89 / 789
第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第121話 迷宮都市 地下12階 ケリーさんの父親
しおりを挟む
さて、今日のメニューは『シチュー』・『ナン』・『キッシュ』・デザートの桃。
『シチュー』と『ナン』の調理開始。
兄へコカトリスクイーンの卵の電子切開をお願いし、大きな器の中に入れて卵液を作る。
赤い殻は後で換金するため綺麗に洗いマジックバッグへ。
キッシュの材料(たまねぎ・じゃが芋・マジックキノコ)を炒めたら、卵液とチーズを投入しファイアーボールで表面を焼く。
これを9個、次々と作る。
ファイアーボールは、オーブン代わりになるし調理も時短出来るから一番役に立つ魔法かも?
『キッシュ』が完成したら6等分して皿に載せ、各リーダーへお裾分けする。
皿を受け取ったルイスさんが何やら遠い目をしていた。
コカトリスの卵を食べるのは初めてだったのかな?
食事が終わった後はデザートの時間だ。
今週で地下12階の攻略を終えると伝えていたため、最後の賭けである今日は桃を出し辛い。
収穫した桃をマジックバッグから取り出すと、冒険者達の悲痛な叫び声が上がった。
残念、最後に皆さん大穴を狙ったんですね?
ジョンさんのパーティーも賭けていたのか、ルイスさんに殴られていたよ。
「あああぁ~、俺の金が消えてなくなった!」
そう言いながら、ケリーさんは地面に両手をつき崩れ落ちてしまった。
パーティーメンバーを見ると、皆呆れかえった表情をしている。
「ケリーさん、賭け事は身を滅ぼしますよ」
私は忠告しながらケリーさんの肩を叩いた。
「ん? ケリー?」
ジョンさんのパーティーメンバーの1人が、ケリーさんの名を聞き近付いてくる。
まだ地面から起き上がれないケリーさんの顔を見て尋ねた。
「もしかしてお前の母親は、ガルシアって名前じゃないか?」
「えっ? なんで知っているんだ?」
「それは俺が、お前の父親のハリスだからだよ!」
おっと、ここで再び20年振りの親子の再会ですか?
ケリーさんは、愕然とした表情をし硬直したように動かない。
周りの冒険者達もざわつき始めたため、ハリスさんはケリーさんを自分達のマジックテントへ引っ張っていった。
あれ? でもケリーさんにも顔を確認してもらったよね。
父親に気が付かなかったんだろうか?
後でダンクさんに聞いてみよう!
桃の皮を剥きながらカットしていると、集金を終えたアマンダさんが満面の笑みを浮かべ食べにきた。
もの凄く、ご機嫌麗しいようで……。
多分、全勝したのはアマンダさんのパーティーだけだろう。
最後となった桃の賭けは、冒険者達の阿鼻叫喚の叫び声を飲み込んで終わる。
途中、20年振りの親子の再会もあったようだけど……。
配った大きなみかんを皆が食べ終え夕食は終了。
後でダンクさんに話を聞いた所、当時10歳だったケリーさんは半年に1度しか会わない親の顔を20年経ち忘れていたらしい。
確かに半年に1回しか会わない父親の顔など、子供は覚えていられないだろう。
この世界には写真がないので記憶するしかない。
日本でも海外赴任の父親が久し振りに帰宅したら、子供に忘れられ「おじちゃん誰?」と言われる例がある。
ケリーさんの母親は、帰ってこない夫を死んだものと諦め再婚したみたいだ。
再婚相手との間に娘が生まれ居辛くなったケリーさんは、父親と同じ冒険者となり家を出たんだとか。
20年振りに会った父親が、テントで確認した冒険者であると知りケリーさんは泣いたそうだ。
そして自分の年とそう変わらぬ父親とテントで一晩を過ごし、お互い再会を喜んだらしい。
ちなみに、テントはアイテムBOX内にある展開したままの物を提供させて頂きました。
こうして最後の地下12階も問題なく5日間の攻略を終えた。
旭が換金。
ファングボアの肉5体を引き取り、肉屋でファングボアの肉3体を卸し1体を、お店用に保管してもらう。
兄達を車と一緒に希望する居酒屋へ送り届け、私はシルバーとお散歩に出掛けよう。
今週の出来事を話しながら田舎道を歩いていく。
ケリーさんが20年振りに親子の再会を果たしたし最後の最後に桃で大損した件や、シルバーも使えるアイスボールとアイスニードルの違いがよく分からない事等。
一度、シルバーにアイスボールの魔法を撃ってもらった。
うん、ちゃんとボールに見えるね。
私のアイスボールを見せると、シルバーはポカンと口を大きく開け動かなくなってしまう。
そうよね?
思いっきり槍の形をした氷が地面に突き刺さっているんだもの、ビックリするのは当たり前よ!
でもこれ、アイスボールの魔法なんだよね~。
この世界の魔法はイメージ通り出てくるようで、ボールとかアローとかニードルとか全く必要なかった。
一通り魔法のお披露目をし、マッピングで自宅に戻る。
冷蔵庫に貼られたホワイトボードを見て兄達を店へ迎えにいった。
--------------------------------------
お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
--------------------------------------
『シチュー』と『ナン』の調理開始。
兄へコカトリスクイーンの卵の電子切開をお願いし、大きな器の中に入れて卵液を作る。
赤い殻は後で換金するため綺麗に洗いマジックバッグへ。
キッシュの材料(たまねぎ・じゃが芋・マジックキノコ)を炒めたら、卵液とチーズを投入しファイアーボールで表面を焼く。
これを9個、次々と作る。
ファイアーボールは、オーブン代わりになるし調理も時短出来るから一番役に立つ魔法かも?
『キッシュ』が完成したら6等分して皿に載せ、各リーダーへお裾分けする。
皿を受け取ったルイスさんが何やら遠い目をしていた。
コカトリスの卵を食べるのは初めてだったのかな?
食事が終わった後はデザートの時間だ。
今週で地下12階の攻略を終えると伝えていたため、最後の賭けである今日は桃を出し辛い。
収穫した桃をマジックバッグから取り出すと、冒険者達の悲痛な叫び声が上がった。
残念、最後に皆さん大穴を狙ったんですね?
ジョンさんのパーティーも賭けていたのか、ルイスさんに殴られていたよ。
「あああぁ~、俺の金が消えてなくなった!」
そう言いながら、ケリーさんは地面に両手をつき崩れ落ちてしまった。
パーティーメンバーを見ると、皆呆れかえった表情をしている。
「ケリーさん、賭け事は身を滅ぼしますよ」
私は忠告しながらケリーさんの肩を叩いた。
「ん? ケリー?」
ジョンさんのパーティーメンバーの1人が、ケリーさんの名を聞き近付いてくる。
まだ地面から起き上がれないケリーさんの顔を見て尋ねた。
「もしかしてお前の母親は、ガルシアって名前じゃないか?」
「えっ? なんで知っているんだ?」
「それは俺が、お前の父親のハリスだからだよ!」
おっと、ここで再び20年振りの親子の再会ですか?
ケリーさんは、愕然とした表情をし硬直したように動かない。
周りの冒険者達もざわつき始めたため、ハリスさんはケリーさんを自分達のマジックテントへ引っ張っていった。
あれ? でもケリーさんにも顔を確認してもらったよね。
父親に気が付かなかったんだろうか?
後でダンクさんに聞いてみよう!
桃の皮を剥きながらカットしていると、集金を終えたアマンダさんが満面の笑みを浮かべ食べにきた。
もの凄く、ご機嫌麗しいようで……。
多分、全勝したのはアマンダさんのパーティーだけだろう。
最後となった桃の賭けは、冒険者達の阿鼻叫喚の叫び声を飲み込んで終わる。
途中、20年振りの親子の再会もあったようだけど……。
配った大きなみかんを皆が食べ終え夕食は終了。
後でダンクさんに話を聞いた所、当時10歳だったケリーさんは半年に1度しか会わない親の顔を20年経ち忘れていたらしい。
確かに半年に1回しか会わない父親の顔など、子供は覚えていられないだろう。
この世界には写真がないので記憶するしかない。
日本でも海外赴任の父親が久し振りに帰宅したら、子供に忘れられ「おじちゃん誰?」と言われる例がある。
ケリーさんの母親は、帰ってこない夫を死んだものと諦め再婚したみたいだ。
再婚相手との間に娘が生まれ居辛くなったケリーさんは、父親と同じ冒険者となり家を出たんだとか。
20年振りに会った父親が、テントで確認した冒険者であると知りケリーさんは泣いたそうだ。
そして自分の年とそう変わらぬ父親とテントで一晩を過ごし、お互い再会を喜んだらしい。
ちなみに、テントはアイテムBOX内にある展開したままの物を提供させて頂きました。
こうして最後の地下12階も問題なく5日間の攻略を終えた。
旭が換金。
ファングボアの肉5体を引き取り、肉屋でファングボアの肉3体を卸し1体を、お店用に保管してもらう。
兄達を車と一緒に希望する居酒屋へ送り届け、私はシルバーとお散歩に出掛けよう。
今週の出来事を話しながら田舎道を歩いていく。
ケリーさんが20年振りに親子の再会を果たしたし最後の最後に桃で大損した件や、シルバーも使えるアイスボールとアイスニードルの違いがよく分からない事等。
一度、シルバーにアイスボールの魔法を撃ってもらった。
うん、ちゃんとボールに見えるね。
私のアイスボールを見せると、シルバーはポカンと口を大きく開け動かなくなってしまう。
そうよね?
思いっきり槍の形をした氷が地面に突き刺さっているんだもの、ビックリするのは当たり前よ!
でもこれ、アイスボールの魔法なんだよね~。
この世界の魔法はイメージ通り出てくるようで、ボールとかアローとかニードルとか全く必要なかった。
一通り魔法のお披露目をし、マッピングで自宅に戻る。
冷蔵庫に貼られたホワイトボードを見て兄達を店へ迎えにいった。
--------------------------------------
お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
--------------------------------------
応援ありがとうございます!
242
お気に入りに追加
5,089
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。