時空魔術操縦士の冒険記

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2章ダンジョンへ向かおう

世界的犯罪者4

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「エキドナなぜ魔戦に具現化せんガァ?」

「具現化しなくて倒せるわ」

「ワレガァを舐めほうガァいいぞ!!!!」

 俺はエキドナとロペスが闘っている間にエマとアイリスの元へ。

「大丈夫か?」

「あっ……アルさん……」

「何も言うな」

 そして、すぐさま二人を、マシュとリオラに任せる。
 エマとアイリスはぐったりとしていた。
 ふと周りを見るとオレンジ色に染まる灼熱の炎だ。
 地獄の炎の中。
 そして、家々は全焼していく。
 建物がボワッとガガガガガガという音と共に炎に飲み込まれ、このままいけばララナ村の全体が炎の海となってしまう。
 悲鳴や呻き声が聞こえ、聞くのが耐えられない。
 住民を助けたいが、人手が足りないのだ。
 しかしまずはエキドナを倒さなければならない。
 俺が走り出そうとした瞬間、全焼を免れた右側の家の扉から一人の奇怪な仮面の者が出てくる。

「ギィィィィィィィィ!!!!!!!」

 カラフルなシルクハットの帽子を被り、顔には仮面つけた者。
 首もとに包帯が巻かれ、背は2メートルはある。

「!?」

 こいつはオオモモンガさんの家に侵入した時の、そして酒場で殺した奴だ。
 なぜここに。
 赤い双眸を光らせ、周りの炎を見渡し、両手を広げ、両手の中指で上に指した。
 ニヤリと笑い、金歯が光り、口を開く。

「面白いザス!! ワタクシも参戦したいザス!! ザマザマザマザマザマ!!!! ザマス!!!!」

 一斉にその者に注目が集まる。
 ロペスと戦闘を繰り広げるエキドナは後退し、その者に声を掛ける。
 ロペスは驚いた表情で停止した。

「遅いじゃないか……ジョーカー」

「誰ガァ!!!!」

 その者は仮面を外し、返答した。

「済まないザマス!! 申し訳ないと思ってませんザマス!! ザマス!! エキドナ!!!!!!! ザマァァァァァァ!!!!」

 仮面を外した瞬間、俺達は恐怖で顔が歪んだ。
 ロペスは口を大きく開けて、手をレバーから離した。

「おまんは世界大罪人の一人殺戮のジャックザ・リッパー……Jorker……」

「ピンポン!! ピンポン!! ピンポン!! ご名答ザス!! ワタクシがジャックザリッパーザマス!!」

 包帯で巻かれた首、しゃくれた顎、顔の真ん中には縦線の縫い目がある。赤い目はぎょろっとし、離れている。
 ペンキで塗られたような白い顔、目の下には隈があり、酷く窪んでいる。
 額にはザスと書かれている。
 ニヤニヤ笑い、金歯が光る。
 
 こいつは俺でも知っている。
 はっきり言ってエキドナよりたちの悪い犯罪者だ。
 俺なんかが手に負える相手じゃない、こいつは一国すら潰せる程の奴だ。
 何万人もの人殺してきた奴だ。殺戮者。奇怪人。忌々しき殺人鬼。呪われた怪人。
 俺は恐怖で足が竦んだ。
 ロペスが叫ぶ。

「アル!! お嬢ちゃん達をはよ連れて、逃げろガァ!! これはワレガァが負える相手じゃねガァ!!」

「ロペスさんはどうするんですか!?」

「死ぬまでやるガァ!」

「そうですか……マシュ!! ここから早く逃げろ!!」

 俺はマシュらに向き直る。
 マシュは険しい表情で呟いた。
 アル達を残して逃げる罪悪感と葛藤しているかのようだった。

「でも……」

 俺は声を荒げ、強く促す。

「逃げろ!!」

「分かったわ」

 そして、マシュらは逃げて行った。
 そして、俺は殺人鬼ジャックザ・リッパーを見据え、赤い双眸が微笑む。
 ロペスは叫ぶ。

「アル!!」

「戦います!!」


  「死んでも知らんガァ!!!!」

 どうやらエキドナは左側の民家の屋根へ。

「……エキドナ!! 逃げるガァ!!!!」


 すぐさま重戦車は発進し、追いかける。
 一方、俺の相手は目の前の怪人だ。
 ジャックザ・リッパーだ。
 
 ジャックザ・リッパーは包帯で巻かれた首を左右に動かし、赤黒緑のハットは不気味に揺れ、人形のような身体は縦に硬直しながら、左右に揺れている。
 赤い目玉を左右上下に目玉をギョロギョロとくるくるさせ、不気味に笑い、大声を張り上げる。

「ワタシクシと闘うのザスカ? ヒィヒィヒィヒィ……どうみても子供……弱者、底辺、奴隷、クズ、馬鹿、汚物、ゴミ……ザマァァァァァァァァァ!!!!!」

「うるさいな……お前」

 俺は睨む。
 すると、犬顔の親子がこちらにやってきた。
 お母さんがこの状況を見た瞬間、顔をこわばらせ、怯える。
 男の子がぎょっとする。
 すぐさま、親子は元来た道を戻った。
 刹那。
 ジョーカーはその親子の後ろから追いかける。
 変な走り方で、前面に腕を広げて、スキップしながら、追いかけ、一歩一歩が大きく、長い棒が歩いているようだ。

「逃げるなザス!! 逃げるなザス!! 逃げるなザス!!!!」

 犬顔の子供の服を後ろから掴み、何なく持ち上げて、ジョーカーは男の子の顔を覗き込む。
 男の子は鼻水や涙を垂れ流した、絶望の表情。
 包帯の口から舌を突き出し、ベロベロと動かし、目玉は右へ左へ回転させ、見据える。
 見据えたら、不気味に笑い、ペンキで塗られたような白い肌に皺が入る。
 ザスという文字が男の子の目に映えた。

「ヒィィヒァァバロァバロァ?……弱っ……弱者弱者弱者……ザスザスザス!!!!」

「あっ……うぅ……ぁぁぁだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 泣き喚き抵抗する男の子。
 母親はその場から倒れて、足を挫き、そして、地面を這うようにして一人で逃げていた。
 子供の事など考えていなかった。
 ただ、怪人から逃げたかったからだ。
 残酷な光景。
 笑うジョーカー。

「ヒィヒィヒィヒィヒィヒィヒィ……ヒィ……声を上げ過ぎたら……喉がザスした」

 なんとか逃げる男の子。
 だが、ジョーカーは再度男の子を首を掴み。
 再度、男の子の顔を覗き込む。

「残念ザシタ~!!!!!!!」

「!?」

 ジョーカーの顔に絶望の表情をする男の子は白目を向いて、泡を吹き出して、気絶した。
 高く笑うジョーカー。

「キャァキャァキャァキャァキャァキャァ!!!!!」

 

 

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