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46 人類連合
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王都より出発した勇者組と二千の軍勢は、途中でドラゴンに遭遇するも、なんとか人類連合との合流を果たす。
しかし集合地点となった領域付近の草原にて、長らく足止めを喰らうことになる。
各国の代表者らが集う会議が紛糾したからである。
勇者組を有する王国の王子が主導権を握ろうとするも、それを良しとしない勢力が固まって抵抗を示す。個の武では勝ろうとも戦は数だ。ゆえに数で遥かに勝る相手方も、一歩も自分たちの主張を曲げようとはしない。主にこの二つの勢力が争い、その間を日和見主義の者どもが行ったり来たり、おかげでまとまる話もまるでまとまらなかった。
上が政治ゲームを繰り広げている間中、待たされている兵らは堪らない。
野営続きでジリジリと体力だけが消耗していく。行動は制限され、食事にしたって延々と同じようなモノばかりが続き、イライラだけが募っていく。そのせいか鬱積した何かを吐き出すかのように、あちらこちらで小さな諍いが起こり始めていた。
それは勇者組の中でも同じであった。
これまではずっと委員長の山本大樹が主流派となって、クラスメイトたちをまとめていたが、沢良宜花蓮の喪失という事態を受けて、内部にかなり大きな亀裂が生じていた。
彼女を存命を信じ、一刻も早く魔族領へと踏み込んで助けようと、委員長が意気込むほどに、冷めていく人たちも一定数現れる。彼らにしてみれば自分の責任を棚にあげて、何をほざくといった心境なのだ。そもそも非戦闘員を戦場に連れてくること事態が間違いであったのだと。
紅いドラゴンになすすべもなくやられたことも、彼らの心に大きな影を落としていた。
「あんなのに本当に勝てるのか?」
自分の力に疑問を持ってしまったのだ。
所詮は付け焼刃にて、戦闘技術を身に着けただけの張りぼて勇者。女神さまから授けられた恩恵もたいして役には立たない。なにより彼らは思い知ってしまった。「ここはゲームの世界ではない」ということを。いささか人よりも優れた力を持ったがゆえに、自惚れていたところを冷や水を浴びせかけられて、酔いがすっかり醒めてしまった。
そして現状を冷静に鑑みて、色々とおかしな点に気が付いてしまう。「そもそも、どうして自分たちが、命を賭けてまで闘わなくてはいけないの」と。転移当初から王族に不信感を抱いていた一派も、ここにきて疑念が再燃する。確かに彼らは社会経験に乏しい学生に過ぎない。しかし自分たちの世界の人類が辿った歴史についてはかなり詳しい。その愚かさ、醜さ、身勝手さ、すべてを知っている。ゆえに連合なんてものが、絵に書いた餅だということに、薄々勘付き始めていた。
そこに加えて、他国よりの引き抜き工作が密かに始まっていた。
しかし真っ直ぐに前しか見ていない委員長は、それに気がつかなかった。そして彼が気がついたときには、すでにクラスの三分の一もの人間が他国への亡命を表明していた。
かくして魔王が予測したよりも、遥かに悪い事態へと陥っていく人類連合。
勇者というカードが分散したことにより、交渉の場は一層の混迷の度合いを深めていく。
異世界からきた少年少女たちは、ただ翻弄されることしか出来ない。
しかし集合地点となった領域付近の草原にて、長らく足止めを喰らうことになる。
各国の代表者らが集う会議が紛糾したからである。
勇者組を有する王国の王子が主導権を握ろうとするも、それを良しとしない勢力が固まって抵抗を示す。個の武では勝ろうとも戦は数だ。ゆえに数で遥かに勝る相手方も、一歩も自分たちの主張を曲げようとはしない。主にこの二つの勢力が争い、その間を日和見主義の者どもが行ったり来たり、おかげでまとまる話もまるでまとまらなかった。
上が政治ゲームを繰り広げている間中、待たされている兵らは堪らない。
野営続きでジリジリと体力だけが消耗していく。行動は制限され、食事にしたって延々と同じようなモノばかりが続き、イライラだけが募っていく。そのせいか鬱積した何かを吐き出すかのように、あちらこちらで小さな諍いが起こり始めていた。
それは勇者組の中でも同じであった。
これまではずっと委員長の山本大樹が主流派となって、クラスメイトたちをまとめていたが、沢良宜花蓮の喪失という事態を受けて、内部にかなり大きな亀裂が生じていた。
彼女を存命を信じ、一刻も早く魔族領へと踏み込んで助けようと、委員長が意気込むほどに、冷めていく人たちも一定数現れる。彼らにしてみれば自分の責任を棚にあげて、何をほざくといった心境なのだ。そもそも非戦闘員を戦場に連れてくること事態が間違いであったのだと。
紅いドラゴンになすすべもなくやられたことも、彼らの心に大きな影を落としていた。
「あんなのに本当に勝てるのか?」
自分の力に疑問を持ってしまったのだ。
所詮は付け焼刃にて、戦闘技術を身に着けただけの張りぼて勇者。女神さまから授けられた恩恵もたいして役には立たない。なにより彼らは思い知ってしまった。「ここはゲームの世界ではない」ということを。いささか人よりも優れた力を持ったがゆえに、自惚れていたところを冷や水を浴びせかけられて、酔いがすっかり醒めてしまった。
そして現状を冷静に鑑みて、色々とおかしな点に気が付いてしまう。「そもそも、どうして自分たちが、命を賭けてまで闘わなくてはいけないの」と。転移当初から王族に不信感を抱いていた一派も、ここにきて疑念が再燃する。確かに彼らは社会経験に乏しい学生に過ぎない。しかし自分たちの世界の人類が辿った歴史についてはかなり詳しい。その愚かさ、醜さ、身勝手さ、すべてを知っている。ゆえに連合なんてものが、絵に書いた餅だということに、薄々勘付き始めていた。
そこに加えて、他国よりの引き抜き工作が密かに始まっていた。
しかし真っ直ぐに前しか見ていない委員長は、それに気がつかなかった。そして彼が気がついたときには、すでにクラスの三分の一もの人間が他国への亡命を表明していた。
かくして魔王が予測したよりも、遥かに悪い事態へと陥っていく人類連合。
勇者というカードが分散したことにより、交渉の場は一層の混迷の度合いを深めていく。
異世界からきた少年少女たちは、ただ翻弄されることしか出来ない。
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