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閑話(フェルとクリス)
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ソウテツから早便が届いた
クリスが大事ならお前が迎えに来い とだけ書かれてる
テオがいない間 私はロクのところへ行くので ここには帰って来ませんよ
と城を離れたのは二週間前
城の仕事はどうする と聞けば
テオの屋敷に持ってくるように話はしてあります
国の宰相としてそれでいいのか
テオの屋敷とここはそれほど離れていないと思いますが
何かあった場合には帰って来ます
何かなければ帰ってこないのか
フン と横を向く
「フェル わがまま言わないで テオに頼まれたんだ
ロクを守ってほしいって あいつが私に頭下げたんだ
フェルだって テオに頭下げられてら何をおいても行くでしょ」
「・・・・」
「テオの大切なもの守ってあげたい わかるでしょ」
やさしくキスをされる こうなれば俺の負け
「わかったよ 気を付けてな 今はおとなしいが
いざなぎが何を考えてるのか わからないからな」
「気を付けます あなたも気を付けてくださいね」
「ああ」
返事と共に 首に口付けを落とす
「あっ・・・見える場所はダメだと言ったはずです」
「俺の印」
「もう 印をつけなくても あなたのものですよ」
深く深く口づけを交わす
ローブをまとい フードを深くかぶる
馬でテオの屋敷に向かう
玄関でソウテツが迎えてくれる
この屋敷こんなに暗かったか
「ソウテツ 何があった」
「ロクが調子が悪くてな」
ソウテツも厳しい顔をしている
「ソウテツ 何があった」
もう一度聞いた
ため息をついて ソウテツは話してくれた
街であった事 そして
ロクが自分で足の腱を切った事
タイミングが悪かっただけなんだ
クリスが話しかけられて 少し目を離した
ロクがナイフを隠し持ってるなんて 誰も思わなかった
薬で眠っていると思っていたのに ナイフで
自分の足を切った それをクリスが見つけた
クリスがロクの前から 離れない
食べることも休む事もしないで ロクのそばにいる
このままじゃ クリスも壊れる
「悪いが連れて帰ってくれるか」ソウテツが申し訳なさそうに言う
「ロクは大丈夫か?」
「ああ あの状態から帰ってきたんだ またすぐに元気になる」
「そうか それならいいんだが 元気になってもらわないと クリスがいつまでもグズグズ言いそうだ」
クリスはロクのベットの横のイスに座っていた
「クリス」とやさしく声をかける
クリスはロクから目を離さない
「・・・・・」
「大丈夫 ロクは強い子だから きっと元気になる お前も少し休もう」
背中に手をやる 優しくなでる
「でも・・・」
「大丈夫 テオも帰ってくる だから安心して」
肩を抱いてやる
「・・・で・・も」
「大丈夫」
「フェル ロクを助けてあげて」
クリスの倒れる体を受け止める
抱き上げて 廊下に出るとソウテツがいた
「連れて帰るぞ」
「ああ しっかり休ませてやれ」
「テオに 文句は俺が聞くと言っておいてくれ」
城の奥深くにある 俺たちの居住区
俺とクリスティーナの場所
ゆっくりと寝室へ向かう
基本的にはここへはごくわずか人しか入れていない
クリスは私は王妃ではないので 仕えてもらう必要はありません
とここに入る時の条件として一番に言われた
自分たちの事は自分でしたいです と父と母に進言し
父も母も 愚息をよろしくと納得してくれた
「フェル様」わずかな使用人の中で 俺の乳母でもあったハルが後ろから声をかけてきた
「こんな夜中に外出とは あまり褒められたものではありませんね」
こんな夜中なのに 長い髪をきれいに一つにまとめて 立っている姿は昔から変わらない
声をかけられて スッと姿勢がよくなる自分が少し情けない
「ソウテツに呼ばれた クリスが少し体調を崩したようだ」
ハルが寝室のドアを開けてくれる ベットに寝かせて首筋をさわる
思わず チィッと鳴らしてしまう
「ハル 悪いが医者を呼んでくれるか ソウテツは今手を離せないからダイジロウを呼べ」
「かしこまりました 他には?」
「テオの屋敷にいるソウテツに早便を こちらで対応するから心配するなと伝えろ」
「少し熱が高いようですが 疲労によるものだと思われます
ゆっくりおやすみになれば回復されるかと思われます」
「熱が続くようであれば また申し付けください」
「はい」とクリスが返事をする
「クリス様 心配なのはわかりますが ご自分の体を壊してまで心配されては ロクも怒りますよ」
「また 明日にでも様子見に来ますね」とダイジロウは部屋を出た
「悪いな こんな時間に呼び出して」帰り支度をしている ダイジロウに声をかける
「父から連絡が入っていたので 準備しておりました」
ダイジロウは ソウテツとハルの息子で 俺の乳兄弟でもある かわいい弟である
「いつも 犠牲になるのは立場の弱いものばかりですね
ロクも国の犠牲になり ロクを押した子の父も国の犠牲になりました
これ以上 つらい思いをすることのないようにしていただきたいものです」
「・・・・・」
「すいません 生意気な事言いました」と頭を下げて部屋を出ていくダイジロウを呼び止める
「見てろよダイ 俺がこの連鎖を止めてやるからな これ以上の犠牲が出ないように
悲しみの連鎖がとまるようにしてやる だから見てろよ」
「・・・・頼んだよフェル兄さん それができる人だと俺たちは思ってる
そのために俺たち兄弟は兄さんの側にいる 頼んだよ兄さん」
「ああ 任せておけ トクジロウも頼んだぞ」
「ああ」姿は見えないが声だけが聞こえた もう一人大切な兄だ
「まずは クリスに元気になってもわわないとな」とクリスの元へ急いだ
二人が相変わらず クリス大好きじゃん と笑っていた
クリスが大事ならお前が迎えに来い とだけ書かれてる
テオがいない間 私はロクのところへ行くので ここには帰って来ませんよ
と城を離れたのは二週間前
城の仕事はどうする と聞けば
テオの屋敷に持ってくるように話はしてあります
国の宰相としてそれでいいのか
テオの屋敷とここはそれほど離れていないと思いますが
何かあった場合には帰って来ます
何かなければ帰ってこないのか
フン と横を向く
「フェル わがまま言わないで テオに頼まれたんだ
ロクを守ってほしいって あいつが私に頭下げたんだ
フェルだって テオに頭下げられてら何をおいても行くでしょ」
「・・・・」
「テオの大切なもの守ってあげたい わかるでしょ」
やさしくキスをされる こうなれば俺の負け
「わかったよ 気を付けてな 今はおとなしいが
いざなぎが何を考えてるのか わからないからな」
「気を付けます あなたも気を付けてくださいね」
「ああ」
返事と共に 首に口付けを落とす
「あっ・・・見える場所はダメだと言ったはずです」
「俺の印」
「もう 印をつけなくても あなたのものですよ」
深く深く口づけを交わす
ローブをまとい フードを深くかぶる
馬でテオの屋敷に向かう
玄関でソウテツが迎えてくれる
この屋敷こんなに暗かったか
「ソウテツ 何があった」
「ロクが調子が悪くてな」
ソウテツも厳しい顔をしている
「ソウテツ 何があった」
もう一度聞いた
ため息をついて ソウテツは話してくれた
街であった事 そして
ロクが自分で足の腱を切った事
タイミングが悪かっただけなんだ
クリスが話しかけられて 少し目を離した
ロクがナイフを隠し持ってるなんて 誰も思わなかった
薬で眠っていると思っていたのに ナイフで
自分の足を切った それをクリスが見つけた
クリスがロクの前から 離れない
食べることも休む事もしないで ロクのそばにいる
このままじゃ クリスも壊れる
「悪いが連れて帰ってくれるか」ソウテツが申し訳なさそうに言う
「ロクは大丈夫か?」
「ああ あの状態から帰ってきたんだ またすぐに元気になる」
「そうか それならいいんだが 元気になってもらわないと クリスがいつまでもグズグズ言いそうだ」
クリスはロクのベットの横のイスに座っていた
「クリス」とやさしく声をかける
クリスはロクから目を離さない
「・・・・・」
「大丈夫 ロクは強い子だから きっと元気になる お前も少し休もう」
背中に手をやる 優しくなでる
「でも・・・」
「大丈夫 テオも帰ってくる だから安心して」
肩を抱いてやる
「・・・で・・も」
「大丈夫」
「フェル ロクを助けてあげて」
クリスの倒れる体を受け止める
抱き上げて 廊下に出るとソウテツがいた
「連れて帰るぞ」
「ああ しっかり休ませてやれ」
「テオに 文句は俺が聞くと言っておいてくれ」
城の奥深くにある 俺たちの居住区
俺とクリスティーナの場所
ゆっくりと寝室へ向かう
基本的にはここへはごくわずか人しか入れていない
クリスは私は王妃ではないので 仕えてもらう必要はありません
とここに入る時の条件として一番に言われた
自分たちの事は自分でしたいです と父と母に進言し
父も母も 愚息をよろしくと納得してくれた
「フェル様」わずかな使用人の中で 俺の乳母でもあったハルが後ろから声をかけてきた
「こんな夜中に外出とは あまり褒められたものではありませんね」
こんな夜中なのに 長い髪をきれいに一つにまとめて 立っている姿は昔から変わらない
声をかけられて スッと姿勢がよくなる自分が少し情けない
「ソウテツに呼ばれた クリスが少し体調を崩したようだ」
ハルが寝室のドアを開けてくれる ベットに寝かせて首筋をさわる
思わず チィッと鳴らしてしまう
「ハル 悪いが医者を呼んでくれるか ソウテツは今手を離せないからダイジロウを呼べ」
「かしこまりました 他には?」
「テオの屋敷にいるソウテツに早便を こちらで対応するから心配するなと伝えろ」
「少し熱が高いようですが 疲労によるものだと思われます
ゆっくりおやすみになれば回復されるかと思われます」
「熱が続くようであれば また申し付けください」
「はい」とクリスが返事をする
「クリス様 心配なのはわかりますが ご自分の体を壊してまで心配されては ロクも怒りますよ」
「また 明日にでも様子見に来ますね」とダイジロウは部屋を出た
「悪いな こんな時間に呼び出して」帰り支度をしている ダイジロウに声をかける
「父から連絡が入っていたので 準備しておりました」
ダイジロウは ソウテツとハルの息子で 俺の乳兄弟でもある かわいい弟である
「いつも 犠牲になるのは立場の弱いものばかりですね
ロクも国の犠牲になり ロクを押した子の父も国の犠牲になりました
これ以上 つらい思いをすることのないようにしていただきたいものです」
「・・・・・」
「すいません 生意気な事言いました」と頭を下げて部屋を出ていくダイジロウを呼び止める
「見てろよダイ 俺がこの連鎖を止めてやるからな これ以上の犠牲が出ないように
悲しみの連鎖がとまるようにしてやる だから見てろよ」
「・・・・頼んだよフェル兄さん それができる人だと俺たちは思ってる
そのために俺たち兄弟は兄さんの側にいる 頼んだよ兄さん」
「ああ 任せておけ トクジロウも頼んだぞ」
「ああ」姿は見えないが声だけが聞こえた もう一人大切な兄だ
「まずは クリスに元気になってもわわないとな」とクリスの元へ急いだ
二人が相変わらず クリス大好きじゃん と笑っていた
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