ゴーストに恋して

田丸哲二

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第八章・狙われた学園

学園長の家族

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 街に夕闇が訪れ、景子は家に帰るとシャワーを浴びて気分をリフレッシュさせてから、キッチンのカウンターに片肘をついてビールを飲み、スマホを片手にLINEグループの書き込みをした。

[江国先生と学園長が入れ替わっています。今後の学園生活が不安ですが、明日、Bi-húnで前向きに対策を考えましょう。]

 景子は高級住宅街での恐怖体験を思い返し、田代に指で突かれた後、大通りで湊香奈江の息子夫婦に通りで声をかけられ、家族の様子が変な事を相談された。

「景子さん」

 大きな鞄を持った夫婦の切羽詰まった表情を見て、景子はすぐに家から逃げて来たと察した。

「家で何かあったのですね?」

「はい。変な話しですが、似てるけど母と違う気がするんです。祖父母も無表情になり、母の指示で動いている感じがします」

 湊洋平は妻と子供の手を握り、これから妻秋枝の実家に行くと景子に告げた。秋枝は目に溢れる涙を堪え、子供に気付かれないよう小刻みに震えている。

「その方がいいと私も思う。原因は不明ですが、精神の病いみたいに人格が変わっている。でも、学園長は強い人です。大丈夫、元に戻りますよ」

 景子は小学三年の健吾の頭を撫で、自分に言い聞かせるように笑顔で別れたが、一瞬頭がクラッとして眩暈がした。

 何かされたかと不安になり、パスルームの鏡で触れられたオデコを鏡に映したが、擦り傷もなく、今は頭もスッキリしている。しかしシャワーを浴びている時、左側の背中に魔文字が浮き上がったのを景子は見てない。

[景子先生。心配したよ。学園長と会ったのか?]

 LINEグループに連から返信が着たので、通りで信者に追われて会ってない事と、手引書を万引きした若者からも逃げて来たと告げる。

[洗脳された住民がいます。それとあの若者は要注意ですね。]

[私たちも心配したんだよ。]

[良かった。景子先生がご無事で。]

[でも、これからが問題だ。レン、MOMOEは?]

[まだ、音沙汰なし。それと松田さんからはエディバーのサイトを今夜再開するが、全作品を復元できるかは不明だと言われた。]

[えっ、僕の作品はどうなる?]

[私の傑作も消えるのかな?]

[いや、それよりミレフレ。最優秀作品賞ですからね。]

[レン。このままだと賞金も水の泡だね。笑]

 文子のコメントが連の胸にグサッと突き刺さり、嘆きのスタンプを押したが、景子は微笑み、順也と久美子はいつもの文子節が炸裂してグッドスタンプを並べた。

 しかし文子は連からエディバーが今夜再開すると聞き、ついさっき閃いた短編を書き下ろしてサイトにアップしようと決意した。それが連とMOMOEに勇気を与えると考えたのである。
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