下出部町内漫遊記

月芝

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073 ゴジマデVSニンバ 後編

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 一角怪獣ゴジマデとの戦い。
 序盤は設置した地雷と一斉射撃により、わたしたちが優勢に運ぶ。
 その流れのまま接近戦へと持ち込み、カクさん主導によるニンバが大暴れ。怒涛の乱打攻撃を仕掛け、ゴジマデを追い詰めていく。
 かにおもえたが、ここでゴジマデが破壊光線を発射した。
 圧倒的破壊力にて当たれば一発でアウト。
 だから第二射を撃たせまいと、懐に飛び込むべくニンバを押し進めていたのだけれども――

 ピカビカ、ゴロゴロ、ドカン、ピシャン!

 雷鳴が轟き、青いイナヅマが幾筋も走り墜つ。
 放ったのはゴジマデだ。ヤツの一本角がビリビリと雷を帯びたとおもったら天へと向けて光がのびていき、中空にてパッと花火のように咲いた。高所より四方八方へと散ったのは雷光にて、地へと目がけて雨のように降り注ぐ。
 ゴジマデを中心にして展開されるその光景は、さながら雷の檻のよう。

 ――これではうかつに近寄れない!

 ニンバは足踏みを余儀なくされる。
 そしてわたしたちがちがまごついているうちに、エネルギーチャージを終えたゴジマデが口を大きく開け、破壊光線の第二射を放とうとしていた。

「いかん、このままだと街に被害がでるぞミユウ」
「わかってるって」

 わたしは機体を操作し、急ぎその場を離れようとする。横へ横へと動き、街を背負わない位置を目指す。
 それに遅れること、わずか。
 ついに二度目の破壊光線が発射された。
 しかも今度はさっきのとはちがい、単に真っ直ぐなだけではなくて、そのまま横薙ぎへと移行する。ゴジマデが撃ちながら首を回したせいだ。
 わたしたちを追って、破壊光線がズンズン近づいてくる。

「ちょ、ちょっとタンマ!」
「向うの方が速い、追いつかれる!」

 こんなことならニンバにもローラースケートを履かしておくんだったと、後悔するもあとの祭り。もはやこれまでかと、わたしたちも観念する。
 でもここでおもわぬ事態が起こった。
 破壊光線が急に進路を変えて、空へと向かったのだ。
 どうしてそんなことになったのかといえば、ジンさんのおかげであった。

 あの雷の檻の中を物ともせずに、疾駆していたのはジンさんが運転する改造ジープである。
 落雷と車、じつはけっこう相性がいい。
 車に落ちた雷は、表面を伝ってタイヤから地面へと流れていくからだ。
 とはいえドカンドカンと何発も喰らっては、さすがにノーダメージとはいかない。
 しかしジンさんは止まらなかった。
 ばかりか雷光の嵐の下を疾走し続けては、わたしたちにばかり気をとられていたゴジマデに接敵し、さらには近くからの狙撃を敢行する。
 ジンさんが狙ったのはゴジマデの右目である。
 破壊光線を景気よく吐いているとこへ、不意打ちを喰らったゴジマデはとても驚いた。
 そのおかげでヤツの攻撃がそれて、わたしたちは九死に一生を得たという次第。
 でも……

 右目を潰されたゴジマデは怒り心頭にて、しっぽをブゥン。
 薙ぎ払われたジンさんのジープは派手にかっ飛ばされて、地面に幾度も転がり大破してしまった。

「ジンさーん!」
「ナムナム、いい奴じゃった」

 わたしとカクさんは惜しいひとを亡くしたと手を合わせた。
 そうしたら「コラッ、勝手に殺すな!」との声が聞こえたような気がしたけれども、いちいち確認している暇はない。
 なぜなら、すぐにゴジマデが第三射の準備へと入ったからである。

 もうこうなったらヤルしかない。
 わたしとカクさんはうなづき合うと特攻を開始した。
 ゴジマデへと駆け出すニンバ。
 させじとゴジマデはふたたび雷の檻を展開する。
 しかし今度は怯まない。こっちも被弾覚悟にて。
 だがまったくの無策というわけでもない。天へと向けて放たれた光が散る寸前のこと、それへと目がけて「ふんぬっ」
 ニンバが放ったのは手にしていた大砲のうちの一門である。
 雷撃をそらす避雷針代わりだ。カクさんの提案によるもの。

 天に打ち上げられた雷球、くるくると回りながら飛んできた大砲がぶつかったとたんに、ビリビリビリ! 中空にて盛大に爆ぜた。
 狙い通りにてカクさんはしてやったり。
 これで邪魔な檻が無くなったので、ニンバは存分に駆けてはゴジマデへとみるみる近づいていく。

 迎え討つべく、ゴジマデが第三射を放とうとする。
 フルチャージでは間に合わないと判断したのか、ゴジマデは半端な状態で放とうとする。
 それでもきっと威力は充分にて、脅威なのには変わらない。
 そしてこの判断は正しかった。
 ニンバが懐へと飛び込むよりも先に、第三射が放たれてしまう。
 たちまち視界が閃光に埋め尽くされる。

「くそっ、こんのぉおぉぉっ」

 わたしはとっさに目いっぱいハンドルを切った。
 機体がグイと傾き、やや前のめりとなる。たとえ完全にはかわせなくとも、せめて少しでもダメージを軽減できたらと考えてのこと。

 バンッ!

 もの凄い音と衝撃がしたとおもったら、ニンバの右腕が肩の付け根からもげていた。ばかりか胴体も抉れて、コクピットが外から丸見えとなったもので、わたしは「ひょえぇぇぇ」と恐れおののく。
 だが、どうにか耐えた!

「でかしたぞ、ミユウ!」

 このタイミングで攻撃担当のカクさんが動く。
 残る左腕にある一門を突き込んだのは、ゴジマデの口の中だ。
 ジンさんによって右目を負傷していたゴジマデにとっては、死角からの攻撃となりロクに反応できず。

 キュポン。

 景気よく破壊光線を放っていたところに、いきなり栓をされた。
 口をふさがれたゴジマデはあわあわ。
 そうしているうちにゴジマデの腹がみるみる膨らんでいく。行き場を失くしたエネルギーが逆流をしているせいだ。
 ゴジマデはあわてて突っ込まれた大砲を抜こうとするも、させじとニンバが邪魔をする。

 で、………………ボッカーンッ!

 溜め込まれたエネルギーはいっきに爆ぜた。
 その場にあったすべてを呑み込んで――

 一角怪獣ゴジマデ撃破。
 いちおう防衛ミッション成功???


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