異世界メールフレンド〜女騎士とメールしていたら帰れなくなりました〜

竹野こきのこ

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異世界転移編

メフィスとフェレス

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魔族……。

以前ベルム大佐に、魔族では無いか? と聞かれた事はあるが……。

「魔族がなんで?」
「分からん、普段彼らは人族の世界には干渉はしないと言われているが、友好的な訳では無い」

俺たちは装備を整え、家の外に出ると門の前に黒い竜車が止まり、扉が開く。

中からは執事風の若い男と、メイドの様な少女が現れた。

髪は黒く、赤い目。赤い石の光るループタイが目につく。エリカは咄嗟に剣を抜き叫ぶ。

「魔族が我領地になんの様だ?」

男は白手を付けた手をおりお辞儀をする。
「失礼、我々に戦う意思はございません。 武器をお納め下さい」

丁寧な雰囲気とは別に威圧感を感じ、俺はアドリの肩を寄せる。エリカもゆっくりと剣を鞘に納めた。

男はもう一度お辞儀をすると、
「ご理解いただき感謝します。申し遅れましたが私、魔王イフル様にお使えしておりますフェレスと申します……」

すると赤い雫の様なピアスがキラリと光る。

物腰の低さに、今は戦うつもりは無いのだと、俺は理解する。だが、俺は彼が魔王と言った事が気になる。

魔王がいるのか……?

「あまり警戒なさらないで下さい。私も赤翼と管理者の孫、それに異世界の住人を相手に出来るとは思っておりません」

「なるほど、それで魔族のフェレス殿は如何様で此方にきているのか?」

「結論を申し上げます。異世界から来た黒髪の彼に我々の主と会っていただきたいのです」

「主……魔王とか?」

「はい……」

エリカは息を飲み、ゆっくりと聞く。
「断ると言ったら?」

「ふむ……わが主とは会いたくないと?」
「こちら側に会う理由はないからな」

フェレスは少し笑い、
「会いたくなる様にさせて頂く迄でございます」

拒否権は無い。フェレスの姿勢は交渉するつもりは無かった様だ。

「修平! アドリと離れろ!」

エリカはそう叫ぶと、炎の矢を即座に展開しフェレスに放つ。

だがフェレスは左手で撫でる様にかき消し言った。

「赤翼の騎士よ、我々を舐めない方がいい……」

すると、手を繋いでいたアドリの首にメイドのナイフが当てられている。

エリカはそれを見て、炎の矢を止めた。
「くっ……」

俺は手を繋いでいない方の左手で、ナイフを当てるメイドの手を掴んだ。

「なぁ……何やってんだよ?」

俺はそう言って掴んだ手を強く握るも、メイドは何も答えない。

少しづつ腕を離し、更に力を込めると、中の骨が軋むのがわかり、ナイフを落とす。

「異世界の……いや修平さんと呼びましょう」

「あのさぁ、戦う意思は無いって言ってたよな? それでコレはないんじゃねーのか?」

俺がそう言うと、メイドは握られたてをひねり、俺に蹴りを当てる。

咄嗟に掴んだ腕を下げるとメイドの腕が折れた。
「ああああぁぁぁ!」

フェレスは驚き、
「まさかこれほどとは……主が会いたがるわけだ」

そう言って、ゆっくりクビをふり、
「分かりました、今回は一旦退かせていただきます。ですが、今後あなた方が求めている事にどちらが近くのかを今一度お考え下さい」

そう言ってフェレスは竜車に戻ろうとすが、乗り込む前にとまる。

「あの……私の部下は離して頂けないので?」

俺は掴んだままの折れた手を見て、そっと離した。

「感謝します」

フェレスはメイドをのせるとそう言って竜車を走らせた。

俺たちは竜車が見えなくなるのを確認すると、家の中に戻るとアドリが一息つく様に言う。

「びっくりしたねー!」

「というか、アドリは全然平気そうだな?」
「だって、アドリにはネックレスが有るしね! 多分刺されてても大丈夫だよ?」

そうか、手を繋いでいたらほぼ俺と同じ強度になると言うアルカナイさんの魔道具。どおりでアドリは全然平気なわけだ……。

「いや、でも絶対安全なわけじゃないだろ!」
「まぁでも、大丈夫だったよ?」

「ま、まぁ……」

だが、エリカは何か考えている様な素振りを見せる。

「エリカ……魔族ってなんなんだ?」
「魔王イフルは、管理者の一人だ。今回もこうなる事は予測していただろう……」

「それじゃ、また……」

「ああ、私達がどう動くのかで奴等は相応の手段にでてくるだろう」

エリカは、
「少し考えがある」

そう言って家の中に入って行った。
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