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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第819話 シュウゲン 2 F級冒険者からC級冒険者へ
冒険者登録を済ませ家に戻ると、母親が夕食を作り待っていた。
テーブルの上に並んだ、スープとパンにステーキを見てがっかりする。
ドワーフの主食はパンのようで米がない。
しかも、このパンは硬く食感もぼそぼそとしたものであった。
あぁ、3食パンとは……。
塩のみの味付けも辛いが、米が食べられないのは非常に困る。
鑑定の能力で探す事は可能だろうか?
「シュウゲン、冒険者登録が済めば仕事が出来るわ。魔物討伐に必要な講習も受けられるから、明日受講するのよ」
にこにこと機嫌の良い母親に言われ、この歳でも金を稼ぐ手段があると気付く。
12歳まで育ててもらった恩を返すために、冒険者の仕事を受け家に金を入れよう。
父親は鍛冶職には就けず、鉱山で働いている。
この家の子供は儂1人だから、独り立ちするまで親孝行をせねばなるまい。
考えていた事を実行するまでは、まだ時間が掛かるだろう。
小夜……、もしこの世界にいるのなら儂が必ず見つけ出すから待っておれ。
「講習を受けてこよう」
果たして、実技の講習が役に立つかは分からぬが……。
武術を極めた儂が初心者の講習を受けるのは、退屈そうじゃな。
翌日、父親から贈られた短槍を持ち冒険者ギルドへ向かう。
ギルド内には、昨日冒険者登録をしたばかりの子供達が講習を受けるために集まっていた。
午前中は実技で、剣と槍の武器に分かれ講習担当者のあとに続きギルドの裏庭へ出る。
C級冒険者だという担当者は、槍術の基本を教えると言って型稽古を始めた。
突きと払いの動作を組み合わせた型稽古を覚えるまで、いくら魔物を倒しても槍術はステータス表記されないと聞き首を捻った。
確か昨日、既に槍術を習得した覚えがある。
ステータスを確認すると、やはり槍術Lv0の表示が見える。
これは、生前に槍を扱った経験が反映されているのかも知れん。
それなら、剣術も体術も一度魔物を倒しただけで習得出来そうだな。
冒険者ギルドが行う講習は半年間あり、国が講習料を負担しF級冒険者となった子供は誰でも無料で受けられる制度だ。
しかし、儂は時間を無駄にしたくない。
魔物の討伐にパーティーを組むのも面倒じゃ。
早々に講習を受ける必要はないと見切りをつけ、槍術の講師を呼んだ。
「教えてくれるところを済まぬが、槍術はもう覚えておる」
「えっ? 君は、まだ昨日儀式を受けたばかりだろう?」
C級冒険者の青年は子供の儂が言った言葉を信じられないのか、笑いながら頭を撫でてきおった。
子供が背伸びをしているように受け取られ思案する。
ふむ、実際に見せねば分からぬか……。
「見ておれ」
短槍を片手に持ち、大きく息を整え一歩踏み出した。
突き、払い、防御と仮想敵を相手に技を繰り出すと、周囲の子供達が練習の手を止め驚いた表情になる。
そのまま素知らぬフリで型稽古を続け、最後に短槍をクルリと回転させ地面に突く。
「どうだ?」
突然、見た事もない型稽古を始めた儂の動きを目で追っていた青年は、唖然と立ち竦み声も出ない様子だった。
早くOKを貰いたい儂が無言で返事を促すと、漸く口を開き欲しい言葉をくれた。
「……君に槍の講習は必要ない。ギルドマスターの所に行こう」
青年は、その場にいた子供達へ練習を続けるように言ったあと、儂を連れギルドマスターの部屋へ案内した。
部屋の中には、眼光鋭い体格の良い老人が両肘をテーブルに載せ手を組んでいて、儂の姿を見た瞬間苦笑する。
「初日から面倒事か? 何があった」
「彼は、既に槍術を習得しているそうです」
青年が事情を話すと、ギルドマスターは小さく溜息を漏らす。
「受付嬢から聞いておる。シュウゲンとやら、皆と足並みを揃える気はないようじゃな。いいだろう、彼は特例扱いとする。しかし、何故ドワーフの国に……」
「特例扱いですか? ならばスキップ制度の使用許可を?」
「あぁ、そうせぬとF級冒険者では詐欺になろう」
「そうですか……。では、私は講習があるので失礼させて頂きます」
青年は腑に落ちないようだがギルドマスターに言われた手前、反論せず部屋から出ていった。
昨日、受付嬢から視線を感じたのは気の所為ではないらしい。
鑑定より上位の人物鑑定で、ステータスを見られたのだろう。
「さて、シュウゲン。お主には、ギルドマスターの権限でC級冒険者の資格を与えよう」
昨日、冒険者登録を済ませたばかりなのにC級冒険者だと?
言われた意味が理解出来ず、困ってしまう。
「あぁ、火の精霊の加護もあるようだから、とっととダンジョンを攻略して精霊との契約を結ぶように。明日からの講習は免除する。冒険者ギルドの2階に、ダンジョンに出現する魔物の詳細が書かれた書物があるからの。事前に調べて準備すれば問題なかろう。帰る前に受付嬢へ、C級冒険者のギルドカード申請を忘れないようにな」
尋ねる前に話をどんどん進められ、これ以上言う事はないと手を振られて部屋から追い出された。
ギルドマスターから言われた内容を鑑みるに、儂はC級冒険者の資格を与えらえダンジョン攻略が可能になったという事かの?
しかもパーティーを組む必要もないと判断されたようだ。
この町のダンジョンは地下10階までしかないが……。
どうして儂に特例が与えられたか不思議に思いつつ、時間が無駄にならずに済んだと割り切った。
言われた通り受付嬢にF級冒険者のギルドカードを渡し、C級冒険者と書かれたギルドカードを受け取る。
家へ帰る間、両親に何と説明しようか考えながら歩き出す。
スキップ制度をF級冒険者になったばかりの子供が受けるのは、普通じゃあり得ぬ事であろう。
大人しく、半年間の講習を受けた方がよかったか?
記憶が戻って3日目にし、難題を抱えてしまったようじゃ。
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お気に入り登録をして下さった方、いいねやエールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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テーブルの上に並んだ、スープとパンにステーキを見てがっかりする。
ドワーフの主食はパンのようで米がない。
しかも、このパンは硬く食感もぼそぼそとしたものであった。
あぁ、3食パンとは……。
塩のみの味付けも辛いが、米が食べられないのは非常に困る。
鑑定の能力で探す事は可能だろうか?
「シュウゲン、冒険者登録が済めば仕事が出来るわ。魔物討伐に必要な講習も受けられるから、明日受講するのよ」
にこにこと機嫌の良い母親に言われ、この歳でも金を稼ぐ手段があると気付く。
12歳まで育ててもらった恩を返すために、冒険者の仕事を受け家に金を入れよう。
父親は鍛冶職には就けず、鉱山で働いている。
この家の子供は儂1人だから、独り立ちするまで親孝行をせねばなるまい。
考えていた事を実行するまでは、まだ時間が掛かるだろう。
小夜……、もしこの世界にいるのなら儂が必ず見つけ出すから待っておれ。
「講習を受けてこよう」
果たして、実技の講習が役に立つかは分からぬが……。
武術を極めた儂が初心者の講習を受けるのは、退屈そうじゃな。
翌日、父親から贈られた短槍を持ち冒険者ギルドへ向かう。
ギルド内には、昨日冒険者登録をしたばかりの子供達が講習を受けるために集まっていた。
午前中は実技で、剣と槍の武器に分かれ講習担当者のあとに続きギルドの裏庭へ出る。
C級冒険者だという担当者は、槍術の基本を教えると言って型稽古を始めた。
突きと払いの動作を組み合わせた型稽古を覚えるまで、いくら魔物を倒しても槍術はステータス表記されないと聞き首を捻った。
確か昨日、既に槍術を習得した覚えがある。
ステータスを確認すると、やはり槍術Lv0の表示が見える。
これは、生前に槍を扱った経験が反映されているのかも知れん。
それなら、剣術も体術も一度魔物を倒しただけで習得出来そうだな。
冒険者ギルドが行う講習は半年間あり、国が講習料を負担しF級冒険者となった子供は誰でも無料で受けられる制度だ。
しかし、儂は時間を無駄にしたくない。
魔物の討伐にパーティーを組むのも面倒じゃ。
早々に講習を受ける必要はないと見切りをつけ、槍術の講師を呼んだ。
「教えてくれるところを済まぬが、槍術はもう覚えておる」
「えっ? 君は、まだ昨日儀式を受けたばかりだろう?」
C級冒険者の青年は子供の儂が言った言葉を信じられないのか、笑いながら頭を撫でてきおった。
子供が背伸びをしているように受け取られ思案する。
ふむ、実際に見せねば分からぬか……。
「見ておれ」
短槍を片手に持ち、大きく息を整え一歩踏み出した。
突き、払い、防御と仮想敵を相手に技を繰り出すと、周囲の子供達が練習の手を止め驚いた表情になる。
そのまま素知らぬフリで型稽古を続け、最後に短槍をクルリと回転させ地面に突く。
「どうだ?」
突然、見た事もない型稽古を始めた儂の動きを目で追っていた青年は、唖然と立ち竦み声も出ない様子だった。
早くOKを貰いたい儂が無言で返事を促すと、漸く口を開き欲しい言葉をくれた。
「……君に槍の講習は必要ない。ギルドマスターの所に行こう」
青年は、その場にいた子供達へ練習を続けるように言ったあと、儂を連れギルドマスターの部屋へ案内した。
部屋の中には、眼光鋭い体格の良い老人が両肘をテーブルに載せ手を組んでいて、儂の姿を見た瞬間苦笑する。
「初日から面倒事か? 何があった」
「彼は、既に槍術を習得しているそうです」
青年が事情を話すと、ギルドマスターは小さく溜息を漏らす。
「受付嬢から聞いておる。シュウゲンとやら、皆と足並みを揃える気はないようじゃな。いいだろう、彼は特例扱いとする。しかし、何故ドワーフの国に……」
「特例扱いですか? ならばスキップ制度の使用許可を?」
「あぁ、そうせぬとF級冒険者では詐欺になろう」
「そうですか……。では、私は講習があるので失礼させて頂きます」
青年は腑に落ちないようだがギルドマスターに言われた手前、反論せず部屋から出ていった。
昨日、受付嬢から視線を感じたのは気の所為ではないらしい。
鑑定より上位の人物鑑定で、ステータスを見られたのだろう。
「さて、シュウゲン。お主には、ギルドマスターの権限でC級冒険者の資格を与えよう」
昨日、冒険者登録を済ませたばかりなのにC級冒険者だと?
言われた意味が理解出来ず、困ってしまう。
「あぁ、火の精霊の加護もあるようだから、とっととダンジョンを攻略して精霊との契約を結ぶように。明日からの講習は免除する。冒険者ギルドの2階に、ダンジョンに出現する魔物の詳細が書かれた書物があるからの。事前に調べて準備すれば問題なかろう。帰る前に受付嬢へ、C級冒険者のギルドカード申請を忘れないようにな」
尋ねる前に話をどんどん進められ、これ以上言う事はないと手を振られて部屋から追い出された。
ギルドマスターから言われた内容を鑑みるに、儂はC級冒険者の資格を与えらえダンジョン攻略が可能になったという事かの?
しかもパーティーを組む必要もないと判断されたようだ。
この町のダンジョンは地下10階までしかないが……。
どうして儂に特例が与えられたか不思議に思いつつ、時間が無駄にならずに済んだと割り切った。
言われた通り受付嬢にF級冒険者のギルドカードを渡し、C級冒険者と書かれたギルドカードを受け取る。
家へ帰る間、両親に何と説明しようか考えながら歩き出す。
スキップ制度をF級冒険者になったばかりの子供が受けるのは、普通じゃあり得ぬ事であろう。
大人しく、半年間の講習を受けた方がよかったか?
記憶が戻って3日目にし、難題を抱えてしまったようじゃ。
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