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2章ダンジョンへ向かおう
19話死を呼ぶ覇鬼1
しおりを挟む白梟《ハウルク》の「ホウ~ホウ~ホウ~ホウ~」という鳴く音がする。
目を開け、起き上がるともう既に朝だった。
朝焼けのオレンジが海の水平線に見える。
まだ太陽は顔を出してないようだ。
「あっ」
一体の白梟《ハウルク》が空中から落下していくのが見えた。
俺は咄嗟に追いかける。
「!?」
くるくると空中を落下していく小さな鳥。
俺は優しく受け止め、小さな鳥の身体には傷があった。
矢で刺されたような傷痕だ。
「大丈夫か?」
「ホゥ……ホゥ……ホゥ」
弱っているようだ。
俺はMCから回復薬を出し、シューと鳥の傷にかけた。
びくっとする鳥。
次第に呼吸が正常に戻り、羽をバタバタと羽ばたかせ、飛び、空中で旋回する鳥。
お礼を言っているようだ。
「じゃあな!」
そして、ふと周りを見る。
リオラとアイリスが寝息を立てながら地面で横たわり、マシュは丸太に寝転んでいる。
結局、昨日夜空を見たまま寝ちゃったのか。
そうだ、確か朝じゃないと50階層に行けないからと猫のお姉さんが言ってたな。
海の満ち引きの関係とかなんとか。
俺はリオラとアイリスの身体を揺する。
リオラは何やら寝言を口にしながら、股間をもぞもぞする。
「ぁぁ……そこはやめてぇぇ……やぁん……はぁはぁ」
こいつどんな夢見てたんだよ。
「おい!! 起きろ!!」
はっとして、目をばっちりと開けるリオラ。
続いてアイリスも目をこすりながら起き上がる。
どうやら、マシュも俺の声に気づいたのか、丸太から立ち上がっていた。
さて、急いで出発だ。
*
50階層の大湿原に行くためには海に一回潜り込み、海路《かいろ》を通らなくてはいけない。
皆、大きく息を吸い込み、海へ飛び込んだ。
水中では水を掻きながら泳いで行き、岩場が行き先を示すように直線に続いていき、すると洞窟のような穴を見つける。
どうやらここが海路入口だろう。
リオラがこんな狭い所入れないと首を振っている。
俺は海路へ指差し行けの合図。
すると後ろから俺の尻に誰かが蹴りを入れる。
誰だよ。
それは口を尖らせた表情のマシュはお前が先に行けよの合図。
こいつ元気過ぎだろ、昨日まで弱ってたくせによ。
こんな女にバージョンアップするなら昨日のままのマシュで良かったわ。
願わくば再度弱れマシュ。
そして、俺が先頭切った。
海路の入った瞬間、渦に飲み込まれ、身体中に水が入り、ぐるぐると目が回る。
これからどこへ……。
目覚めるとそこは緑の草原と海水が湧き上がった湿地帯だった。
水鳥が水面に嘴《くちばし》を何度となく突き、広がる波紋。
水鳥は俺達に気づいたのか空へ逃げ出していく。
ふと、声がして後ろを振り返ると、そこには鎧を纏った兵士らがいた。
兵士らは向こうにある山や湿地帯を良く観察しながら、話し合っている。そこから怒鳴り声が聞こえた。
「役に立たずが!!」
一人の兵士が水溜まりに吹き飛ばされ、他の兵士らに緊張が走り、固まる。
そして兵士は赤い閃光を胸に当てられ、動かなくなった。
アイリスが目を細め、「酷い」
マシュが「とにかく行ってみましょう」
俺達は怯えながらも、歩み寄っていく。
すると、ある兵士に両手を広げ止められる。
「君達何の用だ? ここはエドワード伯爵《はくしゃく》が調査中だぞ」
「幻神鳳凰《ホウオウ》捕獲依頼の為にここに来たのですが……」
「おっ……そうか……これはこれはすまない……」
「いえ」
「では早速だが、この辺りで捜索にあたってくれ」
「はい」
そして、横柄な声がする。
「誰だあいつらは?」
「はっ……クエスト志願者です」
「ここに連れて来い」
そして、俺達はエドワード伯爵の元へ連れられた。
豪奢な椅子に鎮座する男。四角いだらしない顔。茶色の口髭。
目は大きく、口はハの字。老いぼれた犬のようでもある。
裕福そうな、いやどこかいやらしさも感じる。
エドワード伯爵は蔑《さげす》むような目で俺達を見る。
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