時空魔術操縦士の冒険記

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2章ダンジョンへ向かおう

世界的犯罪者1

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   病気で床に伏せたお父さんと、妹のセレナ、エマの三人家族で小さな借家に暮らしているそうだ。
 俺とアイリスは家へ上がらせてもらった。
 玄関を開けるとすぐそこにキッチンとテーブルがあった。
 その奥、右側にそれぞれ部屋がある、白い壁と緑の装飾。
 綺麗なのは綺麗だが、生活をしているような家ではない。
 キッチンにはただコーヒー機とコーヒー豆がキッチンにあるだけだった。
 エマはショートカットの髪を両耳に掛け、座るように促す。

「どうぞ座ってください」

「あ、ありがとう」

 すると、アイリスが目をぱちくりさせ、エマに問い掛ける。

「お父さんと妹さんはどこにいるんですか?」

「……」

 エマはアイリスに一切返事すらせず、コーヒーをカップに注いでいる。
 アイリスは困ったように俺と見交わす。
 俺は咳払いし、エマに問い掛ける。

「エマ?」

 エマはにっこりと笑い、首を傾げて、俺を魅入る。
 先程のアイリスの問い掛けは無かったかのような顔だ。

「アルさん? どうかなさいました?」

「お父さんや妹さんは?」

「二階で父さんは床に伏せていますよ……セレナは友達の家でお泊まりなのでいませんよ……もう少しでコーヒーができますからしばしお待ちになってください」

「そうだったんだ……静かだったから気になってさ」

「アルさん……他のお友達はいるの?」

「いや……」

「いるんだったら……ぜひお会いしたいです」

「あっそうだな……あとさこのララナ村の人々何か変じゃないか?」

 エマはトレイに乗せたコーヒーを持ってきた。

「……確かに変というか怯えておりますね」

「……そうか」

 丁寧にコーヒー入りのコップをテーブルに置いていく。
 俺は更に問い掛けようとしたが、コーヒーが2つしかないことに気づいた。
 俺とエマの分しかなかった。
 どうやらエマはアイリスをいないかのように扱っている。
 なぜそんな事をする。
 俺はアイリスの方を見る、アイリスは笑顔で頷いた。
 家に上がらせてもらってるのに文句を言うのは気が引けるな。
 済まないなアイリス。
 そして、エマは正面に座って頬杖をつき、俺だけを見据える。
 彼女をずっと見つめていると緑の瞳に吸い込まれそうだ。
 蛇の尻尾に引きずり込まれるように。

「この村では大量殺人事件が起こったんです……それは人々に残虐、恐怖、衝撃を与えた……ふふふ……とても恐ろしかった……全身がぞくぞくしてきて……頭がどうにかなりそうだった」

 エマは不気味な笑顔を向けた。
 息を呑んだ。
 彼女があまりにも恐ろしい顔をしたからだ。
 コーヒーを取る手が震えてきた。

「……」

「そして、その殺人犯は今も生きていているらしく……だから皆怯えています……」

「……」

 ふと、アイリスを見るとぐったりとテーブルに突っ伏していた。
 顔が赤い、尋常ない汗が垂れ、可愛らしい服が汗でびっしょりだ。
 俺は驚き、問い掛ける。

「どうしたアイリス?」

「気分が悪くて……」

 俺はアイリスのおでこを手で触ると熱い。
 熱があるな。
 すると、エマが立ち上がり後ろの奥の部屋の灯りをつける。
 そして、「このベット使ってください」と先程の表情とは違い、優しい笑顔を向ける。
 俺は頷き、アイリスを抱えてベットに寝かせた。
 エマが「最近ララナ村で風邪が流行っているから、すぐ近くに病院があるから連れて行ったらよろしいのでは?」
「そうだな」
 すると、【MC】から連絡が入った。

「アル! 対象人物を発見したガァ! 今すぐ来るガァ……地図は今送信ガァ」

「ああ……分かった」

 まいったな。
 アイリスはどうしようか。
 連れてはいけないな。
 すると、エマが「エマが見ときますのでアイリスさんは大丈夫です……行ってください」

「じゃ頼む」

「あら……ゴミがありますよ」

 エマが俺に近づいて、肩にあるゴミをふぅーと取ってくれた。
 柔らかい胸が当たり、俺は離れ、扉をすぐさま開けた。

「じゃ行ってくる」
 
        

 そして、俺は地図通りにロペスらが隠れている場所へと向かった。
 一直線の通りを真っ直ぐ進むと右側には大きな酒場があった。
 入口からは明かりが漏れて、ガヤガヤと賑わっていた。
 左側の建物と建物の隙間からひそひそ声が聞こえる。
 俺は覗いて見ると黒い布被った三人がいた。
 先頭にマシュが俺を見て、目を丸くして、声を漏らす。

「わぁ」

「きゃぁ!!」

「しっーーーー! マシュ!」

「おぉアルガァ……来たガァ」

「ちょっとびっくりさせないでよ」

「アル君? 本当だっ!! 会いたかったよっ!!」

 リオラが俺に抱きつく。
 胸の柔らかさを感じ、女の子の香りがする。
 マシュが口を尖らせる。
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