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2章ダンジョンへ向かおう
嵐の序章
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「大変だったわね」
「ああ……みんな無事が幸いだ」
「しかし、最近魔女エキドナや世界的殺人鬼、そして今回の世界的暗殺者シリウスが頻繁に現れるのっておかしくないですか?」
「俺も疑問に思っていた所だ……ララナ村は炎で焼かれ壊滅したしな……この国だって危ない」
マシュは腕を組み、険しい表情でテーブルを見つめ,アイリスも不安げな様子。
ミユミユはリオラの膝でぐっすりと寝入り、リオ良はうとうと眠たげな様子。
カバーニは食堂で何やらまた喧嘩している。
再度マシュ、アイリスに顔を向ける。
「とにかくみんな用心するように……」
「分かってるわ」
「はい」
カナブンバッタも俺の肩にいて八の字を描く。
何やら納得したようだ。
そして、客も部屋や宿泊施設に戻っていく。
さて、夜も遅い、寝よう。
*
夜空に黄金の満月が浮かび、雲は一切なく誠に美しい。
デイドナ王国は活動を止め、完全停止。
明かりは魔法石で輝く王城や一部の民家や屋敷だ。
それ以外は闇。漆黒の闇は静寂の静けさとなっていた。
国民はいつものように寝床につき、夢の中だ。
突然、馬や犬や猫やドラゴンが鳴き声を上げ、不安げな顔で奇怪な音を発する。
周りの広大な密林も草木も過剰に揺れている。
一番高い塔に三人の影が映える。
赤髪のショートカットの透き通るような白い肌の女。
緑の両眼が輝く。
暗いローブを纏う魔女エキドナ。
口を黒マスクで覆い、オールバックの銀髪、真っ黒い眼球。
黒の忍者装束を纏う世界的暗殺者シリウス。
真ん中に立つのが巨大な怪人はカラフルなハットを被り、濃い白い粉を顔に塗り、真ん中には糸で繋いだような縦線、包帯で巻かれた首としゃくれた顎。
赤い目玉に、目の下は大きな窪《くぼ》み、額にはザスの文字。
奇怪に笑う殺人鬼ジャックザ・リッパー。
「ドウスルキダ? ジャック?」
「デイドナ王国は破壊するザス……悲鳴に満ちた叫び声が聞こえてくると興奮するザスヨ……キャァキャァキャァキャア」
「キモチワルイヤツダ」
「褒め言葉ザスカ? ザスザスザスカ?」
「私これが終わったら抜けていいかしら?」
エキドナの一言にピリッと険しい表情をするジャック。
そこにシリウスが口を挿む。
「エキドナ……ヤメテオケ……ソシキヲヌケタラ……イッショウ……ワシラニオワレルゾ……コロスマデナ」
エキドナは無表情で小さく笑った。
「冗談よ」
「ナラヨイガ」
目を瞑るシリウス。
ジャックはその言葉を聞いて安堵したのか、機嫌良く笑う。
「ヒィヒィヒィヒィヒィ……ついに来ましたよザスヨ……モンスター達がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!! ザスザスザスザス!!!! ザマス!!!!」
「ああ……みんな無事が幸いだ」
「しかし、最近魔女エキドナや世界的殺人鬼、そして今回の世界的暗殺者シリウスが頻繁に現れるのっておかしくないですか?」
「俺も疑問に思っていた所だ……ララナ村は炎で焼かれ壊滅したしな……この国だって危ない」
マシュは腕を組み、険しい表情でテーブルを見つめ,アイリスも不安げな様子。
ミユミユはリオラの膝でぐっすりと寝入り、リオ良はうとうと眠たげな様子。
カバーニは食堂で何やらまた喧嘩している。
再度マシュ、アイリスに顔を向ける。
「とにかくみんな用心するように……」
「分かってるわ」
「はい」
カナブンバッタも俺の肩にいて八の字を描く。
何やら納得したようだ。
そして、客も部屋や宿泊施設に戻っていく。
さて、夜も遅い、寝よう。
*
夜空に黄金の満月が浮かび、雲は一切なく誠に美しい。
デイドナ王国は活動を止め、完全停止。
明かりは魔法石で輝く王城や一部の民家や屋敷だ。
それ以外は闇。漆黒の闇は静寂の静けさとなっていた。
国民はいつものように寝床につき、夢の中だ。
突然、馬や犬や猫やドラゴンが鳴き声を上げ、不安げな顔で奇怪な音を発する。
周りの広大な密林も草木も過剰に揺れている。
一番高い塔に三人の影が映える。
赤髪のショートカットの透き通るような白い肌の女。
緑の両眼が輝く。
暗いローブを纏う魔女エキドナ。
口を黒マスクで覆い、オールバックの銀髪、真っ黒い眼球。
黒の忍者装束を纏う世界的暗殺者シリウス。
真ん中に立つのが巨大な怪人はカラフルなハットを被り、濃い白い粉を顔に塗り、真ん中には糸で繋いだような縦線、包帯で巻かれた首としゃくれた顎。
赤い目玉に、目の下は大きな窪《くぼ》み、額にはザスの文字。
奇怪に笑う殺人鬼ジャックザ・リッパー。
「ドウスルキダ? ジャック?」
「デイドナ王国は破壊するザス……悲鳴に満ちた叫び声が聞こえてくると興奮するザスヨ……キャァキャァキャァキャア」
「キモチワルイヤツダ」
「褒め言葉ザスカ? ザスザスザスカ?」
「私これが終わったら抜けていいかしら?」
エキドナの一言にピリッと険しい表情をするジャック。
そこにシリウスが口を挿む。
「エキドナ……ヤメテオケ……ソシキヲヌケタラ……イッショウ……ワシラニオワレルゾ……コロスマデナ」
エキドナは無表情で小さく笑った。
「冗談よ」
「ナラヨイガ」
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ジャックはその言葉を聞いて安堵したのか、機嫌良く笑う。
「ヒィヒィヒィヒィヒィ……ついに来ましたよザスヨ……モンスター達がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!! ザスザスザスザス!!!! ザマス!!!!」
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