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1章魔獣になりましょう
49話見知らぬ村
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妖精の棲む森から東に抜けると、広大な草原と傾斜のなだらかな山々がある羊村がそこにあった。
羊族が住居としているのは藁で建てた小さな家が川の近くに多く並んでいる。
質素な三角の屋根が裕福な村ではないということを示す。
やがて、ギラギラとした太陽を曇の一群が隠し続け、ゴロゴロと怒りの雷を鳴らし、雨を地上へ降らした。
ぽつぽつとした雨粒は次第に激しい大雨となり、遊んでいた羊の子供達はすぐさま愛する家族の元へと帰っていく。
その大雨はますます激しくなるばかり、土砂に大量の水分が含み、赤土が剥げ、地面は汚くなっていく。
そこに大きな雲人間が俯せに倒れていた。救いを求めようと声を出すが届かず、動こうとするも激痛が襲い再び気絶する。
一方、皆は気味悪がって、助けようとはせず、家へすぐさま帰って行った。
いや、気味悪い者いれば、大半が何かに怯えているようだった。
化け物を見たように逃げ去っていく。
痛い。痛い。アタマカラにはただ激痛が永遠に続く、誰かの助けを求めようと、周囲を見渡す。
しかし、誰もいない。
冷たい雨の大粒の雫が目にびしゃと掛けられ、拒否される。
「たす……」
すると、
「大丈夫ですか?」
優しい声の主が目の前に立っていた。大きな葉を持つ蓮の花を持ち、雨を凌ぐ、白い服を身につけた羊の女。
どこかで会ったような、見覚えのある顔だ。
一瞬、動揺し、再度じっと見るが、目が霞んで良く見えず、結局、意識を失った。
優しい顔が映え、次第にぼやけて、暗くなった。
それから、ただ、心地良い雨音が永遠に聞こえてきた。
羊族が住居としているのは藁で建てた小さな家が川の近くに多く並んでいる。
質素な三角の屋根が裕福な村ではないということを示す。
やがて、ギラギラとした太陽を曇の一群が隠し続け、ゴロゴロと怒りの雷を鳴らし、雨を地上へ降らした。
ぽつぽつとした雨粒は次第に激しい大雨となり、遊んでいた羊の子供達はすぐさま愛する家族の元へと帰っていく。
その大雨はますます激しくなるばかり、土砂に大量の水分が含み、赤土が剥げ、地面は汚くなっていく。
そこに大きな雲人間が俯せに倒れていた。救いを求めようと声を出すが届かず、動こうとするも激痛が襲い再び気絶する。
一方、皆は気味悪がって、助けようとはせず、家へすぐさま帰って行った。
いや、気味悪い者いれば、大半が何かに怯えているようだった。
化け物を見たように逃げ去っていく。
痛い。痛い。アタマカラにはただ激痛が永遠に続く、誰かの助けを求めようと、周囲を見渡す。
しかし、誰もいない。
冷たい雨の大粒の雫が目にびしゃと掛けられ、拒否される。
「たす……」
すると、
「大丈夫ですか?」
優しい声の主が目の前に立っていた。大きな葉を持つ蓮の花を持ち、雨を凌ぐ、白い服を身につけた羊の女。
どこかで会ったような、見覚えのある顔だ。
一瞬、動揺し、再度じっと見るが、目が霞んで良く見えず、結局、意識を失った。
優しい顔が映え、次第にぼやけて、暗くなった。
それから、ただ、心地良い雨音が永遠に聞こえてきた。
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