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04 五十連敗
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転入手続きへと高校に顔を出した少女を狙う女神さま。
階段の踊り場に仕掛けた魔法陣、上から降りてきたところを、バッチリ捕えようと目論んだのだが、まさかの手すりに腰かけての滑走という手段で突破されてしまった。
映像に向かって、「高校生にもなって、何やってんのよ!」と思わずツッコミを入れる女神さま。四十四回目の転移魔法陣を躱されて、がっくりと項垂れてしまった。
なまじ美貌が整っているから、目の下の隈がかえって痛々しい。
そんな彼女の後ろでは、やいのやいのと騒いでいる一団がいる。
同僚らが、少女と女神の勝負を肴にして酒盛りを愉しんでいたのだ。ちなみにこの場に集まった全員が賭けに参加している。
「あぁー」と悲痛な声を上げたのは四十四回目にて捕縛と、一点狙いで賭けていた男の神様。「よっしゃー!」「でかした!」とひと際大きな歓声を上げたのは、二人の髭面の神様。酒瓶片手に大はしゃぎ。彼らは五十回越えに賭けた、大穴狙いの挑戦者たちである。
背後で騒ぐ連中をキッと睨む女神さま。すぐに気を取り直して次の策に移る。
一本道に誘い込んでから、一面に魔法陣を敷き詰めるという作戦を展開する。
あまりの大人げのなさに観客からブーイングが起こるも、彼女は取り合わない。ただ映像の中の少女にのみ集中していた。
獲物が両側を高いブロック塀に囲まれた路地に入った瞬間に、発動する魔法陣たち。
地面のすべてが光に満ちる。退路も同時に断ってある。いくつも直列に並べられたソレを、もはや一流アスリートですら飛び越すことは不可能、だが少女は事もなげに、このピンチを回避してみせた。
ぴょんと壁と電柱を使って器用に上まで登ると、そのままブロック塀の上をスタスタと歩いて、向こう側まで渡ってしまったのである。
これには映像を見ていた一同唖然である。
四十五回目、失敗。
「そんなバカな……」
必勝の策が敗れて呆然とする女神さまをよそに、観客たちはやんやの喝采を少女に送った。
よほどショックだったのだろう。女神さまは冷静さを失って、侍従が止めるのも聞かずに、転移魔法陣を無策のままに連発、ついに五十回目も失敗に終わり、自失となってへたり込んでしまった。
とっくに宴会もお開きとなり、侍従も就労時間が過ぎたので帰った。
薄暗い室内にポツンと一人とり残された女神さまが、ゆらりと立ち上がる。全身からは妖気が漂い、疲労ですっかり窪んだ眼がギラリと光っていた。
「ふふふふっ、良いでしょう。そこまで抵抗するんだったら、こっちにも考えがあります。次で終わりです。覚悟しておきなさい」
やたらとドスの効いた声が、彼女の口よりドロリと漏れた。
階段の踊り場に仕掛けた魔法陣、上から降りてきたところを、バッチリ捕えようと目論んだのだが、まさかの手すりに腰かけての滑走という手段で突破されてしまった。
映像に向かって、「高校生にもなって、何やってんのよ!」と思わずツッコミを入れる女神さま。四十四回目の転移魔法陣を躱されて、がっくりと項垂れてしまった。
なまじ美貌が整っているから、目の下の隈がかえって痛々しい。
そんな彼女の後ろでは、やいのやいのと騒いでいる一団がいる。
同僚らが、少女と女神の勝負を肴にして酒盛りを愉しんでいたのだ。ちなみにこの場に集まった全員が賭けに参加している。
「あぁー」と悲痛な声を上げたのは四十四回目にて捕縛と、一点狙いで賭けていた男の神様。「よっしゃー!」「でかした!」とひと際大きな歓声を上げたのは、二人の髭面の神様。酒瓶片手に大はしゃぎ。彼らは五十回越えに賭けた、大穴狙いの挑戦者たちである。
背後で騒ぐ連中をキッと睨む女神さま。すぐに気を取り直して次の策に移る。
一本道に誘い込んでから、一面に魔法陣を敷き詰めるという作戦を展開する。
あまりの大人げのなさに観客からブーイングが起こるも、彼女は取り合わない。ただ映像の中の少女にのみ集中していた。
獲物が両側を高いブロック塀に囲まれた路地に入った瞬間に、発動する魔法陣たち。
地面のすべてが光に満ちる。退路も同時に断ってある。いくつも直列に並べられたソレを、もはや一流アスリートですら飛び越すことは不可能、だが少女は事もなげに、このピンチを回避してみせた。
ぴょんと壁と電柱を使って器用に上まで登ると、そのままブロック塀の上をスタスタと歩いて、向こう側まで渡ってしまったのである。
これには映像を見ていた一同唖然である。
四十五回目、失敗。
「そんなバカな……」
必勝の策が敗れて呆然とする女神さまをよそに、観客たちはやんやの喝采を少女に送った。
よほどショックだったのだろう。女神さまは冷静さを失って、侍従が止めるのも聞かずに、転移魔法陣を無策のままに連発、ついに五十回目も失敗に終わり、自失となってへたり込んでしまった。
とっくに宴会もお開きとなり、侍従も就労時間が過ぎたので帰った。
薄暗い室内にポツンと一人とり残された女神さまが、ゆらりと立ち上がる。全身からは妖気が漂い、疲労ですっかり窪んだ眼がギラリと光っていた。
「ふふふふっ、良いでしょう。そこまで抵抗するんだったら、こっちにも考えがあります。次で終わりです。覚悟しておきなさい」
やたらとドスの効いた声が、彼女の口よりドロリと漏れた。
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