時空魔術操縦士の冒険記

一色

文字の大きさ
25 / 175
1章魔戦操縦士学院

25話水神

しおりを挟む

突然眩い光が現れ、目を瞑り、開けると視界はマグマや黒い地面が一面にあった。
 それにしても熱い、焼けるような暑さだ。尋常ない汗が垂れる。
 俺はすかさず体から水の魔力を放出させ、暑さを和らげる。
 同様に連れて来られたカバーニは余裕の表情。

「なんか燃えるようや」

 実際カバーニの制服が若干焦げている。カバーニの肩に手を触れ、水の魔力を与える。
 熱さが和らぐカバーニ。

「おっすまんな」

「ああ」

 それにしても。

「魔戦闘技場にこんな場所あったのか」


「少し違うわ。魔戦闘技場の戦闘用ゲーム。本物の火山地帯に似せて作られたゲーム」

 確かに火山地帯にいることは光景、感覚から判断して明白だ。
 しかしこれがゲームだと。

「まさか死んだりするのか」

「まあ設定されたライフがゼロになったら魔戦闘技場に強制転送されるから心配ないわ」

 そういえば皆の頭の上にライフゲージがある。
 これがゼロになったらってことか。
 あれ。
 俺はマシュの制服姿の上半身に目が留まる。

「マシュすごい汗だぞ」

 マシュの汗が脇部分から次第に広がっていき、黒く滲み出し、白のブラウスから下着が透けて見え、スカートも尻に食い込んでる。
 平坦な白い砂地のような胸なので魅力的とは言えないが。
 マシュは顔を赤くしてドキッとし、胸元とお尻を隠す。

「はぁっ……何よこれ」

「当たり前だろ! この暑さだから」

「何じろじろ見てるわけ?」

「仕方ないだろ。マシュちゃんと喋ってんだから」

「ちゃんで呼ばないでと言ったでしょう!」

 怒って胸元を隠すの忘れてるぞ。

「マシュ……胸」

「はっ……あっち行っててよ」

「なぁ。俺の水の魔力持ってるから綺麗にしようか」

「あっちに行きなさいよ!!!」

 鋭い視線を向けるマシュ。
 だが、そんな雑談してる場合じゃないようだ。
 敵チームも遅れて来たようだ。
 ユイは登場して早々に笑みを浮かべる。

「ここはヘスティアちゃんにとっては有利なステージ。完全に勝ちは確定でやんす」

「そうかな……そうかな……ユイちゃん! マリアナちゃん! フフフ」

 ちゃんちゃんうるさいな。
 ヘスティアは魔戦を巨大サイズに具現化し、胸に手を当て、水の魔力を辺りに漂わせる。
 だがすぐ水は消えた。

「はぇへ?」

 ヘスティアは首を傾げ、次第に顔を紅潮させる。
 カバーニはその様子に笑いを吹き出す。

「ぷはっ。ハハハハハハ。だせぇ。あれだけ偉そうにしやがってさ、降伏しろだのなんやかんや言ってたくせによ」

 これはカバーニの意見に同意だ。
 魔戦の具現化に失敗したようだ。

「プハハハハハハ!!!」

 腹抱えて笑いすきだろお前。
 人の不幸を笑うのもいいが自分自身も笑われないようにしろよ。
 まあ敵のあの失態は俺も笑いたいくらいだ
 ヘスティアは落ち着きなく、あちらこちらに顔を向ける。

「どうしよ……どうしよ……どうしよ」

 ユイがヘスティアの手を取り、ぎゅっと握る。

「ヘスティア!! 落ちついてだよん」

「ユイちゃん!!」

 互いに見つめる視線と視線。
 さっきからこいつら仲良過ぎだろ。
 何のこの暖かいラブラブな二人だけの空間は。
 若干マリアナが蚊帳の外になってて可哀想だわ。
 ヘスティアは気を取り直して、胸に手を当て、具現化される。
【水女神《スイジン》】
 青色のフォルム。
 両手から絶えずに水の魔力が流れている。
 女神のような頭部。水に覆われる魅惑的な機体。
 体長10メートル。 重量15トン。
 最新型ブリティッシュ製。特殊専用型。主に魔術特化型。水の魔力限定。
 水の魔力を漂わせる。水は持続的に発生し、三人には暑さや汗が浄化させられる。
 水の魔力は消えずに、そのままを保っている。
 水の柱ができ、水の龍の形へ変わっていく。
 まるで水が意志を持っているかのように自由自在に動き回る。
 その魔術は『水龍《すいりゅう》』と呼ばれる。
 水による攻撃、防御を行う。強力な魔術。
 何て奴だ。これが一年生の魔術か。
 俺も水属性の魔力を持っているが、あれだけ水の魔力を使用する術は使えない。

「デュフフフ。降伏するなら今の内ですよ」

 そして、ヘスティア、俺に金玉がそれぞれ授けられる。

「ではスタート」と審判の声がする。

 カバーニは声を荒げ、拒否する。

「降伏なんてするか!」

「仕方ないですね。デュフフフ」

 ヘスティアの水の龍は空中をくねらせながら、優雅に俺ら三人に襲いかかってくる。
「ギャャャャャヤ!!!」と轟く水龍。
 カバーニは「うぁぁ。アルどうするんや」と怯える。
 本当にこいつは口だけだぜ、あれだけ勢い撒いて言ったのだから、自分で何とかしろって言ってやりたいが。
 このままでは三人とも水龍の餌食になり、ライフ0だぞ。
 マシュも焦りの表情。

「まずいわ……」

 マシュはスカートの中でMCを探る。
 また、パンチラショットが。
 カバーニなんてお前のパンツが食い込んだお尻を凝視しているぞ。


「仕方ない」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

異世界のんびり放浪記

立花アルト
ファンタジー
異世界に転移した少女リノは森でサバイバルしながら素材を集め、商人オルソンと出会って街アイゼルトヘ到着。 冒険者ギルドで登録と新人訓練を受け、採取や戦闘、魔法の基礎を学びながら生活準備を整え、街で道具を買い揃えつつ、次の冒険へ向けて動き始めた--。 よくある異世界転移?です。のんびり進む予定です。 小説家になろうにも投稿しています。

追放された『ただの浄化係』、実は国中の魔石を満たしていた精霊姫でした〜今さら戻れと言われても、隣国のイケメン皇帝が離してくれません〜

ハリネズミの肉球
ファンタジー
「おい、城の噴水が止まったぞ!?」 「街の井戸も空っぽです!」 無能な王太子による身勝手な婚約破棄。 そして不毛の砂漠が広がる隣国への追放。だが、愚かな奴らは知らなかった。主人公・ルリアが国境を越えた瞬間、祖国中の「水の魔石」がただの石ころに変わることを! ルリアは、触れるだけで無尽蔵に水魔力を作り出す『水精霊の愛し子』。 追放先の干ばつに苦しむ隣国で、彼女がその力を使えば……不毛の土地が瞬く間に黄金のオアシスへ大進化!? 優しいイケメン皇帝に溺愛されながら、ルリアは隣国を世界一の繁栄国家へと導いていく。 一方、水が完全に枯渇し大パニックに陥る祖国。 「ルリアを連れ戻せ!」と焦る王太子に待っていたのは、かつて見下していた隣国からの圧倒的な経済・水源制裁だった——! 今、最高にスカッとする大逆転劇が幕を開ける! ※本作品は、人工知能の生成する文章の力をお借りしつつも、最終的な仕上げにあたっては著者自身の手により丁寧な加筆・修正を施した作品です。

転生してもオタクはなおりません。

しゃもん
恋愛
 活字中毒者である山田花子は不幸なことに前世とは違いあまり裕福ではない母子家庭の子供に生まれた。お陰で前世とは違い本は彼女の家庭では贅沢品でありとてもホイホイと買えるようなものではなかった。とは言え、読みたいものは読みたいのだ。なんとか前世の知識を魔法に使って少ないお金を浮かしては本を買っていたがそれでも限界があった。溢れるほどの本に囲まれたい。そんな願望を抱いている時に、信じられないことに彼女の母が死んだと知らせが入り、いきなり自分の前に大金持ちの異母兄と実父が現れた。これ幸いに彼等に本が溢れていそうな学校に入れてもらうことになったのだがそこからが大変だった。モブな花子が自分の願望を叶えて、無事幸せを握り締めるまでの物語です。

異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~

存在証明
ファンタジー
不慮の事故によって異世界に転生したカイ。異世界でも家族に疎まれる日々を送るがある日赤い瞳の少年と出会ったことによって世界が一変する。突然街を襲ったスタンピードから2人で隣国まで逃れ、そこで冒険者となったカイ達は仲間を探して冒険者ライフ!のはずが…?! はたしてカイは運命をぶち壊して幸せを掴むことができるのか?! 火・金・日、投稿予定 投稿先『小説家になろう様』『アルファポリス様』

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

【完結】うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。

かの
ファンタジー
 孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。  ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

処理中です...