異世界のんびり自由な流浪旅?

霜月雪

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 リエッタさんは俺とフィアが美味しそうに牛乳を飲むのを微笑みなが見ていた。
 そういえば、山羊族のミルクは高級品とか前に言っていた気がする。
 リエッタさんは山羊族のようだし持っていても不思議ではないな。
 この味なら高級品というのも頷ける。


「ねぇ」


 隣にいるフィアが俺の服を引っ張る。


「どうした?」

「物足りないのよ、持ってきてるんでしょ」


 俺は満足なんだけど、フィアはそうじゃないらしい。


「ごめんね~。足りなかったのね~、追加で作るね~」

「リエッタさん、追加で作らなくて大丈夫です」


 追加で作り行こうと立ち上がったリエッタさんを引き止める。


「いいの~?」

「ええ、自分達用の昼は用意はしていたんで、出してもいいですか?」

「フィアちゃん足りないみたいだしね~、いいわよ~」


 リエッタさんの許可を貰い、朝に作ったサンドイッチを出す。
 アイテムボックスだから時間経過しないので朝に作った時の状態だ。
 フィアに出したサンドイッチを興味深そうに見ているリエッタさん。
 こっちにはこういった料理はないのかね、そういえばメリアとミルアのドワーフ2人も興味深そうに見てたな。
 

「リエッタさんも良かったらどうですか?」


 自分用のサンドイッチを出しリエッタさんの前に差し出す。


「良いの~?」

「俺は、リエッタさんの料理で一杯なので。俺の分で申し訳ないですけど」

「そんな事ないわよ~。ありがとね~」


 俺も美味しい牛乳を飲ませてもらったし。
 嬉しそうに差し出したサンドイッチを口に入れる。


「パンが柔らかくて、美味しいわ~」


 フィアはともかくリエッタさんも結構食べるんだな。
 獣人だからかな。
 美味しそうに俺用に用意したサンドイッチを全部食べたよ。


「ヒロくんはこんな美味しい物を食べてるのね~。私の料理は美味しくなかったでしょ~」


 食べ終わった所でリエッタさんが食べ終わった皿を見ながら言ってくる。


「そんなことは無いですよ」


 味に物足りなさを感じるだけで食べられない事は無かったしな。
 

「優しいのね~。ありがと~」

「それで、依頼の事で話しておきたい事が」


 食事も一息ついたし、依頼の事を話しておこう。
 あと出来れば牛乳も貰いたい。


「なにかしら~」

「作ってもらう絨毯なんですけど、近いうちに大きさの方が確定するので一緒に来てもらえますか?」


 テントは大きさ決まってるし、小屋は大きさ決めてきたから近日中に出来上がるだろ。
 ミルアの話じゃ、依頼に行ってる間に出来上がってたって話し出し。


「今は、ヒロくんから頼まれた依頼しか無いから~、たぶん大丈夫よ~。もし見に行く時が駄目になった時にはごめんね~」

「その時は、別な日に行けばいいので」

「まぁ~、そんなことは無いと思うけどね~」

 
 こっちは、ミランナからの呼び出しさえなければいつでも可能だし、リエッタさんに合わせればいい。
 ブラッドガウルの解体が全部終わるまでは、俺の方も街の外にフィアに頼んで狩りに行く事も今は出来ないし。
 予定は定期的に冒険者ギルドへ行ってブラッドガウルを納品するくらいか。


「リエッタさんに教えて欲しい事があるんだけど」

「なにかな~?」

「さっき出してくれた牛乳が欲しいのだけど何処で買う事が出来る?」

「ぎゅうにゅう~?」


 ん?、飲んだ感じは牛乳だったんだけど、牛乳って言わないのか。


「リエッタさんが出してくれた白い飲み物なんだけど」

「あ~。ミルクの事ね~」


 こっちでは、ミルクって言うのか。


「正しくは~、山羊のミルクだね~」


 となると、前に話しで出た牛族は牛のミルク、羊族は羊のミルクって事になるのか。


「買うことは出来る?」

「そうね~、買う事は出来ないかな~」

「そうか、高級品って話を聞いたし無理か。それをリエッタさんが出してくれたとはいえフィアと2人で全部飲んでしまってすまなかったな」

「気にしなくていいよ~。飲むために出したんだし、美味しそうに飲んでくれたしね~」


 買う事ができないのは仕方がないな、高級品って話だったし飲めただけでも良しとするか。
 気にしなくてよいとリエッタさんは言ってくれたが、個人的には申し訳ない。
 何かお返しに渡したいが何を渡せばよいやら。
 ブラッドガウルの肉か残っている日本酒かどっちかか、それとも両方か。


「そう言ってくれるのはありがたいが、個人的にはお礼をしたい」


 テーブルにブラッドガウルの肉、ステーキのたれ、日本酒をアイテムボックスから出す。
 迷ったときは両方渡せばいい。
 金額的にはかかってないし、肉は依頼、ステーキのたれ、日本酒はスキルだし。
 フィアよ、出した日本酒を見つめてるけどフィアの分じゃないよ。


「いいの~?」


 そう聞いてくるけど、リエッタさんの視線はこちらではなく日本酒の方に向いている。
 酒が好きなのかな。


「お礼なので、肉を焼いたら、このたれをかけて食べると美味しいですよ。こっちは酒ですね、口に合うと良いですけどね」


 日本酒を飲んだフィア達が欲しがるのだから口に合わないってことは無いだろう。
 次にあった時に欲しいと迫ってこなければ良いけど。


「ありがとね~。それでね~、ヒロくんは山羊のミルクを買う事が出来たらどうするつもりだったの~?」

「個人というか仲間内で飲むつもりでしたね」

「誰かに売るとかじゃないんだね~」

「それは無いですね。美味しかったし、もったいないです」


 隣のフィアも頷いてるし。
 誰かになんてフィアが許さないだろう。


「そうなのね~。山羊のミルクが高級品って知ってたみたいだけど~、どんな風にできるかは知っている~?」


 笑顔で聞いて来るリエッタさん。
 フィアに視線を向けると、首を横に振っているので知らないのだろう。
 何か試されているのだろうか。


「畜産なんかだと思ってたんだけど」

「ちくさん?」


 リエッタさんに畜産について簡単に説明。
 俺も詳しくは知らないけどね。
 何故かフィアも興味深そうにきいている。


「畜産ではないわね~」


 畜産じゃないのか。
 特定の種族でしか育てられない何かと思ったが違うようだ。


「ヒロくんになら、教えてもいいよ~」

「いいのか?」

「誰にも話さないで秘密にして欲しいかな~」

「わかった、誰にも言わない。フィアもそれでいいな」

「ええ、わかってるわ」


 フィアに確認取れば、頷いてくれる。
 秘密にして欲しいって言われればそうするべきだろう、話してくれるのだし。


「山羊のミルクはね~、これなのよ~」


 そう言って、リエッタさんは自分の大きなおっぱいを下から持ち上げ揺らす。
 は?
 山羊のミルクがリエッタさんのおっぱいって。
 おっぱいを見ればリエッタさんは揺らしている。
 え、そうなの?

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