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第七章・洗脳された信者
伝道者の功績
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江国則子はパスワードで暗黒の世界にコンタクトし、『禁断の書』を読んで第一の信者になった事を誇りに感じていた。しかもダーク司祭から信頼され、手引書を複製して伝道者の重責を担っている。
「誠心誠意、魔王と司祭の為に頑張ります」
江国は学園長の名を借りてネットサイトに『禁断の書』を投稿したが、それは暗黒の世界へ誘う序章でしかなく、手引書と同じく人間の欲望を掻き立て、霊界へコンタクトさせ暗黒の虜にする事が第一の目的であった。
「ネットから消えたけど、大した問題じゃないわ。心のチャンネルを合わせる入り口に過ぎないからね。しかもミレフレも消えた」
江国は湊香奈江の部屋でテーブルの上に置いたパソコンでエディバーのサイトを開き、『禁断の書』が『ミレフレ』との対決で消えた事を知っていたが、特に慌てずに対応して作業を進めた。
息苦しさで鼻の上まで学園長のマスクを外し、複製した手引書が童話に変貌するのを笑顔で眺めたが、スマホに何度もエディバーから警告メールと電話の問い合わせがあり電源を切った。
「まったく、うざいわね」
ムカついてスマホを壁に投げ捨て、液晶画面が割れてフローリングの床に転がる。
「ぜーんぶ、学園長の湊香奈江がやったことです。サイバーテロって訴えてもいいのよ。その時は入れ替わっているからね」
江国は仁王立ちになって悪態を吐き、玄関で配送業者が呼び鈴を鳴らすと、マスクを直して嬉しそうに出迎え、配送業者に13個のレターボックスを渡した。
宛名は近隣の図書館で、江国が徹夜して複製した手引書であり、童話の本にカモフラージュされているが手に取って読み始めれは暗黒の書物『禁断の書』に誘われて信者になってしまう筈だ。
手引書が発する電波を追って渋谷から五条市に戻ったMOMOEとフクロウのペンは、配送車が高台に建つ湊香奈江の家の前から走り出すのを上空で発見し、住宅街へ降下して大通りへ出るのを追いかけ、荷台の上に飛び降りて中へ侵入した。
「コレだ」
フクロウのペンがレターボックスを積んだ上に舞い降り、手引書が放つ電波を嗅ぎ取ってMOMOEに教えたが、MOMOEには宛名を確認する事しかできなかった。
「図書館へ送るつもりだ。やはり学園長も洗脳されたのか?」
「触れられない。ミレフレがネットから消えた損傷はデカいよ」
『ミレフレ』は『禁断の書』とは真逆の役割をし、読者が感じたエネルギーを増幅し、ゴースト職人が工房で受信して異次元プリンターで活用する。
「どうする?」
「連が言ってた魔王のイメージが気になるわね。もし洗脳された者が魔王に憑依されたなら、全力で戦うしかない」
罠だと気付かずに、MOMOEはフクロウのペンと一緒にトラックの荷台から空を飛び上がると、最初に洗脳された江国の家へ向かった。
それを二階の窓からダーク司祭が湊香奈江のマスクをした江国を従えて見送り、「計画通りだ」とほくそ笑む。
司祭の狙いは湊香奈江に魔王の意思を蘇らせる事であったが、暗黒のエネルギーでこの世界を満たさなければ魔王の復活はあり得ない。
「MOMOEが勘違いして、湊香奈江を殺せば罪悪感から光を失って闇に堕ちるだろう」
死者の魂を補充した司祭は『禁断の書』がサイトを占領した時に得たエネルギーで更に力を増し、肉付きも良く健康的な顔色になっている。
黒い表紙をタップした者が祭服の下の『禁断の書』に惹き寄せれ、暗黒に彷徨い込めば信者が増えるのは間違いない。
「ご苦労だったな。お前にもゴーストが見えるか?」
「はい。司祭さま。私にも力が湧いています。霊力を授かっているのですね」
今まで江国はMOMOEとフクロウのペンは見えてなかったが、ゴーストが霊視可能になっている。しかも司祭に労いの言葉をいただき、伝道者として幸せを感じた。
「誠心誠意、魔王と司祭の為に頑張ります」
江国は学園長の名を借りてネットサイトに『禁断の書』を投稿したが、それは暗黒の世界へ誘う序章でしかなく、手引書と同じく人間の欲望を掻き立て、霊界へコンタクトさせ暗黒の虜にする事が第一の目的であった。
「ネットから消えたけど、大した問題じゃないわ。心のチャンネルを合わせる入り口に過ぎないからね。しかもミレフレも消えた」
江国は湊香奈江の部屋でテーブルの上に置いたパソコンでエディバーのサイトを開き、『禁断の書』が『ミレフレ』との対決で消えた事を知っていたが、特に慌てずに対応して作業を進めた。
息苦しさで鼻の上まで学園長のマスクを外し、複製した手引書が童話に変貌するのを笑顔で眺めたが、スマホに何度もエディバーから警告メールと電話の問い合わせがあり電源を切った。
「まったく、うざいわね」
ムカついてスマホを壁に投げ捨て、液晶画面が割れてフローリングの床に転がる。
「ぜーんぶ、学園長の湊香奈江がやったことです。サイバーテロって訴えてもいいのよ。その時は入れ替わっているからね」
江国は仁王立ちになって悪態を吐き、玄関で配送業者が呼び鈴を鳴らすと、マスクを直して嬉しそうに出迎え、配送業者に13個のレターボックスを渡した。
宛名は近隣の図書館で、江国が徹夜して複製した手引書であり、童話の本にカモフラージュされているが手に取って読み始めれは暗黒の書物『禁断の書』に誘われて信者になってしまう筈だ。
手引書が発する電波を追って渋谷から五条市に戻ったMOMOEとフクロウのペンは、配送車が高台に建つ湊香奈江の家の前から走り出すのを上空で発見し、住宅街へ降下して大通りへ出るのを追いかけ、荷台の上に飛び降りて中へ侵入した。
「コレだ」
フクロウのペンがレターボックスを積んだ上に舞い降り、手引書が放つ電波を嗅ぎ取ってMOMOEに教えたが、MOMOEには宛名を確認する事しかできなかった。
「図書館へ送るつもりだ。やはり学園長も洗脳されたのか?」
「触れられない。ミレフレがネットから消えた損傷はデカいよ」
『ミレフレ』は『禁断の書』とは真逆の役割をし、読者が感じたエネルギーを増幅し、ゴースト職人が工房で受信して異次元プリンターで活用する。
「どうする?」
「連が言ってた魔王のイメージが気になるわね。もし洗脳された者が魔王に憑依されたなら、全力で戦うしかない」
罠だと気付かずに、MOMOEはフクロウのペンと一緒にトラックの荷台から空を飛び上がると、最初に洗脳された江国の家へ向かった。
それを二階の窓からダーク司祭が湊香奈江のマスクをした江国を従えて見送り、「計画通りだ」とほくそ笑む。
司祭の狙いは湊香奈江に魔王の意思を蘇らせる事であったが、暗黒のエネルギーでこの世界を満たさなければ魔王の復活はあり得ない。
「MOMOEが勘違いして、湊香奈江を殺せば罪悪感から光を失って闇に堕ちるだろう」
死者の魂を補充した司祭は『禁断の書』がサイトを占領した時に得たエネルギーで更に力を増し、肉付きも良く健康的な顔色になっている。
黒い表紙をタップした者が祭服の下の『禁断の書』に惹き寄せれ、暗黒に彷徨い込めば信者が増えるのは間違いない。
「ご苦労だったな。お前にもゴーストが見えるか?」
「はい。司祭さま。私にも力が湧いています。霊力を授かっているのですね」
今まで江国はMOMOEとフクロウのペンは見えてなかったが、ゴーストが霊視可能になっている。しかも司祭に労いの言葉をいただき、伝道者として幸せを感じた。
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