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第四現象・皮膚に刻まれた血の呪い
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通路をスキップして玄関から外へ出た美加が「イエー!」と叫んでジャンプし、流石に他のメンバーは恥ずかしくなって離れたが、清子が美加から譲り受けて抱いていた子猫が振り返り、圭介がその視線を追って立ち止まった。
「どうした?圭介」
「いや、なんでもない」
安堂刑事も圭介を見たが、すぐに何事もなかったように三人で病院の玄関口へ向かう。
しかしその時、薬を受け取る人々で混雑する付近に圭介達が病院から出て行くのを覗いている者がいた。
キャップとマスクをした男は、順子から刑事と圭介が病院へ向かったと連絡を受けて、好奇心で偵察に現れたのである。
『順調だな』
首のプレゼントと発見された死体。そして傷を負って入院した者の呪いも注目の的となり、すべてが計画通りに進んでいる。
『噂が呼び水となり、呪いのキャンペーンが拡散される』
男はそう思いながら、笑いを堪えて階段を上がり、三浦鈴子の病室へ見学に行った。
『極め付きはあのキーボードだ』
アレも強力なインパクトになり、最高の宣伝になるだろう。
『真の呪いの効果が現れるのはこれからだぜ』
三浦鈴子はやっと落ち着いて休めると思い、毛布を被って少し眠ろうとした。貧血の症状が回復すれば、すぐに退院して家に帰るつもりだった。
しかしふと視線を感じて、恐る恐る毛布から顔を目元まで出して出入り口の方を伺う。
「誰かいるの?」
室内を覗き込んでいた男は一瞬で消えていたが、霊流が蜘蛛の糸のように流れ込み、人間の眼には見えない霊エネルギーが壁やカーテンに触れてビリビリと弾けている。
男はキャップを目深に被り、マスクの下で唇を軽く噛んで既に通路から階段を降りようとしていた。
『血霊よ蠢け』
そう呟きながら、霊流を線状に集結させて三浦鈴子の体に巻き付かせ、数本の霊の縄で呪縛する。
『血の恨みを発するのだ』
男は鈴子の体内の血管に流れる血を感じ取り、それを自在にコントロールしていた。
妄想ではあるが、血と肉とあばら骨のキーボードで呪った数式は鈴子の皮膚にリアルに刻み込まれている。
血霊の黒い血の小さな泡玉が群れとなり、血管を流れ胸の器官に集結して鈴子を襲う。
『爆裂のスタンバイ』
その時、心臓がドクンと高鳴り、鈴子は黒い塊のような血が左胸から左腕に流れるのを感じた。
「どうした?圭介」
「いや、なんでもない」
安堂刑事も圭介を見たが、すぐに何事もなかったように三人で病院の玄関口へ向かう。
しかしその時、薬を受け取る人々で混雑する付近に圭介達が病院から出て行くのを覗いている者がいた。
キャップとマスクをした男は、順子から刑事と圭介が病院へ向かったと連絡を受けて、好奇心で偵察に現れたのである。
『順調だな』
首のプレゼントと発見された死体。そして傷を負って入院した者の呪いも注目の的となり、すべてが計画通りに進んでいる。
『噂が呼び水となり、呪いのキャンペーンが拡散される』
男はそう思いながら、笑いを堪えて階段を上がり、三浦鈴子の病室へ見学に行った。
『極め付きはあのキーボードだ』
アレも強力なインパクトになり、最高の宣伝になるだろう。
『真の呪いの効果が現れるのはこれからだぜ』
三浦鈴子はやっと落ち着いて休めると思い、毛布を被って少し眠ろうとした。貧血の症状が回復すれば、すぐに退院して家に帰るつもりだった。
しかしふと視線を感じて、恐る恐る毛布から顔を目元まで出して出入り口の方を伺う。
「誰かいるの?」
室内を覗き込んでいた男は一瞬で消えていたが、霊流が蜘蛛の糸のように流れ込み、人間の眼には見えない霊エネルギーが壁やカーテンに触れてビリビリと弾けている。
男はキャップを目深に被り、マスクの下で唇を軽く噛んで既に通路から階段を降りようとしていた。
『血霊よ蠢け』
そう呟きながら、霊流を線状に集結させて三浦鈴子の体に巻き付かせ、数本の霊の縄で呪縛する。
『血の恨みを発するのだ』
男は鈴子の体内の血管に流れる血を感じ取り、それを自在にコントロールしていた。
妄想ではあるが、血と肉とあばら骨のキーボードで呪った数式は鈴子の皮膚にリアルに刻み込まれている。
血霊の黒い血の小さな泡玉が群れとなり、血管を流れ胸の器官に集結して鈴子を襲う。
『爆裂のスタンバイ』
その時、心臓がドクンと高鳴り、鈴子は黒い塊のような血が左胸から左腕に流れるのを感じた。
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