自称異世界最強浪人のチーター達と万屋始めました

チーター達にとって地震はおまけの様です

えまーじぇんしー

 町の中は阿鼻叫喚の渦が巻き起こっていた。
 人は逃げ惑い、子供は泣き叫び、街のチーターや魔女達ですら、
「うわぁぁぁあー！」
 とか、
「キャー！」
 とか言って騒いでいるそれらに対して俺ら男組は、
「結構揺れるね？」
「そだな。震度5ぐらいあんじゃね？」
「本当に揺れた。お前らマジか。」
「あの人達もこんな気持ちだったのかなぁ。」
「しっ！それは言ってはいけません！」
 女組に抱きつかれ落ちてくるレンガや瓦などから身を守っているなか、そんな余裕のある会話をしていた。

 そして地震が収まると、
「な、何で創也達は平気なの？」
「そりゃ何回も経験したら慣れるよ。俺達はの元住んでいた国は結構いつでも揺れてたぞ？」
「いつでもじゃ無いでしょうに。」
 とそんなことを話した。
 こいつらの国って大変なんだな。
 と思っていると、
「よしじゃあ、揺れが収まったことだしとっとと避難するか。おい、お前らそこに座ってないで立て。」
 と創也が言った。
「お、おい、もう揺れは収まったんだし帰ってもいいんじゃねぇの？」
「はぁ？ああ、まだ揺れるぞ？」
 

マジか。


「っつーわけで、避難します。」
「はい。」
「てな訳でさっさと立て。」
「…………創也。さっきの地震で腰が砕けて立てません……………。」
「マジか。」
「マジです。」
 創也が他の魔女達を見ると皆んなコクコクと頷いた。



…………………………。




「ちょっと創也！何で僕はおんぶなの！？」
「うっさい！文句があるなら自分で歩け！」
「僕にもお姫様抱っこしてよー！」
「うっせー！」
 俺達は女組をおんぶしたりお姫様抱っこしたりして中央公園まで避難していた。
 
勿論俺には、
「自分は今猛烈に情けないっす………。」
 リアと、
「変な事しようとすると貴方の首が体から離れますわよ？」
 と物騒なことを言うメネヴィアを文字どうり、おんぶに抱っこ状態で歩いていた。
 他の男どもも同じ様な状態だった。
 
 疾也は、
「すまんのう、わざわざ。」
 ヨウ姐を、

 造也は、
「ふぅ、悪いわねぇ？」
 セ姐を、

 料也は、
「このままぁ、ホテルまでぇゴウトゥーインしましょうぅ。」
 フィーナを、

 そして創也は、
「こ、こら！暴れるな！」
「シルヴィー！変わってよー！」
「ダメ！ここは僕の場所なの！」
 ノエルとシルヴィを、
 それぞれ面倒を見ていた。

 法也は落ちて来るレンガやや瓦などを防ぐためだれも背負ったりしていない。

「のお、疾也？妾は魔女なのじゃ。」
「……………うむ。」
「そなたが妾をおぶって何を考えてるか当てて見せようか？」
「……………結構着痩せするのだなと。」
 そう言った疾也に無言で首を絞めるヨウ姐をなだめる事暫く、俺達は中央公園に着いた。
 そこには既に結構な数の住民が避難していた。
 しかし俺達の様に落ち着いているものは居らずパニックとなっていた。そこに創也は魔女達を地面に降ろした後、
「はいはい、みなさん落ち着いて。こう言う時は甘～いお菓子でもどうぞ。」
 と言って何かお菓子を渡し始めた。
「おい。何でそんなの持ってきてんだよ。」
「こー言う時は甘～いお菓子がよく効くんだよ。」
 と、ふざけた調子でいった。
「おい。」
「いやマジで。」
 そうこう言っていると俺達の方に城の兵士達がやってきて、
「貴方が避難させてくれたのですか！？」
「はい。」
 俺達はここに来る途中見かけた人達に声を掛け一緒に避難した来たのだが、気が付けばその区画の全員を避難誘導していたのであった。
「ありがとうございます！」
 そして、
「あっ！万屋の方達ではないですか！」
 店の常連さんがちらほら。
 そんなこんなしていると、

「た、大変です！！」
「どうした？」
  創也と話していた隊長と思われる人の所に部下と思われる人が走って来て、
「東西南北全ての位置から魔物の大群がこっちに向かって押し寄せて来てるんです！！」

 イッツアエマージェンシー！