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2章ダンジョンへ向かおう
超大型異世界神
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「またお前かよ……アイリスをまだ付け回しているのかよ」
「ははは……もうしていないよ。きっぱりアイリスは諦めたよ。だがしかし、あの麗しい金髪の少女に一目惚れをした」
「そうかよ」
「君のお仲間だよ」
「え? だったらリオラしかいないだろ?」
「この国に来ているのかな? 会いたいよ僕は。はははは」
「じゃあな?」
「待ってくれ」
「なんだよ」
「エキドナの件はご苦労だった。おかげで有益な情報を獲得できたよ。それにもしかしたら大事な部下であるロペスが死んでいたかもしれない。愛していたアイリスもだ。礼を言わせてもらうよ……ありがとう」
シャルマンは真剣な眼差しで、胸に手を当て、頭を下げた。
金眼からは嘘は感じられなかった。
「ああ」
「それなりの報酬はちゃんと入金されたはずだね?」
「ああ」
そして、シャルマンは咳を鳴らす。
「また依頼を頼みたい」
「無理だ」
「頼むよ? 君しか頼めないんだよ?」
「俺がやらなければならない筋合いはない」
「確かにね……ところで君? 珍しい生物を飼っているんだね? おや? もしや? カナブンバッタじゃないか?」
「何か知ってるのか?」
「その超大型異世界神から採集できる液体があるんだけど。偶然にもその液体はカナブンバッタを進化させることができるんだ」
「おおっ!!」
「やるかい?」
「やる!!」
俺は即座に承諾。
ミユミユはくんくんと頷いた。
シャルマンは、「さて、出発しようか」
「早過ぎるだろ!」
「既に牛車を待たせてある」
「ああ。なら、仕方ないか」
「正直言って今回かなり危険だから…‥お仲間は外して、君だけの参加とするよ」
「まあ、それもそうだ」
「他ギルドから強者のゴットハンターも参加しているから……命の危険までには及ばないと思うけどね」
*
そして、70階層からGルートを馬車で進み、200階層まで進む。
一般に1階層から199階層は下層、200階層から499階層までが中層、500階層以上が上層や神層と呼ばれる。
既に何個かの牛車は発車していた。
シャルマンが俺に牛車に乗るように促す。
馬が二頭を率いて、大きな車輪の上に六人乗りの箱が備わっている。
俺は乗り込む。
すると、そこには白髪白髭の紳士な老人と閉じた左目に傷がある、髪の毛の汚い犬の男がいた。
「デオデオさんとロペスさん」
デオデオはにっこりと頷く。
ロペスは煙管を吹かして、手を挙げる。
「アルも来たガァか? おっ? 今日は一人ガァ?」
「はい。今回は危険ですからねぇ。まだあいつらには早いと思いまして」
「確かにガァ。今回はきついガァな」
険しい表情をするロペス。
俺は座席へ座る。
そして、ゆっくりと馬車は動き出した。
デオデオは指を立てながら、朗らかに話をする。
「今回の依頼は200階層に住む超大型異世界神です。200階層は下層と中層を結ぶ大事な拠点。当初は難しくはないと判断していましだが、ここで中層へ上がる多くの新人ゴットハンターの犠牲者が多発しましてね。よって危険度Sランクと評価し、大事な討伐となったのです。だから、十強神団《アルカディアス》が直々に出征する事になったのです」
「その対象物は?」
俺は恐る恐る問い掛ける。
デオデオは怖い表情をする。
「覇山嵐《ヤマアラシ》です」
「え? 待ってくださいよ! 昔は確か上層にいた異世界神ですよね? なぜ中層に?」
「年々に隠れたルートから下層に下がって来ているのでぇす。我々は色々と手を尽くしていたのでぇすがね、事情があり思い切った決断は出来ずに今までおりました。でぇすが今回やっと討伐をする事ができるようになりました。嬉しい限りでぇす」
「そうですか」
突然、ガガガガガガガと馬車が揺れる。
「なんだガァ?」
「なんだ?」
そして、うぁぁぁぁという悲鳴やガキガギガギガギという破壊音が聞こえる。
「ヤマアラシが接近中!!!! 今すぐ退避!! 退避!! うぁぁぁぁぁ!!!!」
すぐさま馬車から降りる。
すると、目の前には体長は1000メートルはあろうか巨大な山があった。
亀が山を背負った生物、爬虫類のような黒鱗が四脚。
黒い焦げた顔と赤い目玉、大きな口。
四足歩行で緑の山を動かし、長い尻尾から針を広げている。
レベル400。
【覇山嵐《ヤマアラシ》】。
「ははは……もうしていないよ。きっぱりアイリスは諦めたよ。だがしかし、あの麗しい金髪の少女に一目惚れをした」
「そうかよ」
「君のお仲間だよ」
「え? だったらリオラしかいないだろ?」
「この国に来ているのかな? 会いたいよ僕は。はははは」
「じゃあな?」
「待ってくれ」
「なんだよ」
「エキドナの件はご苦労だった。おかげで有益な情報を獲得できたよ。それにもしかしたら大事な部下であるロペスが死んでいたかもしれない。愛していたアイリスもだ。礼を言わせてもらうよ……ありがとう」
シャルマンは真剣な眼差しで、胸に手を当て、頭を下げた。
金眼からは嘘は感じられなかった。
「ああ」
「それなりの報酬はちゃんと入金されたはずだね?」
「ああ」
そして、シャルマンは咳を鳴らす。
「また依頼を頼みたい」
「無理だ」
「頼むよ? 君しか頼めないんだよ?」
「俺がやらなければならない筋合いはない」
「確かにね……ところで君? 珍しい生物を飼っているんだね? おや? もしや? カナブンバッタじゃないか?」
「何か知ってるのか?」
「その超大型異世界神から採集できる液体があるんだけど。偶然にもその液体はカナブンバッタを進化させることができるんだ」
「おおっ!!」
「やるかい?」
「やる!!」
俺は即座に承諾。
ミユミユはくんくんと頷いた。
シャルマンは、「さて、出発しようか」
「早過ぎるだろ!」
「既に牛車を待たせてある」
「ああ。なら、仕方ないか」
「正直言って今回かなり危険だから…‥お仲間は外して、君だけの参加とするよ」
「まあ、それもそうだ」
「他ギルドから強者のゴットハンターも参加しているから……命の危険までには及ばないと思うけどね」
*
そして、70階層からGルートを馬車で進み、200階層まで進む。
一般に1階層から199階層は下層、200階層から499階層までが中層、500階層以上が上層や神層と呼ばれる。
既に何個かの牛車は発車していた。
シャルマンが俺に牛車に乗るように促す。
馬が二頭を率いて、大きな車輪の上に六人乗りの箱が備わっている。
俺は乗り込む。
すると、そこには白髪白髭の紳士な老人と閉じた左目に傷がある、髪の毛の汚い犬の男がいた。
「デオデオさんとロペスさん」
デオデオはにっこりと頷く。
ロペスは煙管を吹かして、手を挙げる。
「アルも来たガァか? おっ? 今日は一人ガァ?」
「はい。今回は危険ですからねぇ。まだあいつらには早いと思いまして」
「確かにガァ。今回はきついガァな」
険しい表情をするロペス。
俺は座席へ座る。
そして、ゆっくりと馬車は動き出した。
デオデオは指を立てながら、朗らかに話をする。
「今回の依頼は200階層に住む超大型異世界神です。200階層は下層と中層を結ぶ大事な拠点。当初は難しくはないと判断していましだが、ここで中層へ上がる多くの新人ゴットハンターの犠牲者が多発しましてね。よって危険度Sランクと評価し、大事な討伐となったのです。だから、十強神団《アルカディアス》が直々に出征する事になったのです」
「その対象物は?」
俺は恐る恐る問い掛ける。
デオデオは怖い表情をする。
「覇山嵐《ヤマアラシ》です」
「え? 待ってくださいよ! 昔は確か上層にいた異世界神ですよね? なぜ中層に?」
「年々に隠れたルートから下層に下がって来ているのでぇす。我々は色々と手を尽くしていたのでぇすがね、事情があり思い切った決断は出来ずに今までおりました。でぇすが今回やっと討伐をする事ができるようになりました。嬉しい限りでぇす」
「そうですか」
突然、ガガガガガガガと馬車が揺れる。
「なんだガァ?」
「なんだ?」
そして、うぁぁぁぁという悲鳴やガキガギガギガギという破壊音が聞こえる。
「ヤマアラシが接近中!!!! 今すぐ退避!! 退避!! うぁぁぁぁぁ!!!!」
すぐさま馬車から降りる。
すると、目の前には体長は1000メートルはあろうか巨大な山があった。
亀が山を背負った生物、爬虫類のような黒鱗が四脚。
黒い焦げた顔と赤い目玉、大きな口。
四足歩行で緑の山を動かし、長い尻尾から針を広げている。
レベル400。
【覇山嵐《ヤマアラシ》】。
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