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第二現象・柘榴の花と母の首
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二日間、気配を消すようにマンションの薄暗い部屋にこもり、大学も休んでiPhoneの電源も切ってベッドに丸まって寝ていると、インターホンが鳴って電報が届き、圭介はそれを見て恐怖を外に追いやり動き始める事を決心をした。
[ハハノクビ トドク スグカエレ]
差出人は田舎の祖母からだった。
『やはり母はあの男に殺されていたのか?』
しかし圭介は妄想で見た映像に嘘があると確信していた。認知症とはいえ母は優れた能力者である、悲鳴を上げるくらいなら自ら心臓を止めて簡単に終わらせる。
それに肉切り包丁もゴーグルとマスクもホラー映画の見過ぎだろ?
幼い頃の事件で、圭介は予言的な悪夢を見る事は珍しい事ではなかったが、一連の出来事が自分を誘い出す餌と思われた。
『柘榴の家紋と関係している』
圭介は惨殺された女性の胸がぴくぴくと痙攣し、その左胸に柘榴の実の痣があったのを一瞬、脳裏に映し出す。
充電していたiPhoneを手にして電源を入れると、LINEに大学のゼミの仲間が心配してコメントしてくれていた。
[どしたの?風邪なら漢方薬呑んで、ゆっくり寝るんだよ。]
[ごめん。帰省するので、暫く休みます。」
電話の履歴も数件あり、かけ直すとすぐに相手が出て早口で一方的に捲《まく》し立てられた。
「圭介か?まったく、何度電話しても繋がらない。甲府まで車で迎えに行くから、すぐに田舎に帰る準備をして電車に乗れ。お前の母親を殺した犯人を捕まえるぞ」
相手は安堂刑事で、この事件の担当者になったのだろう。圭介が幼い頃に生き埋めにされた事も、母と自分が不思議な能力者である事も知っている。
圭介は覚悟を決めてシャワー浴びて、ジャケットに着替え、バッグに下着や靴下を詰め込み、机の引き出しから母にプレゼントされたガガミラノの腕時計をしてマンションを出た。
『能力を解放しろか?』
中学生の頃から母にそう言われていたが、もう柘榴の紅い実の中に隠れているわけにもいかなくなったようだ。
[ハハノクビ トドク スグカエレ]
差出人は田舎の祖母からだった。
『やはり母はあの男に殺されていたのか?』
しかし圭介は妄想で見た映像に嘘があると確信していた。認知症とはいえ母は優れた能力者である、悲鳴を上げるくらいなら自ら心臓を止めて簡単に終わらせる。
それに肉切り包丁もゴーグルとマスクもホラー映画の見過ぎだろ?
幼い頃の事件で、圭介は予言的な悪夢を見る事は珍しい事ではなかったが、一連の出来事が自分を誘い出す餌と思われた。
『柘榴の家紋と関係している』
圭介は惨殺された女性の胸がぴくぴくと痙攣し、その左胸に柘榴の実の痣があったのを一瞬、脳裏に映し出す。
充電していたiPhoneを手にして電源を入れると、LINEに大学のゼミの仲間が心配してコメントしてくれていた。
[どしたの?風邪なら漢方薬呑んで、ゆっくり寝るんだよ。]
[ごめん。帰省するので、暫く休みます。」
電話の履歴も数件あり、かけ直すとすぐに相手が出て早口で一方的に捲《まく》し立てられた。
「圭介か?まったく、何度電話しても繋がらない。甲府まで車で迎えに行くから、すぐに田舎に帰る準備をして電車に乗れ。お前の母親を殺した犯人を捕まえるぞ」
相手は安堂刑事で、この事件の担当者になったのだろう。圭介が幼い頃に生き埋めにされた事も、母と自分が不思議な能力者である事も知っている。
圭介は覚悟を決めてシャワー浴びて、ジャケットに着替え、バッグに下着や靴下を詰め込み、机の引き出しから母にプレゼントされたガガミラノの腕時計をしてマンションを出た。
『能力を解放しろか?』
中学生の頃から母にそう言われていたが、もう柘榴の紅い実の中に隠れているわけにもいかなくなったようだ。
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