異世界のんびり自由な流浪旅？

霜月雪

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　リュイル達がメリアと話し合う前にギルドからブラッドガウルの皮を受け取ったことを伝えておかないと。
　物がなくては相談も出来ないだろうし。
　皮の加工が出来るレシェラがいるうちに話をしていた方が都合がいいだろう。

「リュイル、皮を人数分というか５匹分をギルドから預かってきてるんだがどうする？」

「皮？」

「ミランナに皮を人数分欲しいって言っただろ。一人一匹で５匹分ある」

「貰えるのはもっと後だと思っていたわ」

「俺がギルドに行く事がわかっていたから用意していたんじゃないか。それよりも皮の加工が出来るレシェラがいるんだ皮の事を相談したらどうだ」

「そうねぇ、レシェラお願いできる？」

　リュイルは少し思案したあとリリィ達に視線を向け頷いたのを確認してレシェラに尋ねる。

「加工して欲しいって事なら請け負うけど。ところで何の皮なの？」

「ブラッドガウルよ」

「！」

　リュイルが告げるとレシェラは驚く。
　肉は高級品って聞いていたけど皮もそれなりの品物なのかねぇ。

「素材として良い物なのか？」

「そうよ、なかなか手に入らないし皮の素材としてはなかなかの物なのよ」

　普通ならあれだけの巨体を仕留めるのも苦労するだろうし、手に入れるのは困難か。
　まぁ、フィアは簡単に仕留めていたけど。

「で、それを５匹分持ってるのよね」

　レシェラが俺に迫ってくる。
　確かに５匹分持っているけど俺の物じゃない。
　リュイル達の物だからおっぱい押し付けて迫っても無理だよ。

「レシェラ落ち着け。皮に関してはリュイル達と相談してくれ。俺は預かっているだけだ」

「わかったわ」

　そう言って俺から離れリュイル達の方へ視線を向ける。
　俺ではなくリュイル達と話し合うことにしたのだろう。

「どうしたの来ないの？相談するんだよね？」

　カウンターの奥からメリアの声が聞こえる。
　リュイル達が来ないので声を掛けてきたのだろう。
　思った以上に長く話してしまったようだ。

「今、行くわよ」

　リュイル達ではなくレシェラがメリアに答える。

「メリアが待っているし、早くいきましょ」

　レシェラはリュイル達を急かしてメリアのいるカウンター奥へ入っていく。
　俺とフィアは店内に取り残された。

「どうするの？」

「そうだなぁ、リュイル達の話は長くなりそうだよな」

　メリアとレシェラ、２人と相談だし内容がリュイル達の装備品だからな。
　出来てる物を購入ではなく作ってもらうから色々と話し込むだろうし、そう簡単には決まらないいだろう。

「先に帰る？」

「リュイル達を置いてこのまま帰ってもいいんだけどさ。ここに来た目的の調理器具を受け取ってない」

「そういえばそうだったわね」

　受け取りに来たんだから受け取って、どんな感じか使ってみたい。
　使いかってが良さそうなら、素材はあるから予備を追加で作ってもらいたいし。

「それにリュイル達の昼を用意すると言ったのに用意しなかっらた帰ってから色々と言われそうだ。特にレスティナがな」

「そうなるわね」

　リュイル達の話し合いは昼過ぎまでかかるだろうから少し早いが昼の準備してしまうか。
　メイアの工房にキッチンはあるだろうけど、たぶんメリアに合うように作られているため俺が使うには少し低すぎるだろう。
　ミルアの所で見たキッチンがメリアとミルアが２人が作業するのにちょうどよい高さだったからな。
　裏庭を借りて何か作った方がいいか、それなりの広さの裏庭がメリアの工房にある。
　メリアの作った魔鉄製の鉄板を使って見せるのも良いだろう。

「メリア、裏庭の一角を少し借りるぞ」

「いいよ～」

　カウンター脇を通り裏庭にいく途中でメリアに声を掛けるが、話し合いに熱が入っているのかこちらの様子を確認することもなく返事が返ってくる。
　

「ラムリア、少し手伝ってくれないか？」

「いいわよ」

　話し合っているのに俺の呼びかけに応えこちらに来てくれる。

「話し合いの中悪いな」

「かまわないわ、時間はかからないでしょう。それに私達も関係あるだろうし」

　話しながら裏庭に。
　扉を開け裏庭に出ると俺がメリアに頼んであるテントの骨組みが組んである。
　そこから離れた場所に移動し、ラムリアにいつもの魔法を使ってもらう。

「鉄板を使って昼を作るから頼む」

「借りてる家の庭でやったような感じで良いのよね」

　ラムリアの確認に頷くと、魔法を使い地面を加工していく。
　何度も頼んでいるから、ラムリアも慣れたもので大した時間もかからずに仕上げてくれる。

「助かったよ、ありがと」

「これくらいならね。私達のお昼でもあるし、それじゃ話し合いに戻るわね」

「ああ、俺はここで作ってるから」

　ラムリアが工房の中に戻っていった。
　どのくらいの時間、話し合うのかわからないがそのうち来るだろう。
　レスティナ辺りはお腹がすけば話の途中でも間違いなく来るような気がする。
　アイテムボックスから鉄板、調理用のテーブルなどを出し準備をしていく。
　早いけど、とりあえずは俺とフィアは先に食べてればいいか。
　みんなが来たら俺は忙しくなるだろうしなぁ。

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