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北条包囲網
甲斐のクーデター③
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「勘助様!躑躅が崎からの連絡が途絶えています、こちらから様子見に伺った者も戻ってまいりませぬ」
勘助の元に歩み寄った行商人風の男が勘助に報告をしていた
「う~む・・・嫌な予感がする・・・引き続き頼む飛猿、それと身延の情報は入らぬのか?」
「はい・・穴山殿の元に放った忍びからの連絡もありませぬ」
うーん・・・まさかとは思うが・・・もし穴山殿が心変わりをいたせば国がひっくり返る
「頼むぞ飛猿」
「は!」
そういうと山本勘助の元から消えるようにいなくなる。
武田の支配下の忍は9の流派がある、飛猿は甲陽流の忍びである。他に晴信の警護を陰ながら行う武田流はじめ松田流、忍甲流、忍光流とあり信濃の戸隠流、芥川流、青木流、伊藤流と別れている、情報収集こそ国の礎としている、晴信の方針により各流派切磋琢磨している、忍びの主流と言われる、伊賀や甲賀といった所と比べても全く謙遜はない、伊賀甲賀がどこの勢力にも属さない忍びで傭兵のような立場であるが故、知名度を上げることに重きを置いているのに対し、大名家お抱えである甲信の忍びには知名度は必要ない故ともいえる。
今は武田の重臣となっている山本勘助も元は今川の忍びであり、晴信の取り立てにより武田の忍びの総括のような立場になっている。
「権蔵おるか?」
「は!」
勘助の一声により現れたのは武田流の権蔵である、
「どれくらい仕上がっているか?」
「声色は申し分ありませぬ、立ち振る舞いも問題ないと言えます。信廉様以上の者になっています」
「ふむ、準備いたせ、晴信様には俺から伝える」
勘助の声と共に忍達は行動を開始する、北条にも風魔始め、半蔵率いる伊賀と忍の技術は非常に高いが、武田に置いてもその技術は高い。
勘助が本陣の幕を潜る、本陣には晴信をはじめ、板垣信方、甘利虎泰、横田備中、真田信綱、小幡昌盛と言った武田を代表とする将が議を語っていた
「勘助、厠か?長いな」
甘利虎泰はからかうように勘助に語りかける
「戦場になれば、出る物も出なくなる時がある、出せる時に出しておく、いざとなれば垂れ流すだけだがな」
板垣信方もその言葉に追従する
季節は冬に差し掛かろうと言う季節である、必然的にトイレも近くなる。そんな戦場での下事情も武田の老将の二人にとっては戦局を左右するきっかけになるとでも言いたげである。
勘助は今川からの降将である、しかし晴信の信頼厚く、武田の老将から嫌味なようなことも受ける事は多い。
とは言っても、板垣も甘利も勘助の力は認めている、また勘助もまたこの二人が諸将を引き締めている存在である事は重々承知していた、些細な事も分け隔てなく言い放っているからである、それは主君晴信に対してもである。
勘助にとっても二人のお小言はもはや定例行事でもあった
勘助は二人を見てにやりと笑いながらも無言のまま晴信の後方に歩みより耳打ちをする。
「誠か・・・うむ・・・・思い過ごしであればいいが」
「ですのであれを準備しております」
「そうか・・・だが大丈夫か?」
「はい」
晴信はすっと立ち上がり陣の将たちを見下ろして言葉を発した
「少し出てくる・・・しばし待たれよ」
「は!」
勘助と晴信が陣を出て不穏な空気を察した甘利と板垣も渋い顔をしていた、一緒に何が起きたかを考える
透波の連絡では甲斐に異常はない。後方も安全である。前方も馬場民部始め武田の猛将が引き締めている、そう簡単に崩れはしない・・・
いったい何が?誰か謀反か・・・・
そんなことを考えていた
だが透波の連絡は穴山梅軒の策略であり偽計である、唯一勘助のみ知った顔以外は信用しない、勘助が連絡しにくる透波達が穴山の手の者だけであることに気が付き、自身の抱える忍に探らせていた状態である。
言っときすると晴信と勘助が戻ってきた
その様子を見た甘利と板垣は直に察する・・影武者である。
だが言葉には出さない、何やら大事である、ならばその進行を邪魔立てする必要はない。
晴信の影武者は背格好も声も似ていた、顔もそっくりである・・・事実甘利と板垣以外は気付くことは無い、唯一気の流れを感じるほどの手練れである真田信綱は晴信の雰囲気が変わったと思う程度であった。
「申し上げます!後陣より、義信様と飯富様が御来陣です。緊急の申し出とのこと」
「うむ!通せ!」
晴信にそっくりな影武者は無難に返事をする。
見事の者じゃ・・・その演じっぷりを甘利と板垣は感心するも表に出さないようにする
2人は晴信が小さな時から携わっている、故にその癖や話し方など瓜二つに仕上がっている影武者に感心する、一方で緊急な事態と言う義信の提言について考える
ほどなくすると義信と飯富虎昌が陣に入ってきた・・・格段不審な点は無い
「父上、耳に入れてほしき事が御座います」
「なんじゃ?」
「甲斐の信繁殿に謀反の噂があります」
「ありえん、信繁殿がそのような!」
甘利虎康が立ち上がる、すると飯富虎昌はすっと首を差し出す
「母上の首です・・・信繁め・・欲に目がくらみ、母上を殺害・・・このような物を届けてまいりました」
「なんと三条さま・・・・」
板垣はその首を見るも・・見間違えることなき三条夫人・・・
「他にも・・・諸将の奥方、ご子息も・・・・」
「なんだと!」
横山備中も立ち上がった・・・・
横山備中の妻や子もまた躑躅か崎にいたのである、これは板垣、甘利ともに同じであるが、息子は既に信濃で活動している、甲斐にいるのは伴侶であるが二人はじっと義信を睨む。
「甲斐には貧兵・・・いったいなんの目論見があって」
「きっと氏政でしょう・・・甲斐はこのままでは北条の手下となりましょう、それを嫌い叔父上は立ち上がったのでは、とはいえ許すまじ蛮行・・・穴山殿はじめ直に行動に出ています、それに八王子から北条氏照軍が甲斐に入ったと報告もあります」
これは実際にそうであった、甲斐からの攻撃を受けて氏照は迎撃、直に甲斐兵が撤退したが、その後武田信繁の使者が穴山謀反の知らせを受け氏照に救援の使者をよこしていたのである、
氏照はすぐさま兵を集め甲斐に侵入、躑躅が先に向けて進軍を開始するが岩殿城、横田城を守る小山田勢と抗戦を開始した。
軍の大半を今回の駿河遠征によこしていた小山田軍を率いていたのは小山田有誠は信茂謀反の報を聞いていないし、岩殿や横田を守る兵もまた、信茂が信繁を殺害したことなど知らなかった、北条の大群を前に善戦をしていたが後方から信繁の旗印をもる武田軍が到着し、小山田隊を攻撃、挟み撃ちになった小山田有誠は、北条氏照に降伏、しかしその北条隊と武田信繁隊が再び戦闘状態になったのである。小山田有誠にとっては何が起きているのかわからない状態であった・・・
どがその報を知らせるべく放たれた透波は武田本陣に届いた
「申し上げます!北条氏照軍、岩殿に侵攻、小山田隊と抗戦!武田信繁謀反!」
その知らせがまさしく義信が晴信に接見している時に来たのである。
この報に諸将は浮つき出す、北条の裏切り、信繁の謀反・・・冬の前に退陣の準備もしていた武田軍にとって帰る場所が襲われると言うのである・・・
「だまらっしゃい!」
甘利虎泰が一括をする!
その一括で少し場が静かになる
「義信殿!伺いいたす、穴山殿が甲斐に向かわれているなら問題なかろう、一大事であるがなぜ諸兵にまでその知らせを行き届かせる?これでは皆浮き足立つ、そうなれば軍が弱くなるであろう!」
「なに・・簡単な解決です・・・私を甲斐の総大将として織田殿に下ればいいのです!」
この言葉に板垣信方も立ち上がる
「な!ならば謀反を起こしたのは信繁ではなく・・」
そう言葉を発した時にすでに板垣信方の首が飛んでいた・・・飯富虎昌の鉈がその首を撥ねていたのである
「ノブカタ~!」
甘利虎泰の叫び声と共にその鉈は甘利虎泰の胴体を二つに切り裂く、それと共に勘助がその腕を切り落とした
その姿は既に勘助ではなく武田の忍である権蔵であった
腕を切り離された飯富虎昌であるが左手で権蔵を掴み投げ出す
横田備中も槍を取り出し飯富虎昌に襲い掛かるも一撃で吹き飛ばされる
真田信綱は腰の剣でそれを受けるが剣は折れ曲がってしまっていた。
おなじくして四方八方から赤備え飯富隊と義信隊が飛び出し武田兵を切り刻んでいく。時折人の動きを超えた魔人を伴いながら。
晴信の影武者はその光景を見ながら動けずにいた・・・
「影武者か・・・・やっぱり父上はすごいな・・・だが大事なのは晴信が死んだという事・・・味方にも影武者を知らせない父上の愚かな所」
義信の剣は晴信の影武者の首をとらえ、その首を義信が掲げる
「武田の総大将 武田晴信はこの武田義信が打ち取った!これより武田の棟梁はこの義信が担う、はむかう者は皆切り捨てる!、降る者には新たな世界を見せて進ぜよう!」
その言葉に多くの将兵が項垂れ崩れ落ちる、また逃げ出す者も多くいた。
逃げ出す者はことごとく化け物じみた魔人達が切り捨てていく、一方で下った者は晴信が討たれたとの報を真に受けてその場で座り込んでいた
陣の中で抵抗していた権蔵は義信に切りかかるも飯富虎昌に捕まり一撃で殴り殺される、切り落としたはずの右腕で
真田信綱は手下を連れてこの場を離れようとするが。目の前には原虎胤が立ちはだかる、原虎胤と打ち合うも真田の強者は次々と倒れ真田信綱もまた原虎胤によって命を狩り取られた
-----------------
「晴信様・・・身延は危険でございます・・・小田原に向かいましょう」
「そうであるな・・・民部になんとか知らせれぬか?」
「既に私の手の者が動いております・・しかし・・・情報が入り乱れています・・・馬場殿との合流よりも小田原に向かいましょう」
本来は晴信の言う通り、馬場隊と合流した方が立て直しはしやすいのであろう、だが義信が連れてきた兵は義信隊に飯富隊、原隊のみで、もし穴山隊や小山田隊の動きが見えなかった。別働で馬場隊に向かったと考えた勘助は小田原への合流を試みるべきと考えた
「ならん、甘利や板垣の死・・・備中も信綱も生死は知れず・・・・この上、民部まで撃たれたなら、生きながらえても、それに北条に保護されるのは今の状況ではよくない」
「だからこそです・・・板垣様や甘利様の死を無駄にしてはいけませぬ」
「勘助様・・・追手です・・物凄き速さ・・・馬でお逃げください・・・」
馬を二頭連れて飛猿がすっと現れた、
「晴信様!小田原に向けてください!」
「ならん!民部の元に行く!」
晴信は馬を富士川に踵を返す
「く!・・・みな晴信様を守れ!」
「応!」
勘助と忍達は一斉に晴信を追う
だが林を抜けて晴信の前に待っていたのは小山田信茂であった
「これはこれは・・晴信様・・生きておられたか・・・・だが生きておられると困りましてな・・・武田と北条は争わねばなりませぬ・・・あの三条の婆のように命ごいをしても殺してしまいますよ、北条の仕業にしてね」
「信茂お主も魔に染まったか・・・だが武田の将兵を甘く見るな!そのような企みに騙される者達ではない」
「いやはや・・・人間は一つ上の存在になりますとなスキルと言う物が身につくのですよ・・私は『魔人製造』、梅軒殿は『精神支配』、あの愚息の義信でさえ『支配者』のスキルが付きました・・・いやはや・・・梅軒様と義信のスキルで普通の人間まで支配できるのですよ・・・ふふふ」
「ふざけた事を!信茂・・お主の家族も岩殿におろう!」
「いやあ・・あんなのは愚民ですから・・・精々北条兵の1人でも殺してくれればいいのですが、あっさり降伏したようですな・・・やはり愚民・・・精鋭は私の元で魔人に進化してあげましたからな」
晴信と忍達は小山田隊に囲まれていた・・眼が赤き魔人と、目に精気が無い操られた人間・・・そのような者に囲まれる絶体絶命の状態であった。
勘助の元に歩み寄った行商人風の男が勘助に報告をしていた
「う~む・・・嫌な予感がする・・・引き続き頼む飛猿、それと身延の情報は入らぬのか?」
「はい・・穴山殿の元に放った忍びからの連絡もありませぬ」
うーん・・・まさかとは思うが・・・もし穴山殿が心変わりをいたせば国がひっくり返る
「頼むぞ飛猿」
「は!」
そういうと山本勘助の元から消えるようにいなくなる。
武田の支配下の忍は9の流派がある、飛猿は甲陽流の忍びである。他に晴信の警護を陰ながら行う武田流はじめ松田流、忍甲流、忍光流とあり信濃の戸隠流、芥川流、青木流、伊藤流と別れている、情報収集こそ国の礎としている、晴信の方針により各流派切磋琢磨している、忍びの主流と言われる、伊賀や甲賀といった所と比べても全く謙遜はない、伊賀甲賀がどこの勢力にも属さない忍びで傭兵のような立場であるが故、知名度を上げることに重きを置いているのに対し、大名家お抱えである甲信の忍びには知名度は必要ない故ともいえる。
今は武田の重臣となっている山本勘助も元は今川の忍びであり、晴信の取り立てにより武田の忍びの総括のような立場になっている。
「権蔵おるか?」
「は!」
勘助の一声により現れたのは武田流の権蔵である、
「どれくらい仕上がっているか?」
「声色は申し分ありませぬ、立ち振る舞いも問題ないと言えます。信廉様以上の者になっています」
「ふむ、準備いたせ、晴信様には俺から伝える」
勘助の声と共に忍達は行動を開始する、北条にも風魔始め、半蔵率いる伊賀と忍の技術は非常に高いが、武田に置いてもその技術は高い。
勘助が本陣の幕を潜る、本陣には晴信をはじめ、板垣信方、甘利虎泰、横田備中、真田信綱、小幡昌盛と言った武田を代表とする将が議を語っていた
「勘助、厠か?長いな」
甘利虎泰はからかうように勘助に語りかける
「戦場になれば、出る物も出なくなる時がある、出せる時に出しておく、いざとなれば垂れ流すだけだがな」
板垣信方もその言葉に追従する
季節は冬に差し掛かろうと言う季節である、必然的にトイレも近くなる。そんな戦場での下事情も武田の老将の二人にとっては戦局を左右するきっかけになるとでも言いたげである。
勘助は今川からの降将である、しかし晴信の信頼厚く、武田の老将から嫌味なようなことも受ける事は多い。
とは言っても、板垣も甘利も勘助の力は認めている、また勘助もまたこの二人が諸将を引き締めている存在である事は重々承知していた、些細な事も分け隔てなく言い放っているからである、それは主君晴信に対してもである。
勘助にとっても二人のお小言はもはや定例行事でもあった
勘助は二人を見てにやりと笑いながらも無言のまま晴信の後方に歩みより耳打ちをする。
「誠か・・・うむ・・・・思い過ごしであればいいが」
「ですのであれを準備しております」
「そうか・・・だが大丈夫か?」
「はい」
晴信はすっと立ち上がり陣の将たちを見下ろして言葉を発した
「少し出てくる・・・しばし待たれよ」
「は!」
勘助と晴信が陣を出て不穏な空気を察した甘利と板垣も渋い顔をしていた、一緒に何が起きたかを考える
透波の連絡では甲斐に異常はない。後方も安全である。前方も馬場民部始め武田の猛将が引き締めている、そう簡単に崩れはしない・・・
いったい何が?誰か謀反か・・・・
そんなことを考えていた
だが透波の連絡は穴山梅軒の策略であり偽計である、唯一勘助のみ知った顔以外は信用しない、勘助が連絡しにくる透波達が穴山の手の者だけであることに気が付き、自身の抱える忍に探らせていた状態である。
言っときすると晴信と勘助が戻ってきた
その様子を見た甘利と板垣は直に察する・・影武者である。
だが言葉には出さない、何やら大事である、ならばその進行を邪魔立てする必要はない。
晴信の影武者は背格好も声も似ていた、顔もそっくりである・・・事実甘利と板垣以外は気付くことは無い、唯一気の流れを感じるほどの手練れである真田信綱は晴信の雰囲気が変わったと思う程度であった。
「申し上げます!後陣より、義信様と飯富様が御来陣です。緊急の申し出とのこと」
「うむ!通せ!」
晴信にそっくりな影武者は無難に返事をする。
見事の者じゃ・・・その演じっぷりを甘利と板垣は感心するも表に出さないようにする
2人は晴信が小さな時から携わっている、故にその癖や話し方など瓜二つに仕上がっている影武者に感心する、一方で緊急な事態と言う義信の提言について考える
ほどなくすると義信と飯富虎昌が陣に入ってきた・・・格段不審な点は無い
「父上、耳に入れてほしき事が御座います」
「なんじゃ?」
「甲斐の信繁殿に謀反の噂があります」
「ありえん、信繁殿がそのような!」
甘利虎康が立ち上がる、すると飯富虎昌はすっと首を差し出す
「母上の首です・・・信繁め・・欲に目がくらみ、母上を殺害・・・このような物を届けてまいりました」
「なんと三条さま・・・・」
板垣はその首を見るも・・見間違えることなき三条夫人・・・
「他にも・・・諸将の奥方、ご子息も・・・・」
「なんだと!」
横山備中も立ち上がった・・・・
横山備中の妻や子もまた躑躅か崎にいたのである、これは板垣、甘利ともに同じであるが、息子は既に信濃で活動している、甲斐にいるのは伴侶であるが二人はじっと義信を睨む。
「甲斐には貧兵・・・いったいなんの目論見があって」
「きっと氏政でしょう・・・甲斐はこのままでは北条の手下となりましょう、それを嫌い叔父上は立ち上がったのでは、とはいえ許すまじ蛮行・・・穴山殿はじめ直に行動に出ています、それに八王子から北条氏照軍が甲斐に入ったと報告もあります」
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氏照はすぐさま兵を集め甲斐に侵入、躑躅が先に向けて進軍を開始するが岩殿城、横田城を守る小山田勢と抗戦を開始した。
軍の大半を今回の駿河遠征によこしていた小山田軍を率いていたのは小山田有誠は信茂謀反の報を聞いていないし、岩殿や横田を守る兵もまた、信茂が信繁を殺害したことなど知らなかった、北条の大群を前に善戦をしていたが後方から信繁の旗印をもる武田軍が到着し、小山田隊を攻撃、挟み撃ちになった小山田有誠は、北条氏照に降伏、しかしその北条隊と武田信繁隊が再び戦闘状態になったのである。小山田有誠にとっては何が起きているのかわからない状態であった・・・
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この報に諸将は浮つき出す、北条の裏切り、信繁の謀反・・・冬の前に退陣の準備もしていた武田軍にとって帰る場所が襲われると言うのである・・・
「だまらっしゃい!」
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その一括で少し場が静かになる
「義信殿!伺いいたす、穴山殿が甲斐に向かわれているなら問題なかろう、一大事であるがなぜ諸兵にまでその知らせを行き届かせる?これでは皆浮き足立つ、そうなれば軍が弱くなるであろう!」
「なに・・簡単な解決です・・・私を甲斐の総大将として織田殿に下ればいいのです!」
この言葉に板垣信方も立ち上がる
「な!ならば謀反を起こしたのは信繁ではなく・・」
そう言葉を発した時にすでに板垣信方の首が飛んでいた・・・飯富虎昌の鉈がその首を撥ねていたのである
「ノブカタ~!」
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横田備中も槍を取り出し飯富虎昌に襲い掛かるも一撃で吹き飛ばされる
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義信の剣は晴信の影武者の首をとらえ、その首を義信が掲げる
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その言葉に多くの将兵が項垂れ崩れ落ちる、また逃げ出す者も多くいた。
逃げ出す者はことごとく化け物じみた魔人達が切り捨てていく、一方で下った者は晴信が討たれたとの報を真に受けてその場で座り込んでいた
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真田信綱は手下を連れてこの場を離れようとするが。目の前には原虎胤が立ちはだかる、原虎胤と打ち合うも真田の強者は次々と倒れ真田信綱もまた原虎胤によって命を狩り取られた
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「だからこそです・・・板垣様や甘利様の死を無駄にしてはいけませぬ」
「勘助様・・・追手です・・物凄き速さ・・・馬でお逃げください・・・」
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「く!・・・みな晴信様を守れ!」
「応!」
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最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
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