異世界のんびり自由な流浪旅？

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　埋もれてたかワイヴァーンのかげに隠れて確認できなかったか。
　ん？
　鑑定してもワイヴァーンとしか出ないな。
　ワイヴァーンだとは思うが何か違うような気がする。


「どうかしたのかしら？」


　立派な角があるワイヴァーンを前に悩んでいるとフィアが声をかけてくる。
　ワイヴァーンを前にして回収しない事が気になったかな。


「立派な角があるワイヴァーンがあるんだけどさ」

「飛んできたワイヴァーンの群れを束ねていた個体じゃないかしら」

「それは見てなんとなくわかるんだが」


　同じようなワイヴァーンの中で立派な角を持っていればリーター的な存在と予想は付く。


「俺が鑑定したらワイヴァーンとしか出なかったからさ」

「そうなの？」


　ワイヴァーンに視線を向けるフィア。
　たぶん鑑定しているんだろう。


「ワイヴァーンリーダーで間違いないわ。私が鑑定したらワイヴァーンリーダーと出たわよ」


　どういうことだ？
　俺とフィアでは同じ鑑定スキルでも違いがあるのか。


「ヒロのレベルが低いからじゃないかしら」


　悩んでいるとフィアはそんなことを言ってくる。
　確かにレベルは低いけどさ。
　レベルが低いと鑑定で分かる内容が変わるのか。


「レベルが高い方がいいのか？」

「それだけ成長してるわけだし、成長すれば出来ることも増えるわよ」

「言われれば、そうだな」


　リュイル達の様に戦闘はしたくないんだよな。
　フィアに戦闘させておいてってのはあるんだが。
　レベルを上げたほうがいいんだろうけど、今の所は不都合があるわけじゃないしいいか。
　まぁ、追々考えよう。
　先延ばしともいうけど。


「レベル上げるのかしら？」

「今の所はいいかな」

「そう」


　残念そうな返事が返ってきたのは気のせいか。


「でも、レベルを上げる時には手伝ってくれよ」

「わかったわ」


　立派な角を持ったワイヴァーンリーダーを含め残りのワイヴァーンを回収していく。
　リーダー含めて１３匹か。
　昨日、回収したのが１８で匹で計３１匹と。
　数も多いが立派な角があるワイヴァーンリーダーをミランナに見せたら驚くだろうな。


「回収が終わったけど、この後はどうするんだ？」

「少し様子を見たいのだけれど………」


　出来る事なら血なまぐさいこの場所からすぐにでも移動したい。
　この場所に留まると言うなら耐えるしかない。


「戻ることにするわ」

「いいのか？」

「ええ、ヒロの表情がこの場所には居たくないといっているもの」

「すまないな」

「いいのよ」


　そう言ってフィアが近くに寄ってくると急に身体で風を感じるようになった。
　風を感じるようになったという事は張っていた結界を解除したのだろう。
　周りに視線を向け周囲を確認したフィアは俺の背後に回り、来た時と同じように抱きかかえ浮かび上がる。


「フィア。戻る時は来た時の半分いや４分の１の速さで頼む」

「早く戻らなくていいのかしら？」

「昼頃までに戻れるだろうし、ゆっくりでもいいだろ」

「ヒロがそう言うなら、かまわないわ」


　頼んだおかげで来た時の速度とは違い、緩やかな速度での移動だ。
　これくらいなら、首の辺りに感じるフィアの柔らかなおっぱいの感触や周囲の景色を眺める余裕を持てる。


「ワイヴァーンの群れをフィアはどう見てる？」

「そうね。リーダーのいた群れだから、群れを離れたか追い出されての移動中だったんじゃないかしら」
　
「遭遇した１８匹の方は先行か偵察か？」

「最初は１匹だったのが増えて１８匹になたんじゃないかしら。ミランナの所で聞いた話も最初はワイヴァーンがいるかいないかの確認の話だったわ」


　言われればそうだな。
　確認依頼から群れの殲滅依頼になったんだっけ。


「ブラッドガウルという食料を見つけて、この草原に留まって合流して増えていったんじゃないかしらね。それと先行か偵察は１匹のはずよ。昨日、遭遇した最初のワイヴァーンは１匹だったわ」


　確かに。
　最初の１匹を仕留めてから、そのあとに残りのワイヴァーンが飛んできたんだっけ。
　まぁ、ワイヴァーンの迫力もすごかったが、ワイヴァーンを仕留めるフィアの方が印象的だったからなぁ。