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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第758話 旭 樹 再召喚 52 ケスラーの民 4
娘の冒険譚を聞こうとする前に、夕食の準備が整った。
また時間がある時にでも聞いてみよう。
材料を焼く段階になると、響が張り切り出した。
「肉を焼くのは任せてくれ」
トングを持ち、嬉々として大きく切り分けられた肉を反す。
それくらいなら俺にも出来そうだ。
「姫様。……肉が炭になりそうだの。ここは、慣れた者に任せた方がよかろう」
ガーグ老にそう言われ、バーベキュー台から引き離された……。
少しでも役に立とうとし焼肉のタレを小皿に入れようとしたところ、セイから止められる。
「ヒルダ様。そのまま出してはいけません。これを、お使い下さい」
陶器壺を渡され、日本語が大きく書かれた焼肉のタレをさっと仕舞われた。
あぁ、そうか。
異世界人には容器そのものも、奇異に見られるんだな。
俺はセイから受け取った陶器壺を開け、ケスラーの民が普段使用している木皿へ入れていく。
族長の妻と息子のハイド、それに側近5人が夕食を共にする。
焼けた肉や野菜を大皿へ盛り、木皿のタレに浸けて食べる料理だと伝えた。
「皆の者、エルフ国の料理を頂こう。この黒い液体は良い匂いがしますな」
族長が肉をフォークで刺し、焼肉のタレに浸け大きく口を開ける。
「これはっ!? 何と美味な食べ物であるか! 姫よ、高価な調味料を提供して頂き感謝致します」
複雑な香辛料を合わせた高価な調味料だと思われたらしい。
特に否定せず、美味しく食べてもらおう。
族長の後に続き、ハイドや側近達も肉から手を付けだした。
今回用意したのは1ヶ月は保存が効く魔物肉で、ハイオーク・コカトリス・ミノタウロスとダンジョン産の物だ。
どれも異世界では高額な肉の部類に入るだろう。
族長の妻は初めて食べる味に感激し、焼肉のタレを是非売ってほしいと言う。
だが実際は、エルフ国の交易品にないので値段のつけようがなく困った。
勝手な事をすれば、外交を担当している兄達に怒られそうだ。
「これは秘伝の調味料だから、売り物じゃないのよ。ごめんなさいね」
娘が秘伝だと言っていたのを思い出し断っておく。
「そうでございますか……。とても残念です」
妻の言葉と共に、族長達も肩を落としている。
それから、今しか機会がないと思ったのか猛然と食べ出した。
あっ、肉ばかりじゃなく野菜も食べてくれよ?
そんな中、セキだけは食事が不要なようで手を付けない。
竜族は大気中から魔力を摂取しているんだろうか……。
弟のセイが食事をしている姿を珍しそうに見ていた。
食後、俺達は場所を借りマジックテントを設置する。
風呂に入りたかったので、族長の天幕で一緒に寝るのは遠慮したのだ。
バスタブを土魔法で作り、水魔法と火魔法を併せお湯を張る。
夫婦の俺達は2人でマジックテントを使用。
ずっと花嫁衣裳を着ていた俺は、早く脱ぎたくて仕方ない。
化粧を施された顔も気持ち悪いし、落としてしまいたかった。
「先に入っていいか?」
「あぁ入浴剤は、これを使ってくれ」
彼もアシュカナ帝国へ行くと決めてから、日用品を腕輪に収納していたようだ。
入浴剤まで俺は気が回らなかったな。
一番風呂を譲られ、その場で服をぽいぽい脱ぎ出し濡れないよう収納する。
女官長達の力作が汚れたら悲しむだろう。
何の素材か不明な衣装は、洗濯方法が分からないし……。
「お前、今はヒルダだと忘れてるのか? 俺の前でも、恥じらいを持て」
真っ裸になった俺から背を向け、響が呆れた口調で注意する。
親友の前では演技する必要がないから、女性の体だと失念していた。
「あ~悪い。出るまで覗くなよ」
「そんな真似はしない」
いちいち面倒くさいなと思いながら、乳白色の入浴剤を入れ風呂に入った。
風呂の水を収納し、バスタブの中で体を洗う。
逆にした方が良かったかも……。
もう一度、新しく湯を張り響と交代した。
彼が風呂に入っている間、長くなった髪を風魔法と火魔法を使用し乾かしていると、
「魔法を器用に使うんだな」
感心したように見つめられる。
「魔法はイメージが大事なんだよ。人間は、呪文を唱えて発動させるんだよな。それじゃ、一定の効果しか出ないんじゃないか?」
「魔法学校で、そう習うから仕方ない。娘は自由に使用しているみたいだが……。魔法に関しては、教会が裏で何かをしてそうだ。帝国も厄介だが、教会は更に質が悪い。今の俺の立場じゃ、どうこう出来る問題じゃないがな」
「へぇ~。教会って、帝国と繋がりがある組織だろ? ダンジョンに呪具を設置された時、解呪しようと冒険者ギルドに来たらしいじゃん」
「多分、事前に帝国と何らかの取引があったんだろう。沙良達が薬師ギルドで『毒消しポーション』を作ったため、司教が介入出来なくなった。高額な浄化代を請求する心算の宛てが外れ、冒険者ギルド前で騒ぎを起こした司教の関与がバレ捕まったが、本人は口を割らず処刑された。結局、教会組織と帝国の関係は暴けずトカゲの尻尾切りで終わったな」
「うわぁ~なんだか、そっちの方が面倒な感じ。帝国の王をさっさと片付けて、教会も行ってみる?」
「聖王国へか? 教会組織は、もう少し調べてからの方がいい。少し、嫌な予感がする」
響がそう言って押し黙った。
俺は教会に関する知識がないから、彼の意見を優先させよう。
まぁ、地球も宗教で戦争が起きるくらいだからな。
調べもせず手を出すのは止めた方がいいんだろう。
明日に備え早目に就寝しようと、バスタブを収納しベッドを出す。
響はマジック寝袋で寝るそうだ。
ベッドを準備していた俺に笑っていた。
いや、どうせなら快適に眠りたい。
俺はベッド派なんだよ!
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お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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また時間がある時にでも聞いてみよう。
材料を焼く段階になると、響が張り切り出した。
「肉を焼くのは任せてくれ」
トングを持ち、嬉々として大きく切り分けられた肉を反す。
それくらいなら俺にも出来そうだ。
「姫様。……肉が炭になりそうだの。ここは、慣れた者に任せた方がよかろう」
ガーグ老にそう言われ、バーベキュー台から引き離された……。
少しでも役に立とうとし焼肉のタレを小皿に入れようとしたところ、セイから止められる。
「ヒルダ様。そのまま出してはいけません。これを、お使い下さい」
陶器壺を渡され、日本語が大きく書かれた焼肉のタレをさっと仕舞われた。
あぁ、そうか。
異世界人には容器そのものも、奇異に見られるんだな。
俺はセイから受け取った陶器壺を開け、ケスラーの民が普段使用している木皿へ入れていく。
族長の妻と息子のハイド、それに側近5人が夕食を共にする。
焼けた肉や野菜を大皿へ盛り、木皿のタレに浸けて食べる料理だと伝えた。
「皆の者、エルフ国の料理を頂こう。この黒い液体は良い匂いがしますな」
族長が肉をフォークで刺し、焼肉のタレに浸け大きく口を開ける。
「これはっ!? 何と美味な食べ物であるか! 姫よ、高価な調味料を提供して頂き感謝致します」
複雑な香辛料を合わせた高価な調味料だと思われたらしい。
特に否定せず、美味しく食べてもらおう。
族長の後に続き、ハイドや側近達も肉から手を付けだした。
今回用意したのは1ヶ月は保存が効く魔物肉で、ハイオーク・コカトリス・ミノタウロスとダンジョン産の物だ。
どれも異世界では高額な肉の部類に入るだろう。
族長の妻は初めて食べる味に感激し、焼肉のタレを是非売ってほしいと言う。
だが実際は、エルフ国の交易品にないので値段のつけようがなく困った。
勝手な事をすれば、外交を担当している兄達に怒られそうだ。
「これは秘伝の調味料だから、売り物じゃないのよ。ごめんなさいね」
娘が秘伝だと言っていたのを思い出し断っておく。
「そうでございますか……。とても残念です」
妻の言葉と共に、族長達も肩を落としている。
それから、今しか機会がないと思ったのか猛然と食べ出した。
あっ、肉ばかりじゃなく野菜も食べてくれよ?
そんな中、セキだけは食事が不要なようで手を付けない。
竜族は大気中から魔力を摂取しているんだろうか……。
弟のセイが食事をしている姿を珍しそうに見ていた。
食後、俺達は場所を借りマジックテントを設置する。
風呂に入りたかったので、族長の天幕で一緒に寝るのは遠慮したのだ。
バスタブを土魔法で作り、水魔法と火魔法を併せお湯を張る。
夫婦の俺達は2人でマジックテントを使用。
ずっと花嫁衣裳を着ていた俺は、早く脱ぎたくて仕方ない。
化粧を施された顔も気持ち悪いし、落としてしまいたかった。
「先に入っていいか?」
「あぁ入浴剤は、これを使ってくれ」
彼もアシュカナ帝国へ行くと決めてから、日用品を腕輪に収納していたようだ。
入浴剤まで俺は気が回らなかったな。
一番風呂を譲られ、その場で服をぽいぽい脱ぎ出し濡れないよう収納する。
女官長達の力作が汚れたら悲しむだろう。
何の素材か不明な衣装は、洗濯方法が分からないし……。
「お前、今はヒルダだと忘れてるのか? 俺の前でも、恥じらいを持て」
真っ裸になった俺から背を向け、響が呆れた口調で注意する。
親友の前では演技する必要がないから、女性の体だと失念していた。
「あ~悪い。出るまで覗くなよ」
「そんな真似はしない」
いちいち面倒くさいなと思いながら、乳白色の入浴剤を入れ風呂に入った。
風呂の水を収納し、バスタブの中で体を洗う。
逆にした方が良かったかも……。
もう一度、新しく湯を張り響と交代した。
彼が風呂に入っている間、長くなった髪を風魔法と火魔法を使用し乾かしていると、
「魔法を器用に使うんだな」
感心したように見つめられる。
「魔法はイメージが大事なんだよ。人間は、呪文を唱えて発動させるんだよな。それじゃ、一定の効果しか出ないんじゃないか?」
「魔法学校で、そう習うから仕方ない。娘は自由に使用しているみたいだが……。魔法に関しては、教会が裏で何かをしてそうだ。帝国も厄介だが、教会は更に質が悪い。今の俺の立場じゃ、どうこう出来る問題じゃないがな」
「へぇ~。教会って、帝国と繋がりがある組織だろ? ダンジョンに呪具を設置された時、解呪しようと冒険者ギルドに来たらしいじゃん」
「多分、事前に帝国と何らかの取引があったんだろう。沙良達が薬師ギルドで『毒消しポーション』を作ったため、司教が介入出来なくなった。高額な浄化代を請求する心算の宛てが外れ、冒険者ギルド前で騒ぎを起こした司教の関与がバレ捕まったが、本人は口を割らず処刑された。結局、教会組織と帝国の関係は暴けずトカゲの尻尾切りで終わったな」
「うわぁ~なんだか、そっちの方が面倒な感じ。帝国の王をさっさと片付けて、教会も行ってみる?」
「聖王国へか? 教会組織は、もう少し調べてからの方がいい。少し、嫌な予感がする」
響がそう言って押し黙った。
俺は教会に関する知識がないから、彼の意見を優先させよう。
まぁ、地球も宗教で戦争が起きるくらいだからな。
調べもせず手を出すのは止めた方がいいんだろう。
明日に備え早目に就寝しようと、バスタブを収納しベッドを出す。
響はマジック寝袋で寝るそうだ。
ベッドを準備していた俺に笑っていた。
いや、どうせなら快適に眠りたい。
俺はベッド派なんだよ!
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これからもよろしくお願い致します。
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