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第六章・ミレフレ vs. 禁断の書
偽童話の投稿
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江国則子と湊香奈江の容姿が入れ替わり、江国に変貌した香奈江の意識に闇の思考が流れ込んで身体のコントロールを失った。
『暗黒のパワー』
目と鼻と口が歪に蠢くのを手で修正し、魔王のエネルギーが香奈江の脳を支配して人間界に紛れ込み、人間の顔を確認しながら司祭を見て微笑む。
ダーク司祭はこの芯の強い女性を書物で洗脳するよりも、闇のエネルギーを注ぎ込み、自分の身を削って魔王の意識を人間界に現出させる事を選択して成功した。
『司祭さまが私のコピーをしてくれるなんて光栄であります』
湊香奈江になった江国則子は学園長の豪華な椅子の座り心地を確かめ、横に立つ司祭に礼を言ったが、その司祭が魔王の人形と化した江国(湊香奈江)にこうべを垂れるのを見て慌てて自分も床に跪く。
『これより、暗黒の書物を広めよ』
魔王の指示が頭の中に聴こえ、学園長と江国は人間の教育について相談し、ダーク司祭は窓辺に佇み二人が普通に話すのを見守っている。
「江国先生。ネットも活用してみませんか?」
「なるほど。学園長、考え方がお広いですね」
『司祭を発見……』
フクロウのペンが校舎の桜の木の枝に止まり、少し離れた学園長室を偵察し、図書館の隠れ家の工房へ送信してクルミがブラウン管モニターで司祭の姿を確認するが、祭服の下の胸と腹の肉が剥がれて魔王が現出した事には気付いてない。
『レンに知らせて』
クルミはフクロウのペンが司祭に発見されるのを恐れて戻るように指示したが、司祭は大学病院で少年と少女のゴーストを書物の中に捕らえ、MOMOEの仲間をすべて把握している。
『ゴースト職人。それと人間の友だちも知ってるぞ』
数分後、学園長室から江国が出て来るのを景子が廊下で見かけ、軽く挨拶をして先に教員室へ入って席に着き、恐怖心と緊張感で身を強張らせながら様子を見守った。
「おはようございます。この度は体調を崩してしまい、ご迷惑をおかけしました」
江国は教員室のドアを開けると教師全員に頭を下げて、教頭先生と軽く言葉を交わしてから隅の席に座って普段通りに仕事を始め、ふと景子の視線を感じて、顔を上げて昨日の出来事が嘘のように微笑みかける。
『君にも協力してもらおうか……』
景子は黒い蛾を纏う魔王の化身だとは気付かず、夏目先生に「江国先生、元気になれたようですね」と声を掛けられて頷き、深呼吸をして気持ちを落ち着かせた。
「藤枝先生。学園長がお呼びですよ」
「はい。すぐに伺います」
内線の受話器を持った教頭に指示を受け、景子は江国先生の事ではないかと急いで向かったが、意外にもネット小説サイトについて相談される。
「失礼します」
景子がドアをノックして学園長室に入ると、窓側のデスクの豪華な椅子に深々と座る学園長が席を立ち、ブルーのセットアップスーツを整えてソファに座った景子と対面した。
「ごめんなさい。朝の忙しい時間に」
「いえ、とんでもないです」
ダーク司祭が空いた学園長の椅子に座って二人を眺めているが、景子はクーラーが効き過ぎと思っただけで、学園長のファッションセンスに惚れ惚れとしている。
「素敵なスーツですね」
「いやだ。安物ですわよ」
高級ブランドであるが江国は詳しくないので、『お世辞を言って、学園長に取り入ってたのね』と心の中で悪態を吐く。
「実は若い頃に書いた童話をネットに載せたいと思っているの。景子先生、詳しいから協力してもらえない?歳だから、こういうの苦手なのよ」
「もちろん、手伝わせてください」
景子が笑顔でそう答えると、学園長はその場でスマホとノートパソコンをテーブルに置き、景子はネット小説のアカウントを作り投稿の仕方を丁寧に教えた。
「ありがとう。これでいいのね?」
「はい。あとは公開すれば皆さん読んでくれますよ」
『暗黒のパワー』
目と鼻と口が歪に蠢くのを手で修正し、魔王のエネルギーが香奈江の脳を支配して人間界に紛れ込み、人間の顔を確認しながら司祭を見て微笑む。
ダーク司祭はこの芯の強い女性を書物で洗脳するよりも、闇のエネルギーを注ぎ込み、自分の身を削って魔王の意識を人間界に現出させる事を選択して成功した。
『司祭さまが私のコピーをしてくれるなんて光栄であります』
湊香奈江になった江国則子は学園長の豪華な椅子の座り心地を確かめ、横に立つ司祭に礼を言ったが、その司祭が魔王の人形と化した江国(湊香奈江)にこうべを垂れるのを見て慌てて自分も床に跪く。
『これより、暗黒の書物を広めよ』
魔王の指示が頭の中に聴こえ、学園長と江国は人間の教育について相談し、ダーク司祭は窓辺に佇み二人が普通に話すのを見守っている。
「江国先生。ネットも活用してみませんか?」
「なるほど。学園長、考え方がお広いですね」
『司祭を発見……』
フクロウのペンが校舎の桜の木の枝に止まり、少し離れた学園長室を偵察し、図書館の隠れ家の工房へ送信してクルミがブラウン管モニターで司祭の姿を確認するが、祭服の下の胸と腹の肉が剥がれて魔王が現出した事には気付いてない。
『レンに知らせて』
クルミはフクロウのペンが司祭に発見されるのを恐れて戻るように指示したが、司祭は大学病院で少年と少女のゴーストを書物の中に捕らえ、MOMOEの仲間をすべて把握している。
『ゴースト職人。それと人間の友だちも知ってるぞ』
数分後、学園長室から江国が出て来るのを景子が廊下で見かけ、軽く挨拶をして先に教員室へ入って席に着き、恐怖心と緊張感で身を強張らせながら様子を見守った。
「おはようございます。この度は体調を崩してしまい、ご迷惑をおかけしました」
江国は教員室のドアを開けると教師全員に頭を下げて、教頭先生と軽く言葉を交わしてから隅の席に座って普段通りに仕事を始め、ふと景子の視線を感じて、顔を上げて昨日の出来事が嘘のように微笑みかける。
『君にも協力してもらおうか……』
景子は黒い蛾を纏う魔王の化身だとは気付かず、夏目先生に「江国先生、元気になれたようですね」と声を掛けられて頷き、深呼吸をして気持ちを落ち着かせた。
「藤枝先生。学園長がお呼びですよ」
「はい。すぐに伺います」
内線の受話器を持った教頭に指示を受け、景子は江国先生の事ではないかと急いで向かったが、意外にもネット小説サイトについて相談される。
「失礼します」
景子がドアをノックして学園長室に入ると、窓側のデスクの豪華な椅子に深々と座る学園長が席を立ち、ブルーのセットアップスーツを整えてソファに座った景子と対面した。
「ごめんなさい。朝の忙しい時間に」
「いえ、とんでもないです」
ダーク司祭が空いた学園長の椅子に座って二人を眺めているが、景子はクーラーが効き過ぎと思っただけで、学園長のファッションセンスに惚れ惚れとしている。
「素敵なスーツですね」
「いやだ。安物ですわよ」
高級ブランドであるが江国は詳しくないので、『お世辞を言って、学園長に取り入ってたのね』と心の中で悪態を吐く。
「実は若い頃に書いた童話をネットに載せたいと思っているの。景子先生、詳しいから協力してもらえない?歳だから、こういうの苦手なのよ」
「もちろん、手伝わせてください」
景子が笑顔でそう答えると、学園長はその場でスマホとノートパソコンをテーブルに置き、景子はネット小説のアカウントを作り投稿の仕方を丁寧に教えた。
「ありがとう。これでいいのね?」
「はい。あとは公開すれば皆さん読んでくれますよ」
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