17 / 35
第四現象・皮膚に刻まれた血の呪い
4
しおりを挟む
病院に着いて玄関を入った圭介達は、安堂刑事が受付で警察手帳を見せて三浦鈴子が入院した部屋番号は聞き、タクシーで駆けつけた圭介の祖母清子と一緒に病室へ向かった。
階段を歩きながら、圭介が呪いが始まった事と妙なキーボードがパソコンスクールで発見された事を祖母に教えて意見を聞く。
「どう思う。母の骨がそのキーボードに使われたとして、呪いのパワーが増すと思うか?」
「大昔の呪術者は人骨を筮竹の代わりに使ったらしい。霊能者の骨なら血霊が活気付くと思うよ」
「ゼイタクとチンダマって、なんなの?」
「ゼイチクとチダマだ」
「筮竹は易占で使う棒みたいなのよ。血霊は血の中に潜む霊力のことだ」
「おばあちゃん、マジで物知りだよな」
子猫を抱く美加がそう言って微笑み、これで歌姫のメンバーが勢揃いしたと喜ぶ。
二階の休憩室にスクールのオーナーを見つけた安堂刑事は先にそちらへ向かい、授業の中止と教室を警察に使わせて欲しいと交渉しに行く。
「何しに来た」
その時、見舞いに来ていたスクールの生徒達が病室から出てきて、圭介と礼子を見て険悪な表情でそう問いただす。
「何って、なんだよ?文句あんの?」
金髪の美加が先頭に立ち、年上の生徒たちを睨んでいる。パソコンスクールの生徒は美加が一番若く、他は五十代から六十代であった。
「何か勘違いしているようですね。俺と祖母は傷を負った生徒を助けに来たのですよ」
そう圭介が喧嘩腰の美加を制して優しく言うと、数人の生徒たちは渋々退散した。
「お前の仕業じゃないのか?」という陰口が聞こえ、美加が殴りかかろうとしたが、清子が腕を掴んで止めた。
「怖がってるんだ。あの年代はこの町の呪いを信じているからね」
「行くぞ」
交渉を終えた安藤刑事が通路を先に進み、病室へ入ってベッドに寝ている三浦鈴子に警察手帳を見せて話し始めた。
「安堂と言います。三浦鈴子さんですね?」
「はい」
「この町で妙な事件が続き、調べているのですが、傷の具合はどうです?」
「ええ、貧血でちょっと気持ち悪いだけ。大したことないんですよ」
三浦鈴子は液晶ガラスで切った指の傷なんて病院に来るほどでもないと思っていたが、突然ズキズキと痛みが走り、治療後に病室のベッドで休む事になった。
しかもこんな大騒ぎになって、変なこと言わなきゃ良かったと後悔している。
「鈴子さん。どうなのよ。血が吹き出すの見たんだろ?」
美加が安堂刑事の横で大声を出し、圭介が口を押さえて引き戻してベッドの側に立つ。
階段を歩きながら、圭介が呪いが始まった事と妙なキーボードがパソコンスクールで発見された事を祖母に教えて意見を聞く。
「どう思う。母の骨がそのキーボードに使われたとして、呪いのパワーが増すと思うか?」
「大昔の呪術者は人骨を筮竹の代わりに使ったらしい。霊能者の骨なら血霊が活気付くと思うよ」
「ゼイタクとチンダマって、なんなの?」
「ゼイチクとチダマだ」
「筮竹は易占で使う棒みたいなのよ。血霊は血の中に潜む霊力のことだ」
「おばあちゃん、マジで物知りだよな」
子猫を抱く美加がそう言って微笑み、これで歌姫のメンバーが勢揃いしたと喜ぶ。
二階の休憩室にスクールのオーナーを見つけた安堂刑事は先にそちらへ向かい、授業の中止と教室を警察に使わせて欲しいと交渉しに行く。
「何しに来た」
その時、見舞いに来ていたスクールの生徒達が病室から出てきて、圭介と礼子を見て険悪な表情でそう問いただす。
「何って、なんだよ?文句あんの?」
金髪の美加が先頭に立ち、年上の生徒たちを睨んでいる。パソコンスクールの生徒は美加が一番若く、他は五十代から六十代であった。
「何か勘違いしているようですね。俺と祖母は傷を負った生徒を助けに来たのですよ」
そう圭介が喧嘩腰の美加を制して優しく言うと、数人の生徒たちは渋々退散した。
「お前の仕業じゃないのか?」という陰口が聞こえ、美加が殴りかかろうとしたが、清子が腕を掴んで止めた。
「怖がってるんだ。あの年代はこの町の呪いを信じているからね」
「行くぞ」
交渉を終えた安藤刑事が通路を先に進み、病室へ入ってベッドに寝ている三浦鈴子に警察手帳を見せて話し始めた。
「安堂と言います。三浦鈴子さんですね?」
「はい」
「この町で妙な事件が続き、調べているのですが、傷の具合はどうです?」
「ええ、貧血でちょっと気持ち悪いだけ。大したことないんですよ」
三浦鈴子は液晶ガラスで切った指の傷なんて病院に来るほどでもないと思っていたが、突然ズキズキと痛みが走り、治療後に病室のベッドで休む事になった。
しかもこんな大騒ぎになって、変なこと言わなきゃ良かったと後悔している。
「鈴子さん。どうなのよ。血が吹き出すの見たんだろ?」
美加が安堂刑事の横で大声を出し、圭介が口を押さえて引き戻してベッドの側に立つ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
女子切腹同好会
しんいち
ホラー
どこにでもいるような平凡な女の子である新瀬有香は、学校説明会で出会った超絶美人生徒会長に憧れて私立の女子高に入学した。そこで彼女を待っていたのは、オゾマシイ運命。彼女も決して正常とは言えない思考に染まってゆき、流されていってしまう…。
はたして、彼女の行き着く先は・・・。
この話は、切腹場面等、流血を含む残酷シーンがあります。御注意ください。
また・・・。登場人物は、だれもかれも皆、イカレテいます。イカレタ者どものイカレタ話です。決して、マネしてはいけません。
マネしてはいけないのですが……。案外、あなたの近くにも、似たような話があるのかも。
世の中には、知らなくて良いコト…知ってはいけないコト…が、存在するのですよ。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる