自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

如月 雪名

文字の大きさ
465 / 781
第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略

第591話 迷宮都市 行方不明の子供達 6

 軽い眩暈めまいがした後、目を開くと発見した7人の子供達は寝ていた。
 アリサちゃんの悪かった顔色も、ポーションを飲ませたお陰か良くなっている。
 森の中で一晩中放置され不安と疲労が重なっていた所、私達に発見された事で安心し眠ってしまったのだろう。
 誘拐された子供達の安全は確保出来た。
 2匹で移動するのは難しいため、アイテムBOXへ収納しよう。
 さて、小屋にいる犯人をどうするべきか……。

「お父さん。子供達はアイテムBOXに入れて運ぶ心算つもりだけど、5人の犯人はどうしたらいいと思う?」

「そうだな、7人の子供達だけならシルバーと泰雅たいがに乗せ移動したと言っても問題ないが、更に5人の大人を俺達が連れ帰るのは不自然だろう。一度小屋へいき現場を見てみよう」

「了解」

 父の提案通り、子供達をアイテムBOXへ収納した後で小屋に向かった。
 中へ入るとマッピングで見た時と同じ状態の犯人が5人、床に転がっている。
 意識がないのかピクリとも動かない。
 よく見ると、全員の顔がれあがっていた。

「お父さん。私達がくる前に、犯人が縛られてるんだけど……。誰の仕業しわざだろう?」

「悪事を働いていそうだからなぁ。他に恨みを買っているのかもしれん」

 それにしては、生きた状態で簀巻すまきにされただけなのがに落ちない。
 法が機能していない世界なら、報復行為はもっと苛烈かれつなものになるだろう。

「このまま放置して逃げられたら困るよね?」

 簀巻きの状態では身動き出来ないかも知れないけど、仲間が近くにいる可能性がある。
 
「ここから一番近い冒険者ギルドへ連行しよう」

「どうやって?」

 尋ねると、父はニヤリと笑う。
 そして小屋内にあったロープを手に取り、犯人達をつなぎ始めた。
 泰雅たいがに、この状態で運ばせるそうだ。
 私は、その間に兄へ念話の魔道具で連絡を入れる。
 シルバーが子供達を発見し犯人を確保したと伝えると、兄が良くやったと一言めてくれた。
 今回はシルバーのお手柄だ。
 後で念入りにマッサージとブラッシングをしてあげよう。 

 私と父はシルバーに騎乗し、森から近い町へ移動を開始。
 犯人達は、泰雅たいがに引きずられながら運ばれた。
 それでも意識を失ったままなのは、魔法により昏倒させられているのか……。
 冒険者ギルドの受付嬢へ迷宮都市で起きた事件の説明をする。
 子供達を発見し犯人を連行したと、ギルドマスターからオリビアさんへ連絡してもらえるようお願いした。
 冒険者ギルドには、各支店へ連絡出来る通信の魔道具があるからね。
 今回は急を要していたから、従魔登録していない町内でシルバーと泰雅たいがに騎乗したまま移動した件もびておく。
 この町で従魔登録するより、王都の冒険者ギルドでカルドサリ王国内全てが有効になる従魔登録をした方がいい。

 受付嬢はギルドマスターへ事情を伝えにいくと席を外し、数分後戻ってくる。
 オリビアさんへ連絡後、犯人は衛兵所へ引き渡すそうだ。
 後は、お金を取りにくる残りの犯人を捕まえる必要がある。
 時間を確認すると、思ったより残り時間が少ない。
 30分程、時間にズレがあった。
 従魔で移動すると12時に間に合わないかも知れないな。
 父へマッピングで移転すると言い、家付近まで移動する。

 子供達をアイテムBOXから出し、シルバーと泰雅たいがに騎乗させ門を開けた。
 既に炊き出しは終了していたため子供達の姿はない。
 家の中へ入ると、母親達とメンバーが待機している。
 兄に連絡を入れてはいたけど、子供達の無事な姿を見るまで帰れなかったんだろう。
 子供達を母親達が抱き上げ、旭が出した普通のテント内に寝かせている。
 母親達が帰った後、しばらくするとアマンダさんがメンバーと一緒に戻ってきた。
 私が子供達を発見し連れ帰ってきたと伝えると、安心した表情をみせる。

「サラちゃん、子供達を見付けてくれてありがとう。後は衛兵達と動くよ。金を取りにきた犯人達の確保は、私達に任せな。絶対逃がさない!」
 
 犯人の確保は、衛兵達・アマンダさんパーティー・冒険者ギルドが動けば大丈夫か。
 私達は連絡を待とう。
 まぁ気になるから、マッピングで状況確認はするけどね。
 万が一、取り逃がす事があればアイテムBOXに収納すればいい。
 犯人の要求通り、お金の入った袋を12時に広場の木の下に置いたアマンダさんは離れた場所から、のこのこと現れる犯人を待っている。
 広場の周囲は、きっと犯人に気付かれないよう一般人にまぎれた衛兵達と冒険者ギルドの職員が隠れているのだろう。

 10分後、お金を取りにきたのは10代後半に見える少年だった。
 どう考えても犯人とは思えない。
 アマンダさんも同じ考えなのか、直ぐに確保はせず彼の後を付けていく。
 商業ギルドへ向かった少年は、お金の入った袋の配達を依頼していた。
 少年がギルドから出た後、衛兵達が先程依頼を受けた配送先を確認している。
 配送先は王都の宿屋だった。
 犯人は、かなり用意周到に計画をしていたのか……。

 実行犯の5人へ、お金は渡らないようにしている。
 やはり、子供達を返す気はなかったみたいだ。
 王都まで商業ギルドの配送を依頼すれば、足が付かないと思ったのだろう。
 しかし、これじゃ今日中に犯人を捕まえるのは無理か……。
 見たままをメンバーへ伝え、子供達が起きたら食べられるよう食事を作っておこう。
 パンより『うどん』の方がいい。
 お腹に優しい『鍋焼きうどん』にしよう。
 ネギを刻み、コカトリスの肉と卵を入れればいいかな?
 私達の昼食は、アマンダさん達が戻ったら食べる事にした。

 -------------------------------------
 お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
 読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
 応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
 これからもよろしくお願い致します。
 -------------------------------------
感想 2,669

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

転生皇女は冷酷皇帝陛下に溺愛されるが夢は冒険者です!

akechi
ファンタジー
アウラード大帝国の第四皇女として生まれたアレクシア。だが、母親である側妃からは愛されず、父親である皇帝ルシアードには会った事もなかった…が、アレクシアは蔑ろにされているのを良いことに自由を満喫していた。 そう、アレクシアは前世の記憶を持って生まれたのだ。前世は大賢者として伝説になっているアリアナという女性だ。アレクシアは昔の知恵を使い、様々な事件を解決していく内に昔の仲間と再会したりと皆に愛されていくお話。 ※コメディ寄りです。

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!

家ごと異世界ライフ

もちもちほっぺ
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!

夢のテンプレ幼女転生、はじめました。 憧れののんびり冒険者生活を送ります

ういの
ファンタジー
旧題:テンプレ展開で幼女転生しました。憧れの冒険者になったので仲間たちとともにのんびり冒険したいとおもいます。 七瀬千那(ななせ ちな)28歳。トラックに轢かれ、気がついたら異世界の森の中でした。そこで出会った冒険者とともに森を抜け、最初の街で冒険者登録しました。新米冒険者(5歳)爆誕です!神様がくれた(と思われる)チート魔法を使ってお気楽冒険者生活のはじまりです!……ちょっと!神獣様!精霊王様!竜王様!私はのんびり冒険したいだけなので、目立つ行動はお控えください!! 初めての投稿で、完全に見切り発車です。自分が読みたい作品は読み切っちゃった!でももっと読みたい!じゃあ自分で書いちゃおう!っていうノリで書き始めました。 2024年5月 書籍一巻発売 2025年7月 書籍二巻発売 2025年10月 コミカライズ連載開始

転生したので、今世こそは楽しく生きます!~大好きな家族に囲まれて第2の人生を謳歌する~

結笑-yue-
ファンタジー
『可愛いわね』 『小さいな』 『…やっと…逢えた』 『我らの愛しい姫。パレスの愛し子よ』 『『『『『『『『『『我ら、原初の精霊の祝福を』』』』』』』』』』 地球とは別の世界、異世界“パレス”。 ここに生まれてくるはずだった世界に愛された愛し子。 しかし、神たちによって大切にされていた魂が突然できた輪廻の輪の歪みに吸い込まれてしまった。 神たちや精霊王、神獣や聖獣たちが必死に探したが、終ぞ見つけられず、時間ばかりが過ぎてしまっていた。 その頃その魂は、地球の日本で産声をあげ誕生していた。 しかし異世界とはいえ、神たちに大切にされていた魂、そして魔力などのない地球で生まれたため、体はひどく病弱。 原因不明の病気をいくつも抱え、病院のベッドの上でのみ生活ができる状態だった。 その子の名は、如月結笑《キサラギユエ》ーーー。 生まれた時に余命宣告されながらも、必死に生きてきたが、命の燈が消えそうな時ようやく愛し子の魂を見つけた神たち。 初めての人生が壮絶なものだったことを知り、激怒し、嘆き悲しみ、憂い……。 阿鼻叫喚のパレスの神界。 次の生では、健康で幸せに満ち溢れた暮らしを約束し、愛し子の魂を送り出した。 これはそんな愛し子が、第2の人生を楽しく幸せに暮らしていくお話。 家族に、精霊、聖獣や神獣、神たちに愛され、仲間を、友達をたくさん作り、困難に立ち向かいながらも成長していく姿を乞うご期待! *:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈ 小説家になろう様でも連載中です。 第1章無事に完走したので、アルファポリス様でも連載を始めます! よろしくお願い致します( . .)" *:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈

追放された荷物持ちですが、実は滅んだ竜族の末裔でした~のんびり暮らしたいのに、なぜかそうならない~

ソラリアル
ファンタジー
目が覚めたら、俺は孤児だった。 家族も、家も、居場所もない。 そんな俺を拾ってくれたのは、優しいSランク冒険者のパーティだった。 「荷物持ちでもいい、仲間になれ」 その言葉を信じて、俺は必死についていった。 だけど、自分には何もできないと思っていた。 それでも少しでも役に立ちたくて、夜な夜な一人で力を磨いた。 だけどある日、彼らは言った。 『ここからは危険だ。荷物持ちは、もう必要ない』 それは、俺の身を案じた「優しさ」からの判断だった。 俺も分かっていた。 だから、黙ってそれを受け入れ、静かにパーティを離れた。 「もう誰にも必要とされなくてもいい。一人で、穏やかに生きていこう」 そう思っていた。そのはずだった。 ――だけど。 ダンジョンの地下で出会った古代竜の魂と、 “様々な縁”が重なり、騒がしくなった。 「最強を目指すべくして生まれた存在」 「君と一緒に行かせてくれ。」 「……オリオンを辞めさせた、本当の理由を知っている」 穏やかなスローライフ生活を望んだはずなのに、 世界はまた、勝手に動き出してしまったらしい―― ◇小説家になろうでも同時連載中です◇