時空魔術操縦士の冒険記

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2章ダンジョンへ向かおう

地獄絵図2

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「アルくぅーん!!!!」

「今行くわ!!」

「助けます!!」


 アイリスとマシュは即座に魔戦を巨大サイズに具現化し、グレイラドグルカと蒼幻影で接近する。
 俺はボロボロになりながら、必死で叫ぶ。

「来るな!!!!」

「アル!! もうやめなさい!!」

「もういいです!! 私達がやりますから」

「構うな」
 
 その瞬間、俺の視界は血の光景に染まる。
 グレイラドグルカと蒼幻影の背後に覇鬼がいた。
 何故そこにいる。
 瞬間移動したようにそこにいた。
 覇鬼は笑みを浮かべて、棍棒を湿地に刺し、がら空きになった両手で2機のグレーと青の装甲の頭部を握り、潰した。
 その殺戮音には骨が砕ける音と悲鳴が短く聞こえた。  

「ガシャン!!!!」

 そこから覇鬼の独壇場だった。
 仕留めとばかりに二機の装甲の背中に乗り上げ、踏み潰していく。
 湿地に押しつぶされるニ機。
 破壊。破壊。破壊。
 破壊し尽くす。
 踏む度に血飛沫が空中に散布する。
 俺は目を見開いて叫ぶ。  

「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


 そして、覇鬼は赤い両眼を見渡し、逃げようとしたエドワード伯爵と何体かの灰色の魔戦を見つけ、即座に跳ぶ。
 エドワード伯爵は狼狽《ろうばい》する。
 覇鬼が目の前に。

「貴様止めろ! 余は上位貴族ぞ!!!!」

 瞬間、覇鬼は右拳でエドワード伯爵を上から下へと垂直に降ろし、潰した。

「ああああああああああああ!!!!」


 そして、覇鬼は殺戮の衝動を晴らすかのように、身体全身から闇のオーラを放つ。

 『闇域《サタン》』
 周辺一帯を闇のオーラで破壊する。
 この時、闇を浴びた敵は光属性以外の魔術は使用不可能。
  
 山や湿地や水は一瞬で黒く染まり、崩壊し、全員の兵士らは黒く染まり、その場に横たわる。
 俺は何も出来ず、その場でその光景を呆然と見ていた。
 リオラは?
 その場に立っていたはずの金髪の少女は黒く焼け焦げ、地面に突っ伏していた。 

「リオラ!!!!」

 反応がない。そこは焼け野原の惨状だった。
 全てが闇に染まった世界。
 俺は涙を溢れさせながら、出鱈目に魔力を覇鬼へと放つ。

「土蜘蛛!! 土揺れ!! 雷神!! 絶対零度!!」


 だが、魔術は一旦は大きくなった後、すぐ消えた。
 覇鬼の能力で魔術は使えないのだ。
 増幅する憎しみ。

「てめぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 その瞬間、シルバディウスで急発進し、覇鬼の頭上へ跳ぶ。
 上を見上げて嗤《わら》う覇鬼。
 赤い巨眼。
 覇鬼は右手を伸ばし、シルバディウスの喉元を突き刺した。
 ぐちゃぐちゃと生々しい音がする。
 声が出せない。
 そして、覇鬼はシルバディウスの首を掴み、締め上げる。
 痛み。苦しい。
 それから覇鬼は左手でシルバディウスの胸を貫いた。
 血飛沫が空中を染め上げる。
 俺は薄れゆく意識の中、完全に死んだと悟った。
 そして、覇鬼は獲物が死んだ事が分かると即座に右側へ投げ捨てた。
 咆哮する覇鬼。

「アアアアアアアアアアアァァァァァァ!!!!」


 
 
 
 
 
 
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