346 / 781
第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第472話 旭 結花 4 息子との再会
「って、そんな訳ないじゃない! どうして私と同い年なのよ!」
突然母親だと言われても雫は納得出来ないようで、抱き締めた腕から逃れようと暴れ出す。
それは当然よね。
「私の名前は、旭 結花よ。30歳で貴方を生んだわ。長男の名前は尚人。そして雫の初恋相手は、賢也君でしょ?」
そう一気に伝えると、腕の中の雫の動きが大人しくなった。
「えっ? 本当にお母さんなの?」
「ええ、そうよ。よく顔を見せて頂戴」
そう言って両頬に手を添える。
そこに、見知った娘の顔はないけれど……。
いや、正直に言って違和感が半端ないわね。
自分の娘が別人になっているとは思わなかったので、面影の全くない顔を見ても今一ピンとこなかった。
これは慣れるまで時間がかかりそうだわ。
雫は私の顔をじっと見つめた後で、目に涙を浮かべた。
「お母さん! 会いたかったよ~」
そして、今度はしっかりと私の事を抱き締め返してくれる。
「雫、体はどこも悪くない? 心臓の調子はいいの?」
気になった事を尋ねると、雫は泣き笑いの表情で元気一杯に答えた。
「うん! この体は、とっても健康だよ。私、今は冒険者をしているの。魔物だって倒せるんだから!」
「そうなのね。……本当に良かった」
娘の心臓に問題がない事を聞いて、私は再び涙した。
その後、各自魔道具屋で必要な買い物を済ませ、私の宿泊している宿へと移動する。
今日はダンジョン攻略から帰還したので休日だったそうだ。
ダンジョンを攻略しているとは驚いた。
ならば娘はC級冒険者になっているんだろう。
娘の最後の姿を知っている私は、それを知りとても嬉しく思った。
高校3年間をベッドの上で過ごすしかなかった雫が、こんなに元気でいるなんて……。
宿に帰ると、お互いのこれまでの経緯を話し合う。
ここが乙女ゲームの世界だと、雫も直ぐに気が付いたらしい。
何故か母親が再婚した相手の娘が生きており、魔法学校での断罪を待たず家を追い出され貴族籍を剥奪されたそうだ。
その後、冒険者登録をしてサリナの母親とは決別し、王都のダンジョンを攻略中との事。
私とは違い12歳の時に記憶が戻った転生みたいで、魔法は使用出来ないと言っていた。
その話を聞き、乙女ゲームのストーリーは完全に破綻しているらしいとの結論に至る。
魔法学校で主人公の私が聖魔法を習得し、聖女認定されるイベントもなかったしね。
伯爵令嬢が王子様の婚約者になるのは、結界魔法が使用出来るからだった。
何の魔法も覚える事が出来ず落ちこぼれの私では、当然婚約者に選ばれる事もなく卒業する。
まぁ推しキャラを間近で見れたから、それなりに楽しい3年間を過ごしたんだけど。
私の方の事情は、手紙を見せると納得してくれたようだ。
「なんかお母さんだけずるくない? アイテムBOXも光魔法も使用出来るなんてチートじゃん!」
「それに関して、とても助かっているのは事実ね。ライトボールで攻撃すれば魔物は倒せるから簡単だし、アイテムBOXにはいくらでも入るから……」
「私も魔法を覚えたい! ステータスにMPがあるけど、使い道がなくて勿体ないと思ってたの」
「あら、それなら魔法学校の魔術書を貸してあげるから試してみれば?」
私には覚える事が出来なかったけどね……。
「本当!? じゃあ、頑張って練習してみる!」
雫に羊皮紙に書かれた魔術書を数冊手渡すと、喜んでマジックバッグに仕舞っていた。
今後の事についても相談しておかないと。
現在、私は単独で冒険者活動をしている。
ダンジョン攻略を1人でするのは目立つので、王都から1時間くらい離れた森を中心に討伐依頼を受けているのだ。
雫はパーティーに入りダンジョンを攻略しているから、折角会えたのに別行動になってしまう。
2人でパーティーを組むなら、ダンジョン攻略も出来るだろう。
雫に確認すると、2人で冒険者をする方がいいと答えてくれ安心する。
一度パーティー仲間へ、離脱する事を伝えに宿屋まで帰ると言い部屋を出ていく。
数時間後。
帰ってきた娘に作り置きしてあった善哉を出すと、喜んで食べていた。
「お母さんの作った料理が恋しいと思う日がくるなんてね~」
と少々、気になる発言もしていたけど……。
それはどういう意味かしら?
あぁ、それと雫に尚人が亡くなった話をしなければ……。
話を聞いた雫は、とても悲しんで泣いていた。
娘はお兄ちゃん子だったから、かなりショックを受けたようだ。
それでも、もしかしたら私達と同じように、この世界へ転生か転移しているかも知れないよねと希望を口にする。
そうであれば、どれ程良いだろう……。
いつか息子と会える日がくる事を信じたい。
その後――。
私達は2人でパーティーを組み、王都のダンジョンを攻略する事になった。
お互いのステータスを確認したら私の基本値が高い事に、雫からまたずるいと言われたけど亡くなった年齢なので仕方ない。
逆に雫の剣術Lvが高くて驚いた。
【現在のステータス】
アリサ・フィンレイ 19歳
レベル 20
HP 1,533
MP 1,533
魔法 時空魔法(アイテムBOX)
魔法 光魔法(ヒールLv5・ホーリーLv5・ライトボールLv10)
魔法学校で行った郊外学習の時、初めてLvが上がったので私の基礎値は73。
ヒールやホーリーは、怪我人を治療しLvを上げた。
ライトボールは魔物を倒している内にLvが10になったけど、これ以上は上がらないようだ。
サリナ 19歳
レベル 25
HP 312
MP 312
剣術 Lv8
雫は庶民になり、ハンフリー籍から抜けたので苗字がない。
ダンジョンを攻略していたため、私よりLvは高いけど12歳の時に冒険者登録をしてLvを上げたので基礎値が12と低かった。
それでも剣術Lv8になるまで、相当頑張ったのだと思う。
一緒にダンジョンを攻略するようになり、初めて娘が本当に健康になっている事を実感出来た。
魔物を剣で素早く討伐する様子を見て、胸が一杯になる。
今度こそ、私の持てる全てで娘を守ってみせよう。
少しばかり女の子にしては逞しく育っているようだけど、それもまた私の目には眩しく映った。
娘と再会して1年が過ぎた。
王都で2人パーティーの私達は、ちょっとした有名冒険者だ。
パーティーの勧誘を全て断り、今は地下10階を拠点にしている。
クランに入らずとも、アイテムBOXに食料を入れておけば長期間の攻略が出来るので、大体1ヶ月くらいダンジョン生活を送っていた。
今日は1ヶ月振りに地上へ帰還して、娘と王都を散策している。
残念ながらどの飲食店に入っても美味しい食事は期待出来ないので、最近よく購入するダンジョン産の果物を売っている店へ足を運んだ。
奏屋には牛乳やバターやチーズといった高価な商品の他、更に高価な果物が置いてある。
甘味が少ない異世界で、私達には嬉しい商品だった。
冒険者の収入もかなりあるので、高い果物も躊躇する事なく購入出来る。
日本ならとても手が出ない値段だけどね。
桃が1個、銀貨12枚(12万円)とか有り得ないし……。
マンゴーなんか、銀貨35枚(35万円)もするのよ?
それでも稼いでいるので、ご褒美に購入を決める。
雫は他に、シャインマスカットが食べたいらしい。
これも銀貨23枚(23万円)だ。
それぞれを1個ずつ購入すると、合計銀貨70枚(70万円)。
相変わらず、ダンジョン産の果物は高い!
2人で食べるのを楽しみに宿屋へ帰る途中、雫が急に立ち止まりぽつりと零した。
「……尚人兄?」
私は、驚いて雫が見ている方向へ視線を向ける。
そこで、20代の姿をした息子を目にした。
その瞬間、2人で同じ方向へと走り出す。
どうか、夢じゃないと言って!
「尚人!」
「尚人兄!」
そうして近付いた尚人に、私達は思い切り抱き付いたのだった。
-------------------------------------
お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
-------------------------------------
突然母親だと言われても雫は納得出来ないようで、抱き締めた腕から逃れようと暴れ出す。
それは当然よね。
「私の名前は、旭 結花よ。30歳で貴方を生んだわ。長男の名前は尚人。そして雫の初恋相手は、賢也君でしょ?」
そう一気に伝えると、腕の中の雫の動きが大人しくなった。
「えっ? 本当にお母さんなの?」
「ええ、そうよ。よく顔を見せて頂戴」
そう言って両頬に手を添える。
そこに、見知った娘の顔はないけれど……。
いや、正直に言って違和感が半端ないわね。
自分の娘が別人になっているとは思わなかったので、面影の全くない顔を見ても今一ピンとこなかった。
これは慣れるまで時間がかかりそうだわ。
雫は私の顔をじっと見つめた後で、目に涙を浮かべた。
「お母さん! 会いたかったよ~」
そして、今度はしっかりと私の事を抱き締め返してくれる。
「雫、体はどこも悪くない? 心臓の調子はいいの?」
気になった事を尋ねると、雫は泣き笑いの表情で元気一杯に答えた。
「うん! この体は、とっても健康だよ。私、今は冒険者をしているの。魔物だって倒せるんだから!」
「そうなのね。……本当に良かった」
娘の心臓に問題がない事を聞いて、私は再び涙した。
その後、各自魔道具屋で必要な買い物を済ませ、私の宿泊している宿へと移動する。
今日はダンジョン攻略から帰還したので休日だったそうだ。
ダンジョンを攻略しているとは驚いた。
ならば娘はC級冒険者になっているんだろう。
娘の最後の姿を知っている私は、それを知りとても嬉しく思った。
高校3年間をベッドの上で過ごすしかなかった雫が、こんなに元気でいるなんて……。
宿に帰ると、お互いのこれまでの経緯を話し合う。
ここが乙女ゲームの世界だと、雫も直ぐに気が付いたらしい。
何故か母親が再婚した相手の娘が生きており、魔法学校での断罪を待たず家を追い出され貴族籍を剥奪されたそうだ。
その後、冒険者登録をしてサリナの母親とは決別し、王都のダンジョンを攻略中との事。
私とは違い12歳の時に記憶が戻った転生みたいで、魔法は使用出来ないと言っていた。
その話を聞き、乙女ゲームのストーリーは完全に破綻しているらしいとの結論に至る。
魔法学校で主人公の私が聖魔法を習得し、聖女認定されるイベントもなかったしね。
伯爵令嬢が王子様の婚約者になるのは、結界魔法が使用出来るからだった。
何の魔法も覚える事が出来ず落ちこぼれの私では、当然婚約者に選ばれる事もなく卒業する。
まぁ推しキャラを間近で見れたから、それなりに楽しい3年間を過ごしたんだけど。
私の方の事情は、手紙を見せると納得してくれたようだ。
「なんかお母さんだけずるくない? アイテムBOXも光魔法も使用出来るなんてチートじゃん!」
「それに関して、とても助かっているのは事実ね。ライトボールで攻撃すれば魔物は倒せるから簡単だし、アイテムBOXにはいくらでも入るから……」
「私も魔法を覚えたい! ステータスにMPがあるけど、使い道がなくて勿体ないと思ってたの」
「あら、それなら魔法学校の魔術書を貸してあげるから試してみれば?」
私には覚える事が出来なかったけどね……。
「本当!? じゃあ、頑張って練習してみる!」
雫に羊皮紙に書かれた魔術書を数冊手渡すと、喜んでマジックバッグに仕舞っていた。
今後の事についても相談しておかないと。
現在、私は単独で冒険者活動をしている。
ダンジョン攻略を1人でするのは目立つので、王都から1時間くらい離れた森を中心に討伐依頼を受けているのだ。
雫はパーティーに入りダンジョンを攻略しているから、折角会えたのに別行動になってしまう。
2人でパーティーを組むなら、ダンジョン攻略も出来るだろう。
雫に確認すると、2人で冒険者をする方がいいと答えてくれ安心する。
一度パーティー仲間へ、離脱する事を伝えに宿屋まで帰ると言い部屋を出ていく。
数時間後。
帰ってきた娘に作り置きしてあった善哉を出すと、喜んで食べていた。
「お母さんの作った料理が恋しいと思う日がくるなんてね~」
と少々、気になる発言もしていたけど……。
それはどういう意味かしら?
あぁ、それと雫に尚人が亡くなった話をしなければ……。
話を聞いた雫は、とても悲しんで泣いていた。
娘はお兄ちゃん子だったから、かなりショックを受けたようだ。
それでも、もしかしたら私達と同じように、この世界へ転生か転移しているかも知れないよねと希望を口にする。
そうであれば、どれ程良いだろう……。
いつか息子と会える日がくる事を信じたい。
その後――。
私達は2人でパーティーを組み、王都のダンジョンを攻略する事になった。
お互いのステータスを確認したら私の基本値が高い事に、雫からまたずるいと言われたけど亡くなった年齢なので仕方ない。
逆に雫の剣術Lvが高くて驚いた。
【現在のステータス】
アリサ・フィンレイ 19歳
レベル 20
HP 1,533
MP 1,533
魔法 時空魔法(アイテムBOX)
魔法 光魔法(ヒールLv5・ホーリーLv5・ライトボールLv10)
魔法学校で行った郊外学習の時、初めてLvが上がったので私の基礎値は73。
ヒールやホーリーは、怪我人を治療しLvを上げた。
ライトボールは魔物を倒している内にLvが10になったけど、これ以上は上がらないようだ。
サリナ 19歳
レベル 25
HP 312
MP 312
剣術 Lv8
雫は庶民になり、ハンフリー籍から抜けたので苗字がない。
ダンジョンを攻略していたため、私よりLvは高いけど12歳の時に冒険者登録をしてLvを上げたので基礎値が12と低かった。
それでも剣術Lv8になるまで、相当頑張ったのだと思う。
一緒にダンジョンを攻略するようになり、初めて娘が本当に健康になっている事を実感出来た。
魔物を剣で素早く討伐する様子を見て、胸が一杯になる。
今度こそ、私の持てる全てで娘を守ってみせよう。
少しばかり女の子にしては逞しく育っているようだけど、それもまた私の目には眩しく映った。
娘と再会して1年が過ぎた。
王都で2人パーティーの私達は、ちょっとした有名冒険者だ。
パーティーの勧誘を全て断り、今は地下10階を拠点にしている。
クランに入らずとも、アイテムBOXに食料を入れておけば長期間の攻略が出来るので、大体1ヶ月くらいダンジョン生活を送っていた。
今日は1ヶ月振りに地上へ帰還して、娘と王都を散策している。
残念ながらどの飲食店に入っても美味しい食事は期待出来ないので、最近よく購入するダンジョン産の果物を売っている店へ足を運んだ。
奏屋には牛乳やバターやチーズといった高価な商品の他、更に高価な果物が置いてある。
甘味が少ない異世界で、私達には嬉しい商品だった。
冒険者の収入もかなりあるので、高い果物も躊躇する事なく購入出来る。
日本ならとても手が出ない値段だけどね。
桃が1個、銀貨12枚(12万円)とか有り得ないし……。
マンゴーなんか、銀貨35枚(35万円)もするのよ?
それでも稼いでいるので、ご褒美に購入を決める。
雫は他に、シャインマスカットが食べたいらしい。
これも銀貨23枚(23万円)だ。
それぞれを1個ずつ購入すると、合計銀貨70枚(70万円)。
相変わらず、ダンジョン産の果物は高い!
2人で食べるのを楽しみに宿屋へ帰る途中、雫が急に立ち止まりぽつりと零した。
「……尚人兄?」
私は、驚いて雫が見ている方向へ視線を向ける。
そこで、20代の姿をした息子を目にした。
その瞬間、2人で同じ方向へと走り出す。
どうか、夢じゃないと言って!
「尚人!」
「尚人兄!」
そうして近付いた尚人に、私達は思い切り抱き付いたのだった。
-------------------------------------
お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
-------------------------------------
あなたにおすすめの小説
異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
転生皇女は冷酷皇帝陛下に溺愛されるが夢は冒険者です!
akechi
ファンタジー
アウラード大帝国の第四皇女として生まれたアレクシア。だが、母親である側妃からは愛されず、父親である皇帝ルシアードには会った事もなかった…が、アレクシアは蔑ろにされているのを良いことに自由を満喫していた。
そう、アレクシアは前世の記憶を持って生まれたのだ。前世は大賢者として伝説になっているアリアナという女性だ。アレクシアは昔の知恵を使い、様々な事件を解決していく内に昔の仲間と再会したりと皆に愛されていくお話。
※コメディ寄りです。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
家ごと異世界ライフ
もちもちほっぺ
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!
夢のテンプレ幼女転生、はじめました。 憧れののんびり冒険者生活を送ります
ういの
ファンタジー
旧題:テンプレ展開で幼女転生しました。憧れの冒険者になったので仲間たちとともにのんびり冒険したいとおもいます。
七瀬千那(ななせ ちな)28歳。トラックに轢かれ、気がついたら異世界の森の中でした。そこで出会った冒険者とともに森を抜け、最初の街で冒険者登録しました。新米冒険者(5歳)爆誕です!神様がくれた(と思われる)チート魔法を使ってお気楽冒険者生活のはじまりです!……ちょっと!神獣様!精霊王様!竜王様!私はのんびり冒険したいだけなので、目立つ行動はお控えください!!
初めての投稿で、完全に見切り発車です。自分が読みたい作品は読み切っちゃった!でももっと読みたい!じゃあ自分で書いちゃおう!っていうノリで書き始めました。
2024年5月 書籍一巻発売
2025年7月 書籍二巻発売
2025年10月 コミカライズ連載開始
転生したので、今世こそは楽しく生きます!~大好きな家族に囲まれて第2の人生を謳歌する~
結笑-yue-
ファンタジー
『可愛いわね』
『小さいな』
『…やっと…逢えた』
『我らの愛しい姫。パレスの愛し子よ』
『『『『『『『『『『我ら、原初の精霊の祝福を』』』』』』』』』』
地球とは別の世界、異世界“パレス”。
ここに生まれてくるはずだった世界に愛された愛し子。
しかし、神たちによって大切にされていた魂が突然できた輪廻の輪の歪みに吸い込まれてしまった。
神たちや精霊王、神獣や聖獣たちが必死に探したが、終ぞ見つけられず、時間ばかりが過ぎてしまっていた。
その頃その魂は、地球の日本で産声をあげ誕生していた。
しかし異世界とはいえ、神たちに大切にされていた魂、そして魔力などのない地球で生まれたため、体はひどく病弱。
原因不明の病気をいくつも抱え、病院のベッドの上でのみ生活ができる状態だった。
その子の名は、如月結笑《キサラギユエ》ーーー。
生まれた時に余命宣告されながらも、必死に生きてきたが、命の燈が消えそうな時ようやく愛し子の魂を見つけた神たち。
初めての人生が壮絶なものだったことを知り、激怒し、嘆き悲しみ、憂い……。
阿鼻叫喚のパレスの神界。
次の生では、健康で幸せに満ち溢れた暮らしを約束し、愛し子の魂を送り出した。
これはそんな愛し子が、第2の人生を楽しく幸せに暮らしていくお話。
家族に、精霊、聖獣や神獣、神たちに愛され、仲間を、友達をたくさん作り、困難に立ち向かいながらも成長していく姿を乞うご期待!
*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈
小説家になろう様でも連載中です。
第1章無事に完走したので、アルファポリス様でも連載を始めます!
よろしくお願い致します( . .)"
*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈
追放された荷物持ちですが、実は滅んだ竜族の末裔でした~のんびり暮らしたいのに、なぜかそうならない~
ソラリアル
ファンタジー
目が覚めたら、俺は孤児だった。 家族も、家も、居場所もない。
そんな俺を拾ってくれたのは、優しいSランク冒険者のパーティだった。
「荷物持ちでもいい、仲間になれ」
その言葉を信じて、俺は必死についていった。
だけど、自分には何もできないと思っていた。
それでも少しでも役に立ちたくて、夜な夜な一人で力を磨いた。
だけどある日、彼らは言った。
『ここからは危険だ。荷物持ちは、もう必要ない』
それは、俺の身を案じた「優しさ」からの判断だった。
俺も分かっていた。
だから、黙ってそれを受け入れ、静かにパーティを離れた。
「もう誰にも必要とされなくてもいい。一人で、穏やかに生きていこう」
そう思っていた。そのはずだった。
――だけど。
ダンジョンの地下で出会った古代竜の魂と、
“様々な縁”が重なり、騒がしくなった。
「最強を目指すべくして生まれた存在」
「君と一緒に行かせてくれ。」
「……オリオンを辞めさせた、本当の理由を知っている」
穏やかなスローライフ生活を望んだはずなのに、
世界はまた、勝手に動き出してしまったらしい――
◇小説家になろうでも同時連載中です◇