自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

如月 雪名

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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略

第376話 迷宮都市 地下14階 クリスマス会の景品作り&新しいメニュー『五目あんかけうどん』

 ホームの自宅に戻ってトイレ休憩。
 再び兄達をテント内に送り届け、私は自宅に戻ってくる。

 丸椅子の足と補強材の部分は職人さんにお任せする事にして、私はこれからクリスマス会の景品作りをしよう。

 椅子取りゲームで勝ち残った子供にあげる景品だ。
 やっぱりゲームをしたら、優勝した子供には景品があった方がやる気も出るし喜ぶだろう。

 問題は、あまり豪華な品物じゃないようにする事だ。
 ここは消耗品がよいか……。

 異世界では甘いお菓子がほとんどないので、ドーナツを作る事にした。
 
 ゲームも何か他に大人数で出来る物を考えておかなくちゃね~。
 兄達にも、後で参考意見を聞いておこう。

 他には、参加賞としてキャラメルを作る予定だ。

 ホットケーキミックスで作る簡単ドーナツなので、材料も無塩バター・牛乳・卵・グラニュー糖だけで良い。
 
 無塩バターを溶かし、そこに卵と牛乳を加えて泡立て器で混ぜ合わせる。
 更にグラニュー糖を入れてよく混ぜホットケーキミックスを振るい入れ、ゴムベラでさっくりと混ぜていくと段々生地がまとまってくる。

 生地がまとまったら、ラップに包んで冷蔵庫で30分寝かせておく。

 その間にキャラメルを作ろう。
 こちらも材料は至ってシンプルだ。

 牛乳・砂糖・バターの三種類。
 分量を量り、全ての材料を鍋に入れてもったりするまで煮詰めるだけ。

 煮詰め終わったら、バットの上にクッキングシートを敷きその上に流し込んで冷やし固める。
 固まったら、適当な大きさに切って包むだけなんだけど……。

 包装紙は、子供達が食べるだけなのでクッキングシートでいいか。
 不思議な物は、全て秘密・・にしておこう!

 30分後――。
 打ち粉をした作業台で、寝かした生地を麺棒で5mmの厚みに延ばしていく。

 生地をドーナツ型でくり抜けば、後は低温(170度くらい)の油で揚げるだけだ。
 子供の頃、お母さんが揚げてくれたドーナツは本当に美味しかったなぁ~。

 揚げ立てのドーナツ、真ん中の丸い部分を「手伝ってくれたから、お兄ちゃん達には内緒ね」と言って食べさせてくれたっけ……。
 
 私はドーナツの型抜きが楽しくて、よくお手伝いをしていたんだよね。

 当時はガスレンジに揚げ物の温度調節機能が無かったので、たまにきつね色より茶色くなってしまう事があったけど、それはお母さんが食べていたなぁ~。

 私の家のガスレンジには当然、温度調節機能があるので綺麗な色に揚がる。
 本当は最後にグラニュー糖をまぶしたい所だけど、異世界には無いので止めておいた。

 冷えたキャラメルをカットして、1個ずつ包装しようとした所で時間切れ。
 続きは、また明日にしよう。

 テント内に移転すると、2人が待っていたので自宅に戻る。
 リビングに漂う甘い匂いに、旭が直ぐ反応した。

「沙良ちゃん、何作ったの? すごく良い匂いがするね~。油の匂いもするから、ドーナツかな?」

 おおっ、当たりだ!
 旭は食べ物に関して嗅覚が鋭い。

「正解! クリスマス会の景品だから、子供達の分だよ?」

「ええ~っ、じゃあ真ん中の丸いやつでいいから頂戴ちょうだい!」

 食いしん坊め! 
 私が後で食べようと思っていたのに……。

 旭だけじゃ可哀想かわいそうなので、兄にもアイテムBOXに収納した揚げ立てを食べさせてあげた。

 こちらには、ちゃんとグラニュー糖をかけてある。

「懐かしい味だな」

 1個食べた兄が、そうこぼした……。
 子供の頃に食べた事を覚えているんだね。

「揚げ立てなんて、初めて食べるよ~。美味しいね!」

 旭はニコニコしながら食べている。
 甘い物好きだから、欲張って沢山食べようとしている所を兄に制止されていた。

 夕食の前に食べ過ぎるなと怒られているようだ。
 旭は夕食後に食べると言って、残りをアイテムBOXに収納している。

 私の分が無いんですけど!?
 でも返せとは言えなくて、仕方ないから明日もう一度作る事にした。
  
 そんな感じで毎日午後から、キャラメルを160人×10個=1,600個作り終えた。
 
 その後も問題なく5日間の攻略は終了。

 旭が換金。
 ファングボアの肉5体を引き取り、肉屋にファングボアの肉3体を卸す。
 シルバーとフォレストは、冒険者ギルドを出た後でホームに連れ帰った。

 これから『肉うどん店』に寄り、新メニューの相談だ。
 サヨさん達に好評だった、『五目あんかけうどん』を冬季限定で30食販売しようと思う。

「オーナー、今日はどうされたんですか?」

 店の中に入ると、母親達が夕食の準備をしている。
 子供達は、テーブルの椅子に座って大人しく会話をしながら待っているようだ。

 製麺店の大人達には娯楽の提供をしたけど、子供達の玩具を考えてなかったなぁ~。
 いつも編み物教室の時間は2階の部屋で待機状態だし、店の営業中も部屋の中で過ごしている。

 庶民が通える学校がないから、子供達は家の中に居る事が多い。
 まだ5歳だから、安全面を考えてもその方が良いだろうけど退屈すると思う。

 何か考えておこう。
 出来れば知育玩具のような物がいいかな?
 
 〇ゴブロックみたいに、組み合せて好きに作れる物も楽しそうだよね。 
  
「こんばんは。今日は、新メニューを考えてきました。一応、冬季限定1日30食の予定です」 
    
「それは『シチュー』とは別ですか?」

「はい。『肉うどん』より体が温まる、『五目あんかけうどん』というメニューになります」
 
「うどんの種類が増えるんですね!」

「これから、作り方を教えるので見て覚えて下さい」

「分かりました!」

 料理途中だった母親達を集め、この後夕食を食べる事を考えて1食だけ見本に作る事にする。

 スープを作る要領と変わらないので、難しい作業は必要ない。
 ミンチにする手間がない分『ミートパスタ』より簡単に作れるだろう。

 うどんを1玉でてもらい、その間に白菜・人参・マジックキノコ・ファングボア肉を切る。
 お湯を沸かした鍋に材料を投入し、火が通ったら『麺つゆ』を適量入れ水溶き『片栗粉』でとろみをつけたら完成。

 『麺つゆ』と『片栗粉』は、陶器の壺に入れ替える必要が出てくるけどこれも秘伝・・だ。

 母親達に試食してもらい、味の感想を聞いてみる。

「これは『肉うどん』と違って、やさしい味ですね~。女性が喜ぶと思います」

「とろみが付いているので、食べている間に冷めてしまわないのが良いですね」

「私も好きな味です! オーナーは、本当に色々な料理を知っているので驚きますよ!」

 味は好評のようだ。

「仕事が増える事になると思うけど、大丈夫?」

「えぇ、30食なら問題ありません。今でも11時前には、売り切れてしまいますから」

「じゃあ来週から1食鉄貨7枚(700円)で販売して下さい。料理を提供する時は、この取り皿も一緒に渡して下さいね」

 そう言って、私はマジックバッグから事前に雑貨屋で購入しておいた取り皿を30枚渡す。
 火傷すると困るからね~。

 最後に、子供達へ桃を1個ずつお土産として渡し店を出た。

 兄達を車と一緒に希望する居酒屋に送り届け、私はシルバーとフォレストを連れてお散歩に出かける。
 子供達のためにクリスマス会を開くから、準備するので週末は一緒に遊んであげられなくてごめんねと謝っておいた。
 
 フォレストとコミュニケーションする時間が本当に少ない。
 私がご主人様だよ~と言って、沢山でてあげると尻尾を腰に巻き付けて体をなすり付けてきた。

 うん、大きい猫ちゃんだ。
 
 シルバーは、犬科なのでそういう仕草はしないけど……。
 それぞれ、可愛い私の従魔だよ。

 1時間程2匹と散歩を楽しんでマッピングで自宅に戻る。
 今日も冷蔵庫に貼られたホワイトボードを見て兄達を迎えに行った。

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