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2嘘と本音のぼやけた境界
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閑静な住宅地に佇む藤堂家は、端的に言って、お金持ちそうだった。
まあ、彼の仕草とかを見ていれば、分かりきった話だ。
どう見ても育ちが良さそうだし、理数クラスでトップを走れるほど成績がいいということは、小さい頃から塾とかに行っていたんだろうな、と。
「おじゃましまーす」
おずおずと、家に入る。
長い廊下の左手には、2階まで吹き抜けになった開放的なリビング。
その奥には広いキッチン。
「ふみ、こっち来て」
手招きされて部屋に入ると、大きめの鳥かごのようなものが、ラックの上に置いてあった。
そっと覗き込むと……。
「モモンガ……?」
「そう。だいきちって名前で、まだ赤ちゃん」
「ほんとだ。ちっちゃ……」
「夜行性だからいまは寝てるけどね」
改めて部屋を見回すと、止まり木やら、おもちゃらしきものがたくさんある。
要するにここは、ペット専用の部屋らしい。
「どうしても、ふみに見せたかった。大事な家族」
「うん。とっても可愛い。見せてくれてありがとう」
こんな些細なことで、じんわりとうれしさが胸に広がる。
ひとりっこの藤堂くんの部屋は2階だそうで、トントンと階段を上がると……まあ、うちのリビングくらいはありそうな広さだった。
こざっぱりした部屋。
しかし意外なことに、大きな本棚には漫画がびっしりだった。
「藤堂くんが漫画集めてるとか、あんま想像つかなかった」
「いやいや、筋金入りのジャンプ読者だよ俺は。スラムダンク連載時代に生まれたかった」
一番目立つところに、綺麗に全巻揃えてある。
本当に好きなんだな……なんて思いながら、ぼーっと眺めていると、藤堂くんは、ちょっと照れたように言った。
「友達とか滅多に呼ばないから、いすとかなくてごめんね。ベッドに座っちゃっていいよ」
「あっ、うん」
藤堂くんは、コンビニ袋からアイスキャンディを取り出し、分けてくれた。
そして、隣に腰掛けて、密着してくる。
「アイス溶けちゃうから先に食べるけど、そのあとすぐキスしていい?」
「……そういうの、あらかじめ聞く?」
「ムード作るとかどうやるのか分かんないもん」
そう言って藤堂くんは、あっけらかんと笑う。
変にかっこつけないで自然体でいてくれることが、うれしい。
まあ、彼の仕草とかを見ていれば、分かりきった話だ。
どう見ても育ちが良さそうだし、理数クラスでトップを走れるほど成績がいいということは、小さい頃から塾とかに行っていたんだろうな、と。
「おじゃましまーす」
おずおずと、家に入る。
長い廊下の左手には、2階まで吹き抜けになった開放的なリビング。
その奥には広いキッチン。
「ふみ、こっち来て」
手招きされて部屋に入ると、大きめの鳥かごのようなものが、ラックの上に置いてあった。
そっと覗き込むと……。
「モモンガ……?」
「そう。だいきちって名前で、まだ赤ちゃん」
「ほんとだ。ちっちゃ……」
「夜行性だからいまは寝てるけどね」
改めて部屋を見回すと、止まり木やら、おもちゃらしきものがたくさんある。
要するにここは、ペット専用の部屋らしい。
「どうしても、ふみに見せたかった。大事な家族」
「うん。とっても可愛い。見せてくれてありがとう」
こんな些細なことで、じんわりとうれしさが胸に広がる。
ひとりっこの藤堂くんの部屋は2階だそうで、トントンと階段を上がると……まあ、うちのリビングくらいはありそうな広さだった。
こざっぱりした部屋。
しかし意外なことに、大きな本棚には漫画がびっしりだった。
「藤堂くんが漫画集めてるとか、あんま想像つかなかった」
「いやいや、筋金入りのジャンプ読者だよ俺は。スラムダンク連載時代に生まれたかった」
一番目立つところに、綺麗に全巻揃えてある。
本当に好きなんだな……なんて思いながら、ぼーっと眺めていると、藤堂くんは、ちょっと照れたように言った。
「友達とか滅多に呼ばないから、いすとかなくてごめんね。ベッドに座っちゃっていいよ」
「あっ、うん」
藤堂くんは、コンビニ袋からアイスキャンディを取り出し、分けてくれた。
そして、隣に腰掛けて、密着してくる。
「アイス溶けちゃうから先に食べるけど、そのあとすぐキスしていい?」
「……そういうの、あらかじめ聞く?」
「ムード作るとかどうやるのか分かんないもん」
そう言って藤堂くんは、あっけらかんと笑う。
変にかっこつけないで自然体でいてくれることが、うれしい。
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