうなるんでしょう?
早とちりをした挙句、攻撃を仕掛けてくる勇者兄と補助のもう1人の兄。
パァンと乾いた音が響く。瞬時に結界が攻撃を弾いた音です。

「…はぁ。」
「君は何者だ」
「……」
なんか面倒になりました。

「生き別れの妹って言ったらあなた方どうします?」

突然のカミングアウトですが、どうなりますかね?
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