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チーター達は有給休暇を取るようです
フロンティア
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惑星クロノスの都市『セントピア』の真裏に位置する惑星の四割を占める広大な大陸『フロンティア』。
そこには手付かずのままの状態の資源、自然、などなどが溢れており、まさしく『フロンティア』と呼ぶに相応しい大陸である。
そして、今日もまた一人の冒険者がターゲットを狙っていた。
「へへへ、やっと見つけたぜ、『黄金卵』!」
黄金卵、密林地帯の林冠に位置する怪鳥の巣にある卵。
殻は高値で取引されており、中身はそれこそ、「の全身が輝き出すほど美味しい』らしい。
「さーて、今は親鳥もいないしとっとと取るか」
そう言って冒険者は木から木へと飛び移り、巣に到着した。
「うむ、ここでのお約束は取っている間に親鳥が帰ってくる。と言うのだが、俺はそんなドジは踏まない。何故なら………」
あのー。
「はい?」
それじゃあ貴方の後ろにいるのは?
「ん?……………ちちち、ちょいま」
『ガブッ!』
そう言って頭から怒った親鳥に綺麗にかじられているのは、生きている年数に物を言わせてレベルを上げまくったトップランカーが一人『天野 創也』であった。
「………!ヤバいって!ちょっとー!ヘルプミー!」
「「もー、仕方ないなー」」
そう言って影から現れたのは、ここ最近創也と一緒にいるのを見かける期待のエース。
「早く早く!シルヴィ!ノエル!いだだだだ!」
シルヴィとノエルである。
「もー、創也がめっちゃくちゃうまいもん食わせてやる!って言うから期待したのに結局これ?」
「怪鳥さん!ごめんねー!」
ドカッ!
『キェェェーーー!』
と、親鳥は創也を離した。
「よーし!お前らトンズラするぞー!」
「「はーい」」
親鳥が攻撃で怯んでいる隙に、創也達はスタコラサッサと逃げ出すのであった。
「全く!酷い目にあったぜ!」
「「……………」」
「えーと、なんかすいませんね?」
「「はぁ」」
創也達はギルドに戻って来てクエストの納品物を渡した。
そして現在、ギルドの一角のテーブルでグダッているのであった。
「で?そのめっちゃくちゃ美味しいやつってのは?」
「うんうん」
シルヴィは胡散臭そうな物を見る目で創也を見た。
「……何だか最近俺の扱い雑じゃない?」
「あぁ?」
「何でもないです!」
と、このように最近舐められっぱなしの創也さんなのであった。
「そ、そうだな!それは俺の隠れ家で作ってやるよ!」
「へぇ?じゃあ行きましょうか?創也の隠れ家に」
「おう、じゃあ行くかシャル……………シャル!?」
「いっちょ死んどきなさい!」
ドゴォ!
「おっふぅ」
創也はそんな間抜けな声をかけて出しながら落ちて逝った。
「あら?そこにいるのは泥棒猫魔女じゃないですか?」
「あれー?何でここに創也に何回も負けてる負け犬駄女神がいるのかな~?」
バチバチバチバチ
と、二人の間に電流が流れた。
「創也との逃避行楽しかったですか?」
「うん!きみと違ってボクは創也に愛されてるからね!」
「創也が貴女を愛している?何をバカなことを、創也はとうの昔に私に愛を誓っているのですよ」
「あはははは」
「うふふふふ」
「…………」
「…………」
ドガバカドッカーン!
と、二人は全力で喧嘩を始めた。
「つんつーん」
「うん、ノエル?」
気が付いた創也がノエルを抱えながらそそくさとその場から退場するのに気付かない二人を尻目に、冒険者達はまた会話を再開するのだった。
「このバーカ!」
「バカって言った方がバカよ!」
「なんだってー!」
「「キーーー!」」
「あー、恐ろし」
その後疲労によってぶっ倒れた二人の内、シャルはギルドに預け、シルヴィは創也の隠れ家に移されたのだった。
「………うん?いい匂い」
「おう、起きたか?もう直ぐでできるからちょっと待ちな」
創也はそう言って卵を割って親子丼を作っていた。
「…………よし!出来た!食べてみな」
ゴトン、とシルヴィとノエルの前に出されたボリュームタップリの黄金丼は見るからに美味しそうであった。
「「頂きまーす!」」
もう待ちきれんとばかりに掻き込んでモグモグとしばらく食べていると。
「「お、美味しい!」」
と、さらにリスみたいに頬張って食べるのであった。
それを創也は微笑みながら創也も黄金丼を食べているのであった。
ここは『フロンティア』万人にチャンスが与えられる、夢のような場所。
悪魔であれ、天使であれ、人であれ、神であれ、そこに行けばゼロから始まる。
能力、家名、出身、性別、年齢、などなど関係なく全て等しくチャンスを掴むことができる大陸。
そこには、この星の真骨頂があり、そして…………。
この星のマスターである天野兄弟の、いや。
創也の秘密が、過去が、後悔が、隠されているかのだった。
「シェーン…………。まだ少し掛かりそうだわ。まだ待っていてくれるか?」
創也は一人周りに誰もいない暗い空間中にポツンと浮かぶ、人が入ったポッドに向かってそう言うのだった。
「全く、最近のアニメとかラノベでも見ない三流ファンタジーみたいになって来たなー、ちくしょう」
そうして創也は悪態をついてそのポッドの前を後にするのだった。
「ガスター………テメェは一体どこに居る?」
そこには手付かずのままの状態の資源、自然、などなどが溢れており、まさしく『フロンティア』と呼ぶに相応しい大陸である。
そして、今日もまた一人の冒険者がターゲットを狙っていた。
「へへへ、やっと見つけたぜ、『黄金卵』!」
黄金卵、密林地帯の林冠に位置する怪鳥の巣にある卵。
殻は高値で取引されており、中身はそれこそ、「の全身が輝き出すほど美味しい』らしい。
「さーて、今は親鳥もいないしとっとと取るか」
そう言って冒険者は木から木へと飛び移り、巣に到着した。
「うむ、ここでのお約束は取っている間に親鳥が帰ってくる。と言うのだが、俺はそんなドジは踏まない。何故なら………」
あのー。
「はい?」
それじゃあ貴方の後ろにいるのは?
「ん?……………ちちち、ちょいま」
『ガブッ!』
そう言って頭から怒った親鳥に綺麗にかじられているのは、生きている年数に物を言わせてレベルを上げまくったトップランカーが一人『天野 創也』であった。
「………!ヤバいって!ちょっとー!ヘルプミー!」
「「もー、仕方ないなー」」
そう言って影から現れたのは、ここ最近創也と一緒にいるのを見かける期待のエース。
「早く早く!シルヴィ!ノエル!いだだだだ!」
シルヴィとノエルである。
「もー、創也がめっちゃくちゃうまいもん食わせてやる!って言うから期待したのに結局これ?」
「怪鳥さん!ごめんねー!」
ドカッ!
『キェェェーーー!』
と、親鳥は創也を離した。
「よーし!お前らトンズラするぞー!」
「「はーい」」
親鳥が攻撃で怯んでいる隙に、創也達はスタコラサッサと逃げ出すのであった。
「全く!酷い目にあったぜ!」
「「……………」」
「えーと、なんかすいませんね?」
「「はぁ」」
創也達はギルドに戻って来てクエストの納品物を渡した。
そして現在、ギルドの一角のテーブルでグダッているのであった。
「で?そのめっちゃくちゃ美味しいやつってのは?」
「うんうん」
シルヴィは胡散臭そうな物を見る目で創也を見た。
「……何だか最近俺の扱い雑じゃない?」
「あぁ?」
「何でもないです!」
と、このように最近舐められっぱなしの創也さんなのであった。
「そ、そうだな!それは俺の隠れ家で作ってやるよ!」
「へぇ?じゃあ行きましょうか?創也の隠れ家に」
「おう、じゃあ行くかシャル……………シャル!?」
「いっちょ死んどきなさい!」
ドゴォ!
「おっふぅ」
創也はそんな間抜けな声をかけて出しながら落ちて逝った。
「あら?そこにいるのは泥棒猫魔女じゃないですか?」
「あれー?何でここに創也に何回も負けてる負け犬駄女神がいるのかな~?」
バチバチバチバチ
と、二人の間に電流が流れた。
「創也との逃避行楽しかったですか?」
「うん!きみと違ってボクは創也に愛されてるからね!」
「創也が貴女を愛している?何をバカなことを、創也はとうの昔に私に愛を誓っているのですよ」
「あはははは」
「うふふふふ」
「…………」
「…………」
ドガバカドッカーン!
と、二人は全力で喧嘩を始めた。
「つんつーん」
「うん、ノエル?」
気が付いた創也がノエルを抱えながらそそくさとその場から退場するのに気付かない二人を尻目に、冒険者達はまた会話を再開するのだった。
「このバーカ!」
「バカって言った方がバカよ!」
「なんだってー!」
「「キーーー!」」
「あー、恐ろし」
その後疲労によってぶっ倒れた二人の内、シャルはギルドに預け、シルヴィは創也の隠れ家に移されたのだった。
「………うん?いい匂い」
「おう、起きたか?もう直ぐでできるからちょっと待ちな」
創也はそう言って卵を割って親子丼を作っていた。
「…………よし!出来た!食べてみな」
ゴトン、とシルヴィとノエルの前に出されたボリュームタップリの黄金丼は見るからに美味しそうであった。
「「頂きまーす!」」
もう待ちきれんとばかりに掻き込んでモグモグとしばらく食べていると。
「「お、美味しい!」」
と、さらにリスみたいに頬張って食べるのであった。
それを創也は微笑みながら創也も黄金丼を食べているのであった。
ここは『フロンティア』万人にチャンスが与えられる、夢のような場所。
悪魔であれ、天使であれ、人であれ、神であれ、そこに行けばゼロから始まる。
能力、家名、出身、性別、年齢、などなど関係なく全て等しくチャンスを掴むことができる大陸。
そこには、この星の真骨頂があり、そして…………。
この星のマスターである天野兄弟の、いや。
創也の秘密が、過去が、後悔が、隠されているかのだった。
「シェーン…………。まだ少し掛かりそうだわ。まだ待っていてくれるか?」
創也は一人周りに誰もいない暗い空間中にポツンと浮かぶ、人が入ったポッドに向かってそう言うのだった。
「全く、最近のアニメとかラノベでも見ない三流ファンタジーみたいになって来たなー、ちくしょう」
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