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1章魔戦操縦士学院
31話代償
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学校の魔戦闘技場へ向かって歩いていると、手を上げながらボサボサの金髪で白衣を着用した男が笑顔を向けていた。
Fクラスの担任であるタイターだ。
「カバーニは元気だったか?」
「ええ。元気でした」
「それを聞いてひと安心だ」
「で? ゲームに細工した犯人は分かったんですか?」
俺は目を細めながらタイター先生に問い掛ける。
先生は、腕を組み、一呼吸置く。
「犯人は特定した……」
押し黙る先生に痺れを切らしたマシュが真意を突こうと尋ねる。
「誰です?」
「Cクラスカルヴァン・アーサー、アシュリー・ヨメスらが指示し、幾人かの生徒の仕業だ」
「なら、その人達に何らかの処罰はくだされるのですか?」
「ああ。だが学校側はアーサー、ヨメスには何のお咎めはない」
目を細めマシュは反論する。
正義感溢れる眼差し。
「それはおかしくないですか? 首謀者が罰せられないのは……」
「そうですな」
「そうです!」
ロン、アイリスも頷き同調する。
だが、俺は頷かなかった。
なぜ両名が処罰されないか知っていた、このアーサーという名前に見に覚えがあった、また会ったことがあるのかもしれない。
「貴族連中から圧力がかかった。アーサーは有力な貴族でな、学校側は逆らえない」
「学校の大会に貴族が関与して良いのですか?」
「この国は有力な貴族によって成り立っている。従って学校側は従うしかない」
「仕方ないですな」
貴族という言葉が出た時点でこの国の人間は「Yes」と答えるしかない。
ロン、アイリス納得するしかなかった。
マシュは悔しさを露わにし、納得していないようだった。
タイター先生は俺の顔を向け、「お前が一番この中で理解してるか」と呟く。
カバーニの見舞いのために病院に行っている間に、団体戦一回戦第一試合Fクラス対Dクラス、一回戦第二試合Cクラス対Eクラス。
第一試合はFクラス棄権によるDクラスの不戦勝。
先程も言った通りカバーニの怪我により俺らFクラスは棄権を余儀なくされた。
第二試合では開始十分でCクラスのヨメスがEクラス代表者のライフをゼロにした。
俺と同じ土系統の属性の魔力を大規模に使用し、Eクラスの代表者が気づいた時には身体全身が土に埋められていたそうだ。
危うく死ぬところだったと。
決勝Dクラス棄権によるCクラスの不戦勝。
ヘスティアの体調不良によりDクラスは棄権を余儀無くされた。
準決勝Fクラス棄権によるEクラスの不戦勝。
カバーニの怪我のためFクラス棄権。
団体戦の順位 優勝Cクラス ニ位Dクラス 三位Eクラス
四位Fクラス。
当初予想されていた結果となった。
現時点でFクラスの退学が濃厚という学校側と生徒側での見方だ。
ならばFクラスは個人戦でいかにポイントを稼ぐかが重要となってくる。
絶対に退学は阻止なければならないのだ。
という訳で俺とアイリスで個人戦一回戦が行われる魔戦闘技場Bに来ていた。
一方マシュとロンは魔戦闘技場Cに向かっている。
また既に他の生徒の個人戦一回戦は行われている。
一回勝てばポイントが貰えるので、Fクラスの皆には是非とも取って欲しいが、そう簡単に上手くいく訳もない。
先程Fクラスの皆で今後について話し合いしようと思ったが、
不満の捌《は》け口はカバーニではなくマシュでもなく俺だった。
「どうせお前がカバーニの足を引っ張ったんだろうが!」
お前はDクラスとの試合絶対見てないだろ。
特に俺頑張ってたんですけど。
とか。
「アル君っていつも授業中とか一人でクスクス笑ってて気持ち悪いのよ……やめて」
それはこの大会とは何の関係もねぇだろうがよ。
そういう苦情は授業後にこっそり耳打ちしてくれよ。
このクソ女が。
「俺は入学当初からお前はいつかやらかすと思っていた!」
お前それいつも言ってんな。
「犯人は君だ!……21:00に就寝…0:00に突然コンビニでエッチな本を購入し……帰宅。0:00~2:00にエッチなDVDを鑑賞し……就寝していたことは分かっている!」
何で俺の昨日の行動を知ってんだ。
つーか犯人って何だ!
散々不平不満やトンチンカンな事を皆に言われた。
俺はそれに耐えてこうして個人戦に臨もうとしている。
自身のメンタルの強さに再認識した所だった。
いや少し傷ついているんですよ。こんなにクラスメートから嫌われてるとはね。
すると、アイリスが俺の背中をさすって慰めてくれる。
「アルは頑張っていましたよ。私は見てましたから」
「あ……ありがとう」
俺は悲しそう表情で、さらにアイリスの優しさに触れ、涙が出そうになる。
アイリスだけは俺の味方だ。
アイリスさえいればいい。
まあ、カバーニが一番可哀想であるのは確かだ、怪我をして、皆に迷惑を掛けていた少なからず責任を感じていた。
正直普段は自信過剰で嫌な奴だと思っていたが、あんな小さくなったカバーニを見るのは辛い。
ならば怒りの矛先がカバーニではなく、俺に向けられたのは案外良かったのかもしれない。
現在のカバーニにそんな不平不満の辛い言葉を耐えられるはずがないのだから。
次の試合があるということなので、アイリスは手を振って、その場から離れる。大会一日遅れたということで、試合日程が早めに組み込まれている。
そろそろ俺も向かわないとな。
Fクラスの担任であるタイターだ。
「カバーニは元気だったか?」
「ええ。元気でした」
「それを聞いてひと安心だ」
「で? ゲームに細工した犯人は分かったんですか?」
俺は目を細めながらタイター先生に問い掛ける。
先生は、腕を組み、一呼吸置く。
「犯人は特定した……」
押し黙る先生に痺れを切らしたマシュが真意を突こうと尋ねる。
「誰です?」
「Cクラスカルヴァン・アーサー、アシュリー・ヨメスらが指示し、幾人かの生徒の仕業だ」
「なら、その人達に何らかの処罰はくだされるのですか?」
「ああ。だが学校側はアーサー、ヨメスには何のお咎めはない」
目を細めマシュは反論する。
正義感溢れる眼差し。
「それはおかしくないですか? 首謀者が罰せられないのは……」
「そうですな」
「そうです!」
ロン、アイリスも頷き同調する。
だが、俺は頷かなかった。
なぜ両名が処罰されないか知っていた、このアーサーという名前に見に覚えがあった、また会ったことがあるのかもしれない。
「貴族連中から圧力がかかった。アーサーは有力な貴族でな、学校側は逆らえない」
「学校の大会に貴族が関与して良いのですか?」
「この国は有力な貴族によって成り立っている。従って学校側は従うしかない」
「仕方ないですな」
貴族という言葉が出た時点でこの国の人間は「Yes」と答えるしかない。
ロン、アイリス納得するしかなかった。
マシュは悔しさを露わにし、納得していないようだった。
タイター先生は俺の顔を向け、「お前が一番この中で理解してるか」と呟く。
カバーニの見舞いのために病院に行っている間に、団体戦一回戦第一試合Fクラス対Dクラス、一回戦第二試合Cクラス対Eクラス。
第一試合はFクラス棄権によるDクラスの不戦勝。
先程も言った通りカバーニの怪我により俺らFクラスは棄権を余儀なくされた。
第二試合では開始十分でCクラスのヨメスがEクラス代表者のライフをゼロにした。
俺と同じ土系統の属性の魔力を大規模に使用し、Eクラスの代表者が気づいた時には身体全身が土に埋められていたそうだ。
危うく死ぬところだったと。
決勝Dクラス棄権によるCクラスの不戦勝。
ヘスティアの体調不良によりDクラスは棄権を余儀無くされた。
準決勝Fクラス棄権によるEクラスの不戦勝。
カバーニの怪我のためFクラス棄権。
団体戦の順位 優勝Cクラス ニ位Dクラス 三位Eクラス
四位Fクラス。
当初予想されていた結果となった。
現時点でFクラスの退学が濃厚という学校側と生徒側での見方だ。
ならばFクラスは個人戦でいかにポイントを稼ぐかが重要となってくる。
絶対に退学は阻止なければならないのだ。
という訳で俺とアイリスで個人戦一回戦が行われる魔戦闘技場Bに来ていた。
一方マシュとロンは魔戦闘技場Cに向かっている。
また既に他の生徒の個人戦一回戦は行われている。
一回勝てばポイントが貰えるので、Fクラスの皆には是非とも取って欲しいが、そう簡単に上手くいく訳もない。
先程Fクラスの皆で今後について話し合いしようと思ったが、
不満の捌《は》け口はカバーニではなくマシュでもなく俺だった。
「どうせお前がカバーニの足を引っ張ったんだろうが!」
お前はDクラスとの試合絶対見てないだろ。
特に俺頑張ってたんですけど。
とか。
「アル君っていつも授業中とか一人でクスクス笑ってて気持ち悪いのよ……やめて」
それはこの大会とは何の関係もねぇだろうがよ。
そういう苦情は授業後にこっそり耳打ちしてくれよ。
このクソ女が。
「俺は入学当初からお前はいつかやらかすと思っていた!」
お前それいつも言ってんな。
「犯人は君だ!……21:00に就寝…0:00に突然コンビニでエッチな本を購入し……帰宅。0:00~2:00にエッチなDVDを鑑賞し……就寝していたことは分かっている!」
何で俺の昨日の行動を知ってんだ。
つーか犯人って何だ!
散々不平不満やトンチンカンな事を皆に言われた。
俺はそれに耐えてこうして個人戦に臨もうとしている。
自身のメンタルの強さに再認識した所だった。
いや少し傷ついているんですよ。こんなにクラスメートから嫌われてるとはね。
すると、アイリスが俺の背中をさすって慰めてくれる。
「アルは頑張っていましたよ。私は見てましたから」
「あ……ありがとう」
俺は悲しそう表情で、さらにアイリスの優しさに触れ、涙が出そうになる。
アイリスだけは俺の味方だ。
アイリスさえいればいい。
まあ、カバーニが一番可哀想であるのは確かだ、怪我をして、皆に迷惑を掛けていた少なからず責任を感じていた。
正直普段は自信過剰で嫌な奴だと思っていたが、あんな小さくなったカバーニを見るのは辛い。
ならば怒りの矛先がカバーニではなく、俺に向けられたのは案外良かったのかもしれない。
現在のカバーニにそんな不平不満の辛い言葉を耐えられるはずがないのだから。
次の試合があるということなので、アイリスは手を振って、その場から離れる。大会一日遅れたということで、試合日程が早めに組み込まれている。
そろそろ俺も向かわないとな。
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