470 / 756
第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第606話 迷宮都市 地下15階 結婚式の打ち合わせ&地下1階 槍術のLv上げ
しおりを挟む
2人には安全地帯から出て魔物を倒してもらい、私は今日もテント内から楽ちん討伐だ。
3回目の攻略を終え、再び迷宮都市のダンジョン地下15階へ移動する。
夕食の準備をしていると、アマンダさんが奏伯父さんと何かを話していた。
2人は貴族同士面識があるのか、奏伯父さんはアマンダさんがC級冒険者の頃を知っているらしい。
2パーティーとも、今日は『お好み焼き』のようだ。
私はミノタウロスの肉を薄切りにし、『すき焼き』の材料を切っていく。
安全地帯からソースの焦げる匂いと醤油の香ばしい香りが漂う頃、奏伯父さんが話を終え戻ってきた。
「最近の冒険者は良い物を食べてるな~。俺の時代は、スープとパンにステーキが定番だったぞ?」
「それは今も変わらないみたいです。仲の良いパーティーへ料理方法を教えていますし、調味料も内緒に売ってるんですよ~」
「だよなぁ。そんな急にメニューが変わる訳ないか。ダンジョン内で『すき焼き』が食べれるとは思わなかった……」
そう言いながら奏伯父さんは生卵を溶き、早速火が入った肉を取り出し食べている。
「ミノタウロスの肉は久し振りだなぁ。冒険者の頃は、よく食べたもんだ」
それは多分、塩と胡椒だけのステーキかしら?
お肉好きな人は、それで充分美味しく食べられるだろう。
私はステーキソース派だけどね。
「サラちゃん。そろそろ、結婚式の打ち合わせをしよう。うちのクランは全員参加だよ。襲撃に備え武器の帯剣も許可してほしい」
アマンダさんから結婚式について話をされる。
「はい。結婚式には、必ず敵が動きます。横槍が入ると予想していますから、武装は必須ですね。この機会に、少しでも多く敵の勢力を削ぎたいと思います。結婚相手は元騎士をしていた人なので、こちらも全員武器を帯剣してますよ」
「俺の所も、クラン全員参加になった。親父が、サラちゃんの結婚式に出たいそうだ」
ダンクさんのクランも全員参加らしい。
おおっ、これはかなりの大所帯になりそう。
今から料理を作っておかないと、間に合わないかも知れないな。
結婚式には何があるか分からないため、子供達や店の従業員は不参加だ。
参加者全員がB級冒険者&元騎士で構成されている。
怪我の治療に必要な、『MAXポーション』を沢山用意しておこう。
今回の偽装結婚は相手へ私が結婚している事を伝えるのと、諦めさせる狙いがあった。
盛大に挙げる心算なので、既に冒険者達から情報が拡散され相手の知る所となっている筈。
場所は異世界の家で高い塀がある。
中にいる人間が全員武装し待ち構えているとは思わないだろう。
出来れば、襲撃者は多い程よい。
労力に合わないと思わせたいからね。
10mの塀を乗り越えた先に待っているのは、200人を超す戦闘集団。
敵の狙いは夫役のガーグ老だ。
奏伯父さんや父もいるし、魔法特化の兄達もいる。
負ける要素がない。
アマンダさんは、「結婚式が楽しみだねぇ」と配った桃を食べながら不敵な笑みを浮かべた。
父は「樹が大暴れしそうだ」と苦笑している。
その頃、樹おじさんは召喚したばかりでLvが低いから心配なんだけど?
翌日、火曜日。
母の妊娠と奏伯父さんのパーティー加入で、すっかり忘れていた槍術のLv上げをしよう。
午前中の薬草&果物採取を中止し、父と地下1階へ移動。
ガーグ老から教わった槍術の基本、突きでスライムを倒しステータスを確認する。
槍術 Lv0
やっと槍術を習得出来た!
ふふっ、これが無双の始まりよ~。
突進してくるファングボアを躱し、すれ違いざまに首筋を薙ぎ払う。
おっ、いい感じじゃないかしら?
頸動脈を切られたファングボアは、横倒しになり絶命した。
血抜き処理も出来たので、アイテムBOXへ収納する。
次はリザードマンだ。
二足歩行の素早い敵に、シルバーへ騎乗しこちらから接近する。
接触のタイミングを合わせ、首を突く。
槍の稽古を見ていたシルバーとの連携もバッチリ決まる。
仕留めたリザードマンをアイテムBOXに収納し、後ろで見ていた父の下へニコニコしながら戻った。
「お父さん、見てくれた? 私、槍術の才能があるかも? これは竜騎士も夢じゃないよね!」
「竜なら……。いや、きっとなれるだろう。王都の武器屋で注文した槍が楽しみだな」
「うん! 地下1階の魔物で、Lvは幾つまであがるかな~」
私は午前中一杯、槍を使用して魔物を倒した。
槍術Lvは1。
敵のLvが低いから、3時間ならこんなものか……。
地下15階へ戻り、嬉しくて兄に槍術Lvが1になった報告をする。
「良かったな」
と言い、頭を撫でられてしまった。
パーティーメンバー全員に、微笑ましい目で見られたのは何故なのか……。
その内、私の華麗な槍術をお披露目しよう。
ターンラカネリの槍も、投擲出来るよう練習しなくちゃね。
槍の名手となり、その名を轟かせてやるわ!
-------------------------------------
お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
-------------------------------------
3回目の攻略を終え、再び迷宮都市のダンジョン地下15階へ移動する。
夕食の準備をしていると、アマンダさんが奏伯父さんと何かを話していた。
2人は貴族同士面識があるのか、奏伯父さんはアマンダさんがC級冒険者の頃を知っているらしい。
2パーティーとも、今日は『お好み焼き』のようだ。
私はミノタウロスの肉を薄切りにし、『すき焼き』の材料を切っていく。
安全地帯からソースの焦げる匂いと醤油の香ばしい香りが漂う頃、奏伯父さんが話を終え戻ってきた。
「最近の冒険者は良い物を食べてるな~。俺の時代は、スープとパンにステーキが定番だったぞ?」
「それは今も変わらないみたいです。仲の良いパーティーへ料理方法を教えていますし、調味料も内緒に売ってるんですよ~」
「だよなぁ。そんな急にメニューが変わる訳ないか。ダンジョン内で『すき焼き』が食べれるとは思わなかった……」
そう言いながら奏伯父さんは生卵を溶き、早速火が入った肉を取り出し食べている。
「ミノタウロスの肉は久し振りだなぁ。冒険者の頃は、よく食べたもんだ」
それは多分、塩と胡椒だけのステーキかしら?
お肉好きな人は、それで充分美味しく食べられるだろう。
私はステーキソース派だけどね。
「サラちゃん。そろそろ、結婚式の打ち合わせをしよう。うちのクランは全員参加だよ。襲撃に備え武器の帯剣も許可してほしい」
アマンダさんから結婚式について話をされる。
「はい。結婚式には、必ず敵が動きます。横槍が入ると予想していますから、武装は必須ですね。この機会に、少しでも多く敵の勢力を削ぎたいと思います。結婚相手は元騎士をしていた人なので、こちらも全員武器を帯剣してますよ」
「俺の所も、クラン全員参加になった。親父が、サラちゃんの結婚式に出たいそうだ」
ダンクさんのクランも全員参加らしい。
おおっ、これはかなりの大所帯になりそう。
今から料理を作っておかないと、間に合わないかも知れないな。
結婚式には何があるか分からないため、子供達や店の従業員は不参加だ。
参加者全員がB級冒険者&元騎士で構成されている。
怪我の治療に必要な、『MAXポーション』を沢山用意しておこう。
今回の偽装結婚は相手へ私が結婚している事を伝えるのと、諦めさせる狙いがあった。
盛大に挙げる心算なので、既に冒険者達から情報が拡散され相手の知る所となっている筈。
場所は異世界の家で高い塀がある。
中にいる人間が全員武装し待ち構えているとは思わないだろう。
出来れば、襲撃者は多い程よい。
労力に合わないと思わせたいからね。
10mの塀を乗り越えた先に待っているのは、200人を超す戦闘集団。
敵の狙いは夫役のガーグ老だ。
奏伯父さんや父もいるし、魔法特化の兄達もいる。
負ける要素がない。
アマンダさんは、「結婚式が楽しみだねぇ」と配った桃を食べながら不敵な笑みを浮かべた。
父は「樹が大暴れしそうだ」と苦笑している。
その頃、樹おじさんは召喚したばかりでLvが低いから心配なんだけど?
翌日、火曜日。
母の妊娠と奏伯父さんのパーティー加入で、すっかり忘れていた槍術のLv上げをしよう。
午前中の薬草&果物採取を中止し、父と地下1階へ移動。
ガーグ老から教わった槍術の基本、突きでスライムを倒しステータスを確認する。
槍術 Lv0
やっと槍術を習得出来た!
ふふっ、これが無双の始まりよ~。
突進してくるファングボアを躱し、すれ違いざまに首筋を薙ぎ払う。
おっ、いい感じじゃないかしら?
頸動脈を切られたファングボアは、横倒しになり絶命した。
血抜き処理も出来たので、アイテムBOXへ収納する。
次はリザードマンだ。
二足歩行の素早い敵に、シルバーへ騎乗しこちらから接近する。
接触のタイミングを合わせ、首を突く。
槍の稽古を見ていたシルバーとの連携もバッチリ決まる。
仕留めたリザードマンをアイテムBOXに収納し、後ろで見ていた父の下へニコニコしながら戻った。
「お父さん、見てくれた? 私、槍術の才能があるかも? これは竜騎士も夢じゃないよね!」
「竜なら……。いや、きっとなれるだろう。王都の武器屋で注文した槍が楽しみだな」
「うん! 地下1階の魔物で、Lvは幾つまであがるかな~」
私は午前中一杯、槍を使用して魔物を倒した。
槍術Lvは1。
敵のLvが低いから、3時間ならこんなものか……。
地下15階へ戻り、嬉しくて兄に槍術Lvが1になった報告をする。
「良かったな」
と言い、頭を撫でられてしまった。
パーティーメンバー全員に、微笑ましい目で見られたのは何故なのか……。
その内、私の華麗な槍術をお披露目しよう。
ターンラカネリの槍も、投擲出来るよう練習しなくちゃね。
槍の名手となり、その名を轟かせてやるわ!
-------------------------------------
お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
-------------------------------------
773
あなたにおすすめの小説
家ごと異世界ライフ
ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。