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025 ポポの里防衛戦。閉幕!
しおりを挟む愛妹カノンの指笛。
御年七歳の美幼女の招聘に応じたマオウ。適当にサルどもを蹴散らし防衛戦に加勢。
流れをいっきに引き寄せ、里側の勝利を決定づけるなり、「ヒヒン」とひと鳴き。
悠然と自分の住処がある南の草原へと帰っていった。
遠ざかる引き締まった臀部が月光を受けて黒光り。
それはもう、惚れぼれするほどに美しかった。
◇
一連の戦闘を勇者のつるぎミヤビに乗って、里の上空から眺めていたわたし。
いや、わたしだってずっとぼんやりしていたわけじゃないよ。ミヤビを駆って活躍したよ。それなりにがんばったよ。
けれどもあのマオウの暴れっぷりを前にしたら、恥ずかしくってとても誇れやしないよ。
「あの子がマオウに気に入られていたのは知ってたけれども、まさかあそこまでの仲に発展していようとは」
「さすがはチヨコ母さまの妹君だけのことがありますわ」
「うんうん。お姉ちゃんはたいそう鼻が高い……っと、感心ばかりもしていられないよ。逃げ出したサルどもの行方を見届けないと」
ミヤビにお願いして里の周辺をぐるりとまわって、状況を確認。
すでに戦闘は終了しており、事後処理が始まっている。
飛んでいるこちらに気がついて、地上から手を振る里人たち。その中にはホランやサンタの姿もあった。
みんなの無事を確認しつつ、サルどもの動向を探る。
とはいっても、おおよその予想はついていたので月下にもかかわらず、すぐに発見!
サルたちが「キーキー」喚きながら逃走経路として選んだのは、里の東方面。
じつは事前の協議にて、あらかじめ東側だけは手薄にしておいたのだ。
この布陣を知ったとき、ホランなんかはしたり顔にて「なるほど。あえて逃げ道を用意しておくことで、敵が死兵となるのを防ぐ狙いか」とうなづいていたけれども、それは甘い。モンゲエの甘酢漬けよりも甘すぎる。
辺境の人間が敵に情けなんぞかけるものか。禍根を見逃せば、いずれさらなる災厄を招きかねない。
前にも言ったけど、雑草は根こそぎが基本だからね。
横着をすると、結局はあとで自分がしんどい思いをすることになるんだから。
二度手間を防ぐための手段がこの布陣。
里の東には青々とした見事な竹林が広がっている。
そこはポポの里四天王にして、最大の脅威ともっぱらの評判である、環境破壊王タケノコさんの支配領域。植物系の銀禍獣であるタケノコさんは、自分の土地を荒らす存在を許さない。
わたしらが竹林の恩恵を分けてもらうときには、立ち入る前にパンパン手を叩いて、二礼二拍手一礼が基本。あと季節ごとのお供え物も欠かさない。里伝統のにょきにょき音頭も捧げる。
うちのキヨスケじいちゃんも生前によく言っていたものだよ。
「えらくなるほど実った穂のごとく首を垂れろと言うが、アレはウソじゃ。頭なんぞいくら下げてもタダなんじゃから、じゃんじゃん垂れろ。ケチケチすんな」と。
先祖伝来の媚びへつらいの末に築かれた良好な関係。
そこまで気をつかう相手の家に、見知らぬ他人が大挙して土足で押しかけたら、どうなるのかなんて深く考えるまでもないよね。
◇
月下の竹林。
逃げ込むようにして入っていった多数のサルの銅禍獣たち。
しばらく竹林全体がさわさわして、枝葉が揺れていたけれども、じきにもとの静寂に包まれた。
上空からその様子を見届けたわたしは里へと帰還する。
ミヤビから「降りて確認しなくてもいいのですか?」とたずねられるも、わたしは首を横にふった。
「ううん、遠慮しとく。ちびりたくないから」
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