魔物とあらゆる異人族になれるファンタジー世界にようこそ！

第十一話 正直者には福がある

狼さんに案内されて泉にツルを伸ばすように言われました。

見たところ普通の水ですが何が起きるのでしょう？
ツルをゆっくりと伸ばして水に浸した瞬間、景色が変わります。

目の前にはルーレット板と赤いスイッチ、ルーレットはたくさんの色に分けられていました。項目が書かれているわけではなく、色で分けられているだけ。
赤いスイッチを押す前にという電子版のアンケートが現れるので、それに応えていきます。はいなら橙、いいえなら青。

Q.あなたは人ですか？
違うので青。

Q.あなたは魔物ですか？
はいなので橙

Q.フレンドは1人以上いますか？
いないので青。

Q.レベルは10以上ですか？
以下なので、青。

Q.リスポーンは体験しましたか？
してないので青。

Q.ここまでで嘘はついていませんか？
はいなので橙。

Q.あなたは何を目指していますか？
最速無双の魔物→橙
魔法無双する魔物→青
暗躍無双の魔物→紫
癒し的存在の魔物→緑
何でもこなし最強の魔物→黒

んー。これは悩みますね。当初の目的としては黒です。でも、現状から見て緑もなかなか捨てがたい。
特化型の最速無双というのもツルを使えば出来そうなことですし、魔法はどの魔法かによりますね。暗躍という選択肢は、隠密を持ってるからでしょうし………
いや、ここはやはり黒です。
信念貫きます！
ということで黒を押します。


アンケートはそれで終了したようです。
アンケート終了したらルーレット板の色の配置が変わっていきます。


おや？針も増えてます。1、2…3？
針も大きさが大中小と変化していきます。
ルーレットの配色的には、緑、茶色、黒、迷彩柄、橙、白、クリーム色となりました。どんな属性になるのでしょう？全体的に自然に近い色です。草食系魔物だからでしょうか？
ルーレットが回り始め、目の前のストップ！と大きく描かれた電子版のあるボタンが赤く点滅しだしたので運に身を任せて、えいっと押します。
聞いたことあるような内容なBGMが流れつつ、３つの針３つの色に止まります。

色は…

『……な、なっ、なっ？！！』

いつのまにか泉の前に戻ってました。
更に泉の周辺と私の周辺が変化していました。

私の周りには小さな竜巻が回り、ツルが淡く優しいクリーム色の光に包まれた状態で、キラキラ輝き、泉の周りには植物が生い茂ってました。

ザ⭐︎別世界。


「フィー？」
泉からツルを離すと、その光景は収まりつけたらその光景に変化。

うん、わからん。何事？

『…………3属性…』
『希少種だったの？！リーフィちゃん！！』

狼さんっ、メーデルさんっ！これ何事でしょう？？
言葉が通じないから言葉を待つしかないのですが…希少種というのは初めて聞きましたね。ステータス確認してみますか。

【PN】：リリアLv1
【種族】リーフィ（幼生）
【特性】魔法耐性Ⅰ
【スキル】
土操作Ⅰ　光合成Ⅴ　跳躍Ⅱ　ツルⅥ　危険察知Ⅳ　気配察知Ⅳ　隠密Ⅲ　風魔法Ⅲ 　癒しⅡ　自然魔法Ⅰ

《ステータス》
HP100
MP290

ATK60
DFE16
DEX89
SPD75
LUK100（最大値）

風魔法Ⅲ
小さな嵐を起こせるほどの風を操れる。熟練度が上がるごとに操作力が上がる。

癒しⅡ
触れた者の興奮を和らげ癒しを与えることができるようになる。熟練度が上がるごとに魔力量が増加する。

自然魔法Ⅰ
何もないところに植物を出現させ操る魔法。熟練度が上がるごとに操れる植物の種類が増える。

『…リーフィ、体に変化はあったか？』
「フィー」
体調不良のあるところはないのでバツ。
『…もしかしたら念話もあり得たが…そうか。』
念話…私も欲しかったですね。

念話って魔法みたいなものなんでしょうか？ここで手に入らないなら一生無理説ですねっ。諦めましょう。

『当初の目的に戻るか。』
「フィー？」
当初の目的…何でしたっけ？

『色々あったから喉乾いただろ。果物と水もらいに行くぞ』
食堂！そうでしたっ！そうしましょう！
「フィ～♪」

果物は私のご飯！とっても大事なものです！！魔法の確認は地下に戻ってゆっくりできるはずです！最優先事項は果物です！

『ちょっと待ちなさ』
『リーフィ、魔法の使い方を学んで、戦闘のやり方学んだら、外で敵対した魔物とそうでない魔物の見分け方を教えてやるからな。それが終わったら、お前も流石にレベル1ではなくなるし、体も成長する。自己防衛と食料確保のやり方を学んだら卒業だ。その間は守ってやるし、教えてやる。お前は卒業したら何をしたいか考えておくんだぞ。』
「フィー…フィ！」

狼さん、いろいろ教えてくれるのですか？それは助かります…チュートリアル、私にはないのかと思いました。食べたらいけないものとかも教えてもらいたかったし、お世話になります。

『ここで学ぶということは昼寝の時間はとるが、他も魔物とかと交流もしつつ魔法も教えることとなる。人に懐かなくていいが、魔物同士の縁は大切にするのだぞ』
「フィー…」
そこは不安ですが、が、頑張ります。

『人には懐かなくていい、敵だと思え』
「フィー？」
人という単語を強く言うので、メーデルさんを見上げます。

『あれが人だ。覚えたな？』
『ちょっと！何教えてるの！』
『さー、飯だ飯。』
『こら！撤回しなさーい！』
小声でしっかり掴まれと言われて、リュックサックと化した私は狼さんのスピードにも対応できたことに驚きつつ、おやつの時間の楽しみを知ることとなる。